平成20年6月 本会議 定例会(第3号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

◯議長(林 忠男君) ただいまの出席議員は22名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第3号のとおりであります。

                  日程第1
    市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)

◯議長(林 忠男君) これより本日の日程に入ります。
 日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第44号から議案第52号まで、平成20年度砺波市一般会計補正予算(第1号)外8件について、及び報告第5号から報告第10号まで、専決処分の承認を求めることについて外5件についてを議題といたします。
 昨日に引き続き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 1番 大楠匡子君。
  〔1番 大楠匡子君 登壇〕

◯1番(大楠匡子君) おはようございます。傍聴席に女性の姿が多く見られ、大変緊張いたしておりますが、頑張って質問をしたいと思います。
 議長のお許しを得ましたので、通告に従い質問と提案をさせていただきます。
 1つ目に、郷土の伝統文化を守り伝えるためにお伺いいたします。
 砺波市には郷土資料館が長年整理し、まとめてこられた民具がたくさん保存されています。これらの民具を展示し、活用するための(仮称)民具展示館の建設が散居村ミュージアム内で予定されています。基本設計の概要は、木造2階建てで1階に展示室を1つ、2階に3つ計画されています。学習施設ということで、1階には机やいすを並べて利用できる多目的室も予定されており、散居村ミュージアムの新たな目玉として大変期待している者の一人であります。
 しかし、民具展示館という文化財を扱う建物でありますのに、農地林務課の所管になっていることが気にかかっています。竣工後は、文化的な観点から学習の場として広く利活用を進めていかねばならない施設でありますから、教育委員会の所管にされるとよいのではないでしょうか。立派な建物を生かすためにはソフト部門の充実が欠かせません。展示されている民具をしっかり管理保存し、入館者に説明できる学芸員の配置が必要となってきます。また、学習施設という観点から、民具を実際に使って体験するコーナーを設けるなどの工夫も必要です。ただ、展示するだけの民具から一歩進んで、民具を活用することで子どもたちを初め市民にとって大変親しみやすい場所になると思うのです。先人の知恵が生かされている民具の展示館が生きた施設となりますよう、所管の変更など運営方針について市長の御見解をお聞かせください。
 あわせて、砺波郷土資料館と庄川水資料館の充実についてお伺いいたします。
 新砺波市総合計画の「人」と「心」を育むまちづくりの重点施策の中で、地域文化の理解と継承が取り上げられており、「砺波郷土資料館や庄川水資料館を市民がより親しみを持って利用できるよう企画の充実を図ります。」「身近にある地域の歴史や文化について親しみを持って学ぶことができる場を提供し、市民の地域伝統文化に対する認識の向上に努めます。」とうたってあります。地域文化について学ぶのに適した場である両資料館がさらに市民に親しまれ、利用されるよう期待するものです。砺波郷土資料館は、これまですばらしい研究成果を上げている学術研究機関で、このような研究機関は県内にはありません、一昨年出版されました「砺波の民具」は、県内のみならず県外や海外でも高く評価されています。このようなすばらしい活動を続けている郷土資料館ですが、市民にはその成果がよく知られていません。もったいない話です。郷土資料館が蓄積されてこられた研究成果を広く市民に知っていただくために公開講座などを計画されることも1つの方法ではないでしょうか。地域の伝統文化を継承する大事な役目を担っている郷土資料館が、今後もすばらしい研究を続けていくことができるよう、人員の充実や予算の拡充を望むものですが、当局のお考えをお聞かせください。
 庄川水資料館には、流木に生きた先人たちの仕事ぶりや生活を再現している常設展示室と、庄川とともに生きた人々の生活資料や治水、利水、流送などの資料や模型を展示している企画展示室と映像ホールがあり、庄川と生きてきた先人について学ぶ最適の場所であります。昨年の利用者は年間3,705人で、映像ホールの利用は平成19年度2回で106人が利用されていますが、平成18年度は零回という現状です。上映される映像は昨年新しくなり、大変見ごたえのあるものになっているのに利用者が少ないのは残念に思います。郷土文化をしっかり守り育てていっていただくために、水資料館にも学芸員を配置されるよう願うものであります。
 また、近くの庄川小学校の児童はこの資料館を頻繁に利用されていますが、その他の小学校においても郷土について学ぶ授業などで積極的に利用されるよう働きかけていただきたいと思うものですが、教育長のお考えをお聞かせください。
 2つ目に、青少年の健全育成についてお伺いいたします。
 今から12年前の1996年に富山県内で初めて富山市に5人の学校司書が配置されて以来、徐々にその数を増やしてきた学校司書ですが、平成19年4月現在、県内の小中学校289校中256校に156名の学校司書が活躍するまでになりました。全国の小中学校における学校司書の配置校比率が44から50%程度の現況下において、富山県は88.6%に達し、全校配置も視野に入ってきています。大変うれしいことではありますが、256校に156名の司書ということで、100校には複数校勤務の、つまりかけ持ちの学校司書が充てられていることになります。
 砺波市におきましては青少年の健全育成という視点から読書活動の大切さをよく理解していただき、学校司書の配置を積極的に進めていただいています。昨年からは、1日6時間、週3日勤務体制になり、複数校かけ持ちの学校司書がいなくなりました。そして、さらに、今年の4月からは、1日6時間、週5日勤務となり、毎日、学校司書さんがおられる体制が整ったのです。本当にありがたいことです。学校司書の配置は心を育てる読書活動の大きな手助けになっているのみならず、学校教育の中において調べ学習を進める上などで大きな働きをしていると聞いています。このような学校教育への人的配置は子どもを育てる、子どもを見守る上でも大事なことで、市の取り組みを高く評価したいと思います。
 さて、人的配置が整った今、学校図書館はその蔵書の確保が問題となっています。文部科学省は昨年から新学校図書館図書整備5カ年計画をスタートさせ、子どもの読書活動の推進や、学校教育における言語力の涵養に資するためには学校図書の充実が必要であるとの認識に基づき、公立の義務教育諸学校に対し、平成19年度から平成23年度までの5年間で毎年約200億円の図書整備費を地方交付税で措置するとしています。この交付税措置というのは大変くせ者であるのですが、昨年度、富山県内で予算化した割合は平均して77%となっています。市町村別にみると、砺波市は94%で、舟橋村の114%、富山市の95%に次ぐ高い割合となっています。砺波市においての具体的な執行状況は、平成18年が小学校で514万8,242円、中学校が310万6,682円で、当時の基準需要額の156%となっています。しかし、平成19年度は小学校が464万4,989円、中学校が301万8,642円と、わずかですが減額となった上、基準需要額も上がったので94%となっています。学校図書費の中には市の篤志家の方からの寄附も含まれているようですが、寄附がなくなりましても図書費を維持し続けていただくよう、さらに市の予算を学校図書に上乗せしていただくことを望むものです。当局のお考えをお聞かせください。
 続いて、心の教育相談の充実についてお伺いいたします。
 発達障害に悩むお子さんが増える中、今年の4月から家庭児童相談員が1人増員され、さらに手厚い対応ができるようになりました。現在、こども課に配置されている家庭児童相談員さんですが、3人体制になったこともあり、もう一カ所、拠点となる相談場所を設けられることを提案するものです。
 現在、砺波市では適応指導教室で不登校などの子どもたちの対応をされていますが、問題行動を起こす子どもたちや発達障害などいろいろな悩みを抱える幅広い年代層の子どもたちや親が気軽に相談できる場所が学校以外で必要になっています。子どもたちのいやし空間としての機能をあわせ持つ相談場所を庄川の生涯学習センターなどに設けられてはどうでしょうか。定期的に相談員を派遣し、そこを子育てや教育相談の拠点の一つとして活用されるとよいと思うのですが、お考えをお聞かせください。
 また、市内の4中学校と1小学校に配置されている心の教育相談員ですが、今年度新しく相談員さんになられた方もあり、研修の場があればというような声も聞いています。相談員さんがより効果的な対応ができるように、定期的な研修、情報交換の場を充実していただきますよう望むものです。教育長のお考えをお聞かせください。
 関連しまして、心身ともにたくましい子どもを育てるためについてお伺いいたします。
 国公立の幼稚園に通う子どもの14%が、帰宅後ほとんど屋外で遊ばないことが全国国公立幼稚園長会の実施したアンケートで明らかになりました。外遊びをしているケースでも前年に比べて時間が短くなっています。習い事をする子どもが増えていることや、親が安心して遊ばせられると感じる場所が減っていることなどが背景にあるようで、結果として子どもの体力低下につながっているようです。また、通園方法も、55%がバスや車と回答、歩いて通っている子どもは23%にとどまり、外遊び以外でも体を動かす機会や時間が少ないようです。市では、5年前から市内の幼稚園、保育所に体育の指導者を派遣するホップ・ステップ・ジャンプ事業を実施されていますが、家庭での取り組みまでにはなかなかつながらないようです。アンケートでも子どもの成長や発達に体を動かす遊びが必要と考える保護者はほぼ全員に達し、98%が子どもの体力向上には親の役割が大きいと答えているのですが、実際に家庭で体を動かす遊びの機会をつくっていると答えているのは77%にとどまり、意識と行動にギャップがあることがわかっています。
 子育て中は何かと忙しい親御さんですが、限られた時間に何を優先するか、体をかけ、時間をかけ、心をかけて子どもと接することがどんなに大事であるかということを、子どもを育てておられる保護者の皆さんにしっかり伝えていくことが必要です。市のPTA連絡協議会が中心になって進めておられる幼保小中の研修会などでも取り上げ、保護者の意識の高揚に努めていただきたいと考えるものですが、この件については幼児保育の豊かな経験を持っておられる教育委員長の御所見をいただきたいと思います。
 3つ目に、環境問題への取り組みについてお伺いいたします。
 県では、環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律に基づき、平成18年3月富山県環境教育推進方針を策定され、環境教育、環境保全活動の取り組みが広がるよう、県民、学校、事業者、民間団体等との連携を進めてこられましたが、今年の4月から、全国初の取り組みとして県内全域でスーパーマーケットなどのレジ袋有料化をスタートされました。砺波市の連合婦人会が先駆けて取り組んでこられたマイバッグ運動が10年余を経て県を動かし、4月からの一斉実施となったのです。昨今の社会情勢やまじめな県民性もあってか順調にスタートし、4月1カ月間のマイバッグ持参率は県の発表では実に93%にも達し、この1カ月でレジ袋が882万枚削減されました。二酸化炭素削減量はスギの木約46万本が1カ月に吸収する量になり、石油消費もドラム缶で810本削減できたことになります。大変な成果です。県が5月に県内スーパーで行ったアンケートでは、マイバッグ持参の理由として、ごみ減量化や温暖化防止を上げた方が多く、74%の方が、これをきっかけに環境にやさしい行動に取り組もうと思うと答えていました。小さな行動の輪が広がり、多くの県民が参加することで人々の意識が変わり、社会を変える運動になり得ることを実感いたしました。
 しかし、この結果に満足してはいられません。今まで無料配付されていたレジ袋はすぐにごみになっていたわけではなく、大半が家庭内でごみ箱の内袋にしたり、生ごみを入れたりして再使用されていたからです。レジ袋のかわりに新しいごみ袋を買う人も当然おられ、現に有料化した店では、ごみ袋より安いレジ袋を大量に購入する現象があったとも聞きます。これではもとのもくあみです。容器包装リサイクル法の目的は容器包装ごみの減量で、レジ袋はその一部にすぎません。食品にむやみに使われているパックやトレーなどを減らすよう事業者へ働きかける運動につなげていかなくてはいけません。折しも原油高が追い打ちをかけています。今がマイバッグ持参の動きを環境保全につながる運動に広げていくチャンスだと思います。時期を逃すことなく、企業、事業所に過剰包装を見直すよう市としても働きかけていただきたいと望むものです。また、この時期を逃すことなく、消費者である私たち市民もライフスタイル全般を見直し、環境にやさしい生活スタイルを進めるために根本的に無駄をなくすことに取り組まなくてはいけません。
 そのために、今、市の連合婦人会ではエコライフの推進に取り組んでおられます。地球温暖化の進行を食いとめるために国では国民運動、チーム・マイナス6%が展開されています。富山県でもこの取り組みと連携したキャンペーン、とやまエコライフ・アクト10宣言を展開しています。砺波市でもこの活動と連携した取り組みを実施していただくよう期待するものですが、当局のお考えをお聞かせください。
 6月は環境月間で、県内でもいろいろな事業が展開されます。その1つ、CO2削減ライトダウンキャンペーンが6月21日の夏至の日と7月7日、洞爺湖サミット初日の夜8時から10時までの2時間実施されます。ライトアップ施設や家庭などの電気を一斉に消灯することで地球温暖化防止の取り組みを実践する機会となることを期待するものです。この運動に市としても積極的に取り組んでいただけるよう望むものですが、お考えをお聞かせください。
 あわせて、とやま環境チャレンジ10に取り組む小学校が今年度は66校あるそうですが、市内の小学校での取り組みの予定をお聞かせください。この活動には県から委嘱されている地球温暖化防止活動推進員の方が指導されるようです。この地球温暖化防止活動推進員は現在市内に4名おられると聞いていますので、積極的に市でも連携された活動を進めていかれるとよいと思うのですが、お考えをお聞かせください。
 以上で私の質問を終わります。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 大楠議員にお答えをいたします。
 昨日、大楠議員から、この質問原稿の修正ですということで届けていただきました。教育、文化の専門家ですから、また山上憶良が出てくるのかなと思って、実は心配をしておりました。そうじゃなくて、誤字の修正ということでございまして承ったわけでございます。
 さて、私から(仮称)民具展示館の構想について、この際、内容を含めて説明を申し上げたいと思います。
 (仮称)民具展示館は砺波地方で生産活動をされたり、あるいは生活用具が利用されたり、歴史的に多くの民具等があるわけであります。それを一同に集めて展示をしていきたいと思っておるところであります。このことにつきましては、前々からそういう構想が実は教育委員会でもあったようであります。ただし、いいチャンスがなかったんですが、幸い、農林水産省の農山漁村活性化プロジェクト支援対策事業という長ったらしい事業でありますけれども、それが復活というよりも新しく制定されたんです。中身は、農村と都市を交流する、そういう接点を設けようと。今、農村と都市の交流は言われておるところであります。それは大切なことでありますが、国は全国、要望のたくさんあったところでございますけれども、幸い、この砺波の民具館がその提案をしておりまして、許可をいただいたわけであります。おおよそ2億円かかりますが、農林水産省はぼーんと実は1億円出してくれました。あとは合併特例債を使いますので、一般財源にそう影響しないと私は思っております。大変ありがたいことでございます。
 そこで、大楠さんは、学習の場だから教育委員会へ持っていけと、こういうことですが、今、そんなわけにいかないんです。補助金は農林水産省からもらいますので、農林水産省の事業ということでとらえます。もし、教育委員会に管理を移管したら、補助金を返せと、こうなります。会計検査院がうるさいですから。その意味では今のところ教育委員会に移管する気はございませんし、やるべきではないと、このように思います。これが10年、20年たったら学習の場にしようと。もともと出町小学校の1棟を持ってくるわけですから、そういう学習の場にするわけですから、教育委員会の所管になろうと思う。それは私が死んだ後だと思います。したがいまして、せっかくの提案でありますけれども、そんなわけにまいらないことを明確に申し上げておきたいと、このように思っておるわけであります。
 さて、1つは運営方針であります。今申しましたように、都市と農村の交流の場の接点ですから、そのような気持ちでそれぞれ展示をしていきたいと、こう思っております。民具もたくさんそろえておりますけれども、農具も実はあるわけですね。農具。皆さんも御承知のように、農具といえば、具体的な名前を言ったら失礼かもしれませんけれども、長谷川製作所、これはもう日本全国。あるいは砺波製作所の農具、これも大々的にやっておられましたね。もっと広くやられたのは、海外まで行っておりました金岡工業の乾燥機なんです。その他いろんな仕事をされておりました。そのことの歴史がございますし、あるいは、恐らく庄川地区にでもあるんだと思いますが、原動力になった水車、この水車についてでもそれぞれ元井式とか有名であります。それから、東野尻では森川式とか犀川式とかというのがあるんですね、現実的に。それぞれ発明されて、これがこの地域全部に普及し、森川式にいたっては全国にわたったと言われておりますね。由緒あるそういう発明が砺波に実はあるんです。恐らく庄川地区にもそんなのはあると思いますが、そのことをきっちりおさめて、現物を見ていただいて解説書を読んでもらったら、私はそこで新しい創造が生まれると思う。そんなことなどを思っておりますので、ぜひ御理解をいただきたいと、このように思っておるわけでございます。
 なお、提案のありました企画展とか、あるいは講座とか、子どもたちを寄せての教室とか、大いにやりたいと思う。ついては、学芸員を置けと、こういうことでありますが、私は、資格の要件は別として、民具や農具や、実際携わってきた皆さんで有能な人がおられると私は思う。みんな、学芸員の資格を取ってこい、大学へ行ってこいというわけにもいかんし、例えばそういう方がおったって、もっともっと、地方の地域の皆さんで有能な人がおられると思う。その人たちに来てもらったらどうかと、こんなことを思っております。何か水資料館にもあそこにも学芸員も置け、司書も置け、この人、得意なところでありますけれども、今、やっぱり人員削減の時代ですよ。正職員でどうのこうのいう時代でないので、ノウハウを持った有能な人に来てもらって、協力してもらって、もっと効果のあることも考えてもいいんではないかと。だから、人ばっかり集めて賃金ばっかり高くなってもいけませんので。今、改革プランをやっていますね、皆さん御存じのように。仮に、10人が定年でやめたら5人しかとりませんよね。そんなことをやっておりますので、今、そういう学芸員を配置する約束は私はできません。そのことを御理解いただきたいと思っておるところであります。
 そして、このことによって散居村ミュージアム、おかげさまで今でも評判がいいんですが、さらに地域をそういう都市と農村の交流の場、そして学習の場ということで位置づけていきたいと思いますので、またひとつ応援をお願い申し上げたいと思います。
 私からは以上でございます。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 教育委員長 砂田俊子君。
  〔教育委員長 砂田俊子君 登壇〕

◯教育委員長(砂田俊子君) 私のほうからは、2の(3)番、心身ともたくましい子どもを育てるためにの御質問にお答えいたします。
 心身ともにたくましい子どもを育成することにつきましては、子どもの成長においてもっとも重要な課題であり、その基盤は乳幼児期にあると思います。現在の子どもの生活状況を分析してみますと大きく分けて3つの視点があります。1点目は学校、保育所、幼稚園などの教育機関、2点目は家庭、3点目は地域社会での活用であると考えます。その中でこれから配慮と工夫を加えて取り組まなければならないのが家庭生活であると思います。現在の家庭は、少子化、親の就労の変化、安全への配慮などさまざまな要因から子どもとのかかわりや戸外での活動が少なくなってきております。家族とともに活動する機会と場の工夫が必要だと思います。もう一点は地域社会との連携であります。家庭とは違った他とのかかわりの中で活動の体験も成長過程で大きく必要なことだと思います。
 いずれにいたしましても、これらの取り組みには子どもの成長に対する保護者の方々の意識改革が何よりも必要かと思います。近年、子どもたちの体力の低下が見受けられ、砺波市におきましても砺波スポーツプランの基本施策で、子どもの体力向上とスポーツの推進をうたい、たくましい心と体を持った子どもの育成を図るため、学校、家庭、地域が連携して子どもたちの体育、スポーツの活動を充実させております。
 この基本施策に基づいて幼・保運動遊び教室「ホップ・ステップ・ジャンプ」を実施し、幼稚園や保育所へ指導者を派遣して運動好きな子どもたちの育成を目指しているところであります。また、小学校へは学校体育実技指導補助者を派遣しております。また、議員さん御指摘のように、家庭での取り組みにつながりにくいことから、派遣している指導者より保護者に向けて運動遊びの重要性を説明し、親子で取り組める親子運動遊びを紹介しております。この様子はケーブルテレビでも放映され、各家庭でも役立てていただきたいと考えているところです。その中で幼稚園や保育所では、親子運動教室でのプログラムが家庭での実践につながるよう元気アップカード、元気アッププログラムを作成し、啓発を行い、実践の様子が把握できるよう努めているところであります。今後は、幼・保・小・中の研修会などいろいろな機会をとらえて、子どもの体力の低下を防ぎ、心身ともたくましい子どもを育てるためには家庭での取り組みが大切であることを改めて伝え、啓発に努めていきたいと存じます。
 以上でございます。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 教育長 堀田良男君。
  〔教育長 堀田良男君 登壇〕

◯教育長(堀田良男君) 私のほうからは、郷土資料館、庄川水資料館の充実についてお答えをいたします。
 地域において学ぶ生涯学習の施設として郷土資料館、庄川水資料館は歴史、文化を市民が身近に触れることができる大切な施設であります。常設展や企画展を開催しながら進めているところであります。
 郷土資料館が保管しております砺波の民具は、昨年より民具見学会を広報し、11月に2回、今年も7月に2回、さらに秋に1回取り組む予定にしております。このほか郷土資料館の企画展では、古文書入門講座を毎年11回程度開催することを計画して広報しましたところ、古文書の読解を楽しむ方々の参加を得て、受講者も年々増えております。その方々が仲間をつくって、古文書に親しむ会も立ち上がって活動をしております。
 庄川水資料館は隣接する庄川美術館と相乗で利用の促進を努めているところでありますが、利用者の来館に際しましては、庄川の水に関する資料と歴史に造詣の深い職員が案内することで対応をしております。御指摘の映像ホールは、平成18年度は映像ソフトが老朽化して破損しておりました。そのために利用者がなかったわけでございまして、平成19年度には新規に映像ソフトを配置し、利用者の便に供しているところでございます。水と自然に関する小作品のミニギャラリーでその作品展を開催して、観覧者の数も増えているところでございます。
 ところで、これらの施設を活用するためには学芸員の果たす役割が重要と思っておりますが、多くの文化施設を所有する当市としましては、学芸員を1つの施設にこだわることなく有効に配置したい、さらに、先ほど市長が説明しましたように、民間の活力等も生かしながら総合的な観点で実施していきたいと考えております。また、事業実施に当たりまして、限られた人員や予算において工夫を重ねているところでございまして、これら、工夫をしながら市民の学習意欲にこたえていきたいと考えております。
 また、学校教育においても、ふるさと庄川に生きた先人たちの歴史に触れることは大変大切なことであり、平成19年度は遠足等で11校の565名が利用しました。今後とも、市内はもちろん県内の学校等にパンフレットを送付しながら、あの庄川独特のすばらしい内容のPRに努めてきたいと考えております。
 続いて、学校図書の充実に関する御質問でございます。
 学校図書費にかかる単位費用等から算出される基準財政需要に対する予算所持率は、平成18年度では156%、平成19年度では94%、この中には篤志家の御寄附も入っております。これは大楠議員御指摘のとおりでございます。また、学校図書館に整備すべき蔵書の基準として、学校図書館図書基準が文部省で定められております。その達成状況につきましては、平成18年度では中学校4校がすべて達成しております。それから、小学校では8校中5校が達成し、残りの学校も75%以上の達成率となっております。これは県内でも整備率の極めて高いほうでございます。今後、これらのことも考慮しながらすべての学校が図書標準に達することのできるよう努力します。それで、毎年廃棄される図書もありますので、既に達成している学校でもだんだん落ちてくるわけでございます。それらが維持できるように予算確保に努めていきたいと存じておりますが、図書の数の維持、これは基本的なことでございますが、それを生かすということ、それが大切でございます。今年度から充足されました学校図書館司書の方々の力をかりて、子どもたちの読書を通じた知的財産、頭に入った読書から得た財産は出ていきません。この知的財産の充実に努めていきたいと考えております。
 次に、心の教育相談員の充実についてお答えをいたします。
 今年度から家庭児童相談員の増員によって不安定なお子さんの保護者の相談に取り組んでおります。その機会が充実してきたということでございます。幅広い年代の子どもたちの悩みと保護者への対応は家庭児童相談員、さらには適応教室の生活指導員、それから健康センターの保健師さん等が連絡をとりながら、幼・保・小・中のみならず専門機関と連絡をとっているところでございます。平成19年度中は家庭児童相談員が2名で82の事例を担当しまして、延べ700件の相談に対処してまいりました。その対応には限界がありました。そこで、本年度は3名の配置をお願いしたところでございます。また、親子が気軽に訪れることができ、子どもたちがいやされる空間の機能を持つ教育相談の設置につきましては実態を見ながら検討をさせていただきたいと思っております。
 また、心の教室相談員、これは児童生徒の悩みが気軽に話せて、学校や家庭でのストレスを和らげることができるということで、第三者的な存在となる地域の方を子どもたちの身近に配置することで心の余裕の持てる環境を提供しようとするものであります。この相談員の方々の研修につきましては、適応指導教室の生活相談員の関係者が一同に集まった形で情報交換や事例研修、講師を招いた勉強会などを進めております。これは砺波市の教育センターが所管しておりますので、教育センターの事業の中にこれを取り組んでいきたいと思っております。
 以上でございます。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 藤沢まゆみ君。
  〔福祉市民部長 藤沢まゆみ君 登壇〕

◯福祉市民部長(藤沢まゆみ君) 私からは3番目、環境問題の取り組みについてお答えいたします。
 まず、1つ目、市民への環境教育の推進についてであります。
 年々、地球の温暖化が進み、30度を超える真夏日の増加、大雨、台風の増加など温暖化による影響はさまざまなところであらわれています。地球温暖化の進行を食いとめるためには日常生活の中で身近に一人一人が取り組めるチーム・マイナス6%、プラス富山オリジナルの4つの取り組みを合わせたとやまエコライフ・アクト10は、市民の皆様にも大変取り組みやすい身近な項目だと存じており、できることから始めていただきたいと考えております。現在、市連合婦人会では各地区で5月から6月にかけて、家庭でできるエコライフ行動25項目の中から5項目を選んで取り組む環境チャレンジ5を実践していただいております。今後、市としてもこのようなエコライフ行動を広報となみ、ケーブルテレビなどを通じ大いにPRし、実践していただけるよう啓発してまいりたいと存じます。なお、本年秋に、関係団体と連携を図り、地球温暖化に警告を発する映画「不都合な真実」の上映をメーンとした環境フォーラムの開催を予定しており、市民の皆様に地球温暖化が引き起こす諸問題を訴えてまいりたいと考えております。
 環境省では2003年より温暖化防止のため、ライトアップ施設や家庭の無駄な電気を消していただくよう呼びかけるCO2削減・ライトダウンキャンペーンを実施しております。これはライトアップになれた一般市民一人一人に対して、日ごろいかに照明を使用しているか実感していただき、日常生活の中で温暖化対策を実践する動機づけを与えることを目的としたキャンペーンでございます。先ごろ、富山県を通じて環境省よりこのキャンペーンの実施について協力依頼があり、市内の公共施設に周知し、協力を求めたところであります。なお、家庭団らんの場を1日1回設けることが家庭でのライトダウン及び節電につながると存じており、このことも今後PRしてまいりたいと考えております。
 次に、(2)学校における環境教育についてお答えいたします。
 とやま環境チャレンジ10については小学校の10歳児童を対象として10項目の家庭でできるエコアクションの目標を立て、10週間続けるという運動であります。この運動は平成16年度から始まった運動であり、砺波市内の各学校でも計画的に取り組まれており、平成19年度まで4校が実施しております。平成20年度・今年度は庄南小学校、砺波南部小学校の2校が取り組むこととなっております。残りの2校につきましては来年度に取り組む予定であると聞いております。この運動には以前から、議員が提案しておられるとおり、市から推薦し県の委嘱を受けておられる4人の地球温暖化防止活動員の方に直接学校で指導、助言に当たっていただいております。今後さらに小学校のみならず、幼稚園、保育所、地域での地球温暖化防止の活動に御協力願いたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(林 忠男君) 10番 飯田修平君。
  〔10番 飯田修平君 登壇〕

◯10番(飯田修平君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い3項目について質問をさせていただきます。
 まず、東海北陸自動車道の開通に向けての取り組みについて伺います。
 北陸地方と東海地方を直結する大動脈、東海北陸自動車道がいよいよ来月5日に開通をします。開通まで1カ月に迫った今月3日、砺波市で記念シンポジウム「中部交流圏の展望」が開催をされました。会場は超満員でございました。あふれんばかりの熱気の中でトヨタ自動車の笹津副社長の講演と4人のパネリストによるパネルディスカッションに、私は期待を持って聞き入ったのであります。
 この開通によりまして小矢部砺波ジャンクションから一宮ジャンクション間では、北陸自動車道経由と比べ走行距離で約65キロ、時間にいたしまして約35分の短縮となり、約2時間半で結ばれることになります。また、それ以上に心理的な距離感は一層縮まると思われます。そして、全線開通による東海北陸自動車道のもたらす効果は計り知れないほど大きいと思います。
 全線開通の効果としては、まずネットワークの広がりであります。高速ネットワークが広がることにより、例えば、東海北陸道と名古屋高速との連結であっという間に名古屋駅前に行けますし、また、中部縦貫自動車道連結で砺波高山間が1時間余りで行けるのであります。シンポジウムの中で、岐阜県の経済同友会のパネリストは、北陸と東海が遠いという印象はどうしてもぬぐえない。キャンペーンなどを実施して、まずはより多くの人に道路を利用してもらう努力が必要になる。それまで遠いと思われていた高山まで中部縦貫自動車道が開通した際にも2時間足らずで到着するとわかり、一気に観光客が増えた。思ったよりもずっと近いというイメージを持ってもらうことが大切と話されていました。
 次に、交流の拡大であります。富山県西部の人口は50万人。これに対して中京圏では人口は実に1,000万人であります。4月からの3社による高速バス路線の運行開始は観光やビジネスに大きな期待が持てますし、また、新たな広域観光ルートの設定が可能となることなどから、沿線開発による地域イメージの向上など相互の交流ムードが高まってくると思います。また、物流は所要時間がより確実に計算できるようになり、物の流れも活発になると思います。新鮮な農水産物の往来も可能となり、富山の豊富な自然と食材をPRするチャンスであります。また、当然、沿線には企業立地が進むだろうと思います。また、一方では、砺波市におけるフラワー都市交流都市の1つ、岐阜県大野町や、災害時相互応援協定締結都市であります愛知県安城市とのさらなる交流や、新たな姉妹都市の提携、そして包括的連携協定の可能性など、交流を通じて相互の地域の活性化にもつながると思います。
 以上、幾つか述べてきましたが、東海北陸自動車道の全線開通は産業や観光など多方面に波及効果をもたらすことから、このチャンスをしっかりと地域発展に生かさなければなりません。
 そこで、伺いたいのであります。砺波市総合計画のまちづくりの基本方針のうち、魅力ある産業が発展するまちづくりの施策について、この開通効果をどのように受けとめ、施策にどう生かすのか、以下の観点から伺いたいと思います。
 1つには、主要農産物のブランド化の取り組み、またチューリップやユズなどの地域特産物の付加価値向上と、これらの販路拡大について。
 2つ目に、立地特性を生かした企業誘致の推進について。
 3つ目に、グリーンツーリズムを視野に入れた体験型観光やイベントの取り組み、また広域的観光ネットワークづくりについて。
 以上、この3点についていかが取り組むお考えか、所信をお尋ねしたいと思います。
 2点目に、散居景観の保全について伺います。
 砺波平野の散村は緑豊かな屋敷林に囲まれた家々が平野一面に碁石を散りばめたように点在する典型的な散居集落であり、その美しい風景は日本の稲作農村を代表する景観の一つと言われています。しかしながら、近年、散居景観は大きく変貌してきました。水田の圃場整備に始まり、農村の兼業化の進行、市街化の進展とモータリゼーションの進行に伴う道路網の整備、充実化、そして、その結果、通勤範囲が大きく広がり、住宅団地や工場団地造成が農村部に顕著に見られるようになったことなど、これらが散村景観に大きな影響を及ぼす要因であります。
 私の住む地域は日本一の種もみの生産地の一角に位置し、緑濃い屋敷林の点在する、砺波平野ならどこでも見られた典型的な散村でした。ところが、この七、八年の間に開発行為による住宅や事務所、工場の進出により大きく変貌しました。また、緑豊かな屋敷林も平成16年の台風23号による倒木被害により大きく様変わりしました。屋敷林が壊滅に瀕した家もありました。また、被害を免れた屋敷林も次の台風に備えて伐採をしたり、過度な枝打ちが随所に見られるようになり、急速に緑の美しさを失いつつあるというのが現状であります。
 一方では、この屋敷林再生に向けた確かな取り組みも多く見られます。散居景観を生かした地域づくり協定を締結し、補助金の支援を受けながら屋敷林の再生を図る諸活動に多くの市民が取り組んでいるところでもあります。
 さて、御案内のとおり平成17年4月の文化財保護法も改正により文化財の定義に文化的景観が加わり、その中で特に重要な区域を重要文化的景観として選定できることになりました。これを受けて、本市では平成18年度から平成20年度までの3カ年の予定で文化的景観保全調査を実施しております。平成18年度は屋敷林、アズマダチなどの家屋、圃場整備、水など、散村景観の構成要素、現状把握に関する調査が行われました。平成19年度では、市内の世帯主2,000人を対象とし、散村景観の評価、後世に残すための規制、誘導策等を検討するためのアンケート調査を実施し、その結果などにより市内21地区ごとに地区説明会を行い、意見を聴取したとしております。
 ここで、まず平成19年度に取り組まれた調査の結果について伺いたいと思います。特に、地区別説明会ではアンケート調査の結果と平成18年度の調査を整理した総合散村景観図を示しながら行われたのですが、それぞれの地区の反響や意見など、その手ごたえについて少し詳しくお答えをいただきたいと思います。あわせて、その説明会の資料で示されました区域別の保護施策イメージ、これについてもお答えをお願いしたいと思います。
 アンケート調査の結果を見ますと、回答者の約7割が散村景観の保全や継承が必要と回答しましたが、それに対して、消滅しても仕方がないと答えた理由は、保護への負担増や個人自由を優先すべきとの意見が8割を占めているように、総論賛成、各論反対という実体が見えてきます。
 そこで、このすばらしい散居景観を地域で守り、次世代へと受け継いでいくためには、何よりも住民の皆さんの深い理解と力強い協力が必要であります。住民の皆さんに散居景観の現状や特徴を把握していただき、保全推進への合意を得るためには、地区、あるいは地区のそれぞれの常会単位などでしっかり議論をする機会をどんどんつくること、これが第一であると思います。残されたのは1年という制約がありますが、その積み重ねは確実に住民の皆さんの意識に根づき、景観保全への行動が生まれてくるものと信じております。
 近年、大都市や県庁所在地レベルの都市の住民の意識は、従来の、物の満足から自然や自然のいやしを求めるなど、住民の価値観に大きな変化が生じつつある時代に入ったのではないかと思います。そんな中で、散居景観はそういった大都市に住む人たちの生きがいや趣味を満たし得るすばらしい財産の一つになり得るのではないかと思います。また、先に述べた東海北陸道の全通による人の交流の中で、また観光面で1つの大きな目玉として位置づけできるのではないかと思います。
 このように考えますと、私は今後も散居とカイニョの広がる地域づくりこそますます重要になってくると思います。そして、何よりも大切なのは住民の皆さんの意識であります。住民がその気になって、そのための仕組みを自らつくっていくことで地域に活力が生まれます。活力をつくり出すのは地域の住民であり、生産活動であれ、地域社会の社会的活動であれ、人が張り切って取り組まねば活力ある状況を生み出すことはできないのであります。そのためには、散居村の価値について大いに議論を喚起すべきであると考えます。議論をし、学習を重ねることによって、初めて住民がどこかで充実感と幸福感を持てるような地域社会づくりができるのではないでしょうか。そんな住民パワーを引き出すきっかけをこの事業の取り組みの中でぜひつくり出し、育てるべきと考えております。市民と行政が協働するまちづくりの観点から、活力ある地域づくりについて当局の所信をお伺いいたします。
 また、この事業について、最終の平成20年度の調査内容とその取り組みについて具体的にお伺いしたいと思います。さらに、それを受けての3年間にわたる調査事業の見通しについてお聞かせ願えればと思います。
 3点目でございます。後期高齢者医療制度の今後のあり方について伺います。
 4月から始まった後後期高齢者医療制度が、制度の対象となる高齢者の皆さんから、年金からの保険料の天引き、負担の変化などに対する多くの不満や不安、疑問が投げかけられております。生じている混乱の原因は、厚生労働省や自治体の対応のまずさにあるのではないかと思います。主に75歳以上が対象の大きな制度変更なのに高齢者に配慮した十分な説明や準備を怠ってきたことにあります。そのために、その名称を含め配慮を欠く面が目立ち、瞬く間に制度への拒絶反応を巻き起こしたと言えるのではないかと思います。
 2年間の医療制度改革関連法案の国会審議の中で、この制度については踏み込んだ論議が行われないまま導入が決められました。制度導入の背景には急速に進む高齢化があります。これまでの老人保健制度では高齢者と現役世代の負担割合がわかりにくい上、現役世代が払う拠出金に歯どめがなく、膨らむ医療費をだれが責任を持って抑制するかも判然としませんでした。保険料も市町村の財政事情によって大きな格差が生じていました。民主党など野党4党はこの制度を姥捨て山だと批判し、廃止法案を提出、この6日の参議院本会議で可決されたわけですが、ところが新制度を撤廃した後どうするのか、高齢者医療の問題点を解消する新たな枠組みを示さずに、とりあえず従来の老人保健制度を復活させるというのではあまりにも無責任ではないでしょうか。しかも、老人保健制度の枠組みが限界になるのは与野党の共通認識だったはずであります。しかしながら、この制度には高齢者に新たな負担が生じること、低所得者への配慮に欠けること、さらには、従来の診療報酬とは別の体系に分けられるため、医療が制限されたり、医療内容が低くなるなど、さまざまな問題が指摘されているところであり、高齢者の暮らしにとっては重大な悪影響を及ぼすことになります。
 高齢者の実態を十分に把握し、この新制度により低所得者に対して新たな負担増を生じないようにするなど、直すべき欠点をしっかりと見極め、迅速に改めていくべきであります。そして、75歳以上の方がだれもが適切な負担で、安心して医療が受けられるよう、今後も後期高齢者の医療を守る立場からこの制度の持続を図るべきと考えているところであります。また、この制度における保険料負担において、今後も高齢化が進む中で、国の財政負担だけを軽減するようなやり方により74歳以下の現役世代や後期高齢者への負担転嫁にならないようにしっかり監視をしながら、皆さんが十分に納得のできる制度となるよう、我々も努力していかなければなりません。
 昨日の質問に答え、安念市長の忌憚のない御意見を伺ったところでありますが、今、制度がスタートして3カ月目になります。制度持続に向けた課題についてどうお考えなのか、安念市長の所信をお伺いしたいと思います。
 以上、3点について質問をいたします。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 飯田議員にお答えをいたします。
 後期高齢者医療制度について課題等について所感を述べよと、結論的にはそういう質問だと思います。飯田議員から厚生労働省、ぼろくそに言われて、野党もおかしいと、そこで、おまえ、どう思うかと、こんな難しい質問でありますから。ただし、きのう、私、率直に申し上げたんですけれども、視点を変えて飯田さんに、ちょっと細かくなるかもしれませんが、私の思いを申し上げたいと思います。
 後期高齢者医療制度は2005年・平成17年に法案化されたわけですね。2006年・平成18年6月に実は国会で通ったわけであります。この平成18年というのは皆さん御存じのように、平成17年9月郵政選挙で小泉内閣がばーんと膨れ上がったんですよ。向かうところ敵なし。だから、そこで議論がなかったんですよ、どーんといったから。なぜか。医療費が増加をしている。これは何とかせないかん。それは与野党ともその話をしておったんですね。ただし、飯田さんもおっしゃったように、深い議論もないままに小泉内閣、数でどっといったわけですね。そこのところがまず問題ではないかと私は思う。そのときに、介護保険の一部改正になった。医療費もなった。窓口負担増になったんですよ。そのときも問題はあったかもしれんから、ただし数で押さえつけましたから。介護保険の負担も実は改正になったんですね。それぞれ1割負担、家事介護もなくなった。みんな切り捨てていったわけです。いわゆる数でもって物事を勝負されたこういう医療制度ですから、私は問題はあると思う。だから、飯田さんがおっしゃったように厚生労働省を批判されてもいいと思う。そのことが1つございます。
 そして、もう一方では、医療費適正化計画、大変いい計画でありますけれども、まず、そうすると、適正化ですから医療費の抑制をせにゃいかんと。その削減が実はそのときに自治体にも押しつけられた。きのうも申し上げましたように、三位一体で、そのことについては一般財源だよ、だから、税金をおまえのところに余計やろうと、ただし、税金を1兆円削ったんですよ。定率減税もなくして市町村が今度は課税をすることになって、私が皆さんにやるようになった。このこともそんなに議論していない。だから、そういう意味では多勢に無勢で、いわゆる大きい数字を持っておるものですから、あの骨太方針か骨細か知りませんけど、決めたら、やーっと来てしまったんです。地方は市長会でも随分文句言ったんですけれども全然相手にされなかった経緯がありますから、飯田さんが厚生労働省を批判されてもいいわけです。
 その問題点がどこへすりかわったかというと、年金に行ったわけです。年金選挙でひっくり返ったわけです。それも厚生労働省や社会保険庁なんでしょうけれども、もともと市町村で国民年金を預かっておったんです。何のトラブルもなかったんです。金が東京へ集まるものだから、集まってほしいものだから、全部市町村から国に持っていったわけ。国民年金のお金も大きいんですよ。これを全部、東京へ持っていって、東京でそれを采配しようとした。全部一極集中方式ですよ。ところがそれに問題があったから年金問題について議論がされて、負けたんですよ。だれが負けたか御存じだと思いますけれども。そこで、かえって、議論が伯仲をして今日に来たという経緯をひとつ御理解いただきたいと思う。
 さて、いよいよ執行に当たって市町村にもそんな細かい説明はなかった、短兵急にやりましたから。しかも、もともとの法案は、保険者は県にあったわけですが、知事会が反対した。で、市町村。ただし、市町村では今、国民健康保険をやっているところですから、そんなもの、当たり前のことやないかということなんだけれども、これ、一本化しようと、こうなったわけなんですよ。
 砺波市にとっては随分迷惑な話です。きのう、嶋村さんにも最後、申し上げましたが、砺波市民は本当によく頑張っていただいて、うちの健康センターや福祉市民部で頑張っていただいていますから、予防に重点を置いて健康に重視を、私の政策ですけれども、医療費は県下一安いんですよ、おかげさまで。それを一緒くたにしますと、砺波市としては随分損です。どこか海岸ぶちへ行ったら物すごい高いんですよ、1人当たり70万、80万かかっているんだから。損することもあって、そのことは別にしましてでも、そういう形での連合体というのができました。連合体になりますが、連合体は経費の徴収と、それから支出行為をやりますが、あとの作業は全部、町村なんですよ。これも市長会で問題であります。連合体の機関なら連合体で全部やれと、そういう話があるんですけれども、今の法は、仕事は全部市町村で、運営だけは。だから、お金は全部県へ集まる、県で採用する。さっきの国民年金と一緒です。地方で、町村でやっておったのが全部、今、社会保険庁。社会保険庁でやった金の集まるところは全部東京でしょう。東京は運用をするわけですよ。そんな形のことを今の政府がやり出したということで、実は問題があるということでございます。
 きのうも率直に申し上げましたが、今日、傍聴者の方がおられますのでちょっと細かく申し上げましたけれども、その後、新聞も雑誌も言論界もわーわー言うようになった。その中の一つを私、紹介します。厚生労働省の老健局長をしておられました堤 修三さんというのは介護保険をつくった方です。介護保険制度ができたときに、私は堤さんと何度もディスカッションをして、それこそ本当にコミュニケーションを高めて、いろんな議論をしてやった経緯がございますのでよく知っているんです。陳情に行ったときに、どの議長さんでしたか、一緒に堤さんのとこへ行ったと思います。そういうことでお願いした経緯があってよく知っておりますが、堤さんは、今、大阪大学の大学院教授をされております。この人は端的にどう言っておるかといいますと、保険というものは本来、リスクの高い人とリスクの低い人で、それが加入して危険を分散するのが保険というものだということです。だって、そうでしょう、火災保険にしてでも生命保険にしてでも自賠責にしてでも、みんな集まってこそお互いにリスクを助け合うというのが保険なんですよ。この人はそのように言われておりますので。そして、病気にかかりやすい老人だけを一塊にする、それは間違いだと、このようにちゃんとおっしゃっているんです。私もそう思うわ。だから、そんなことをだれが考えたかというと小泉氏が考えたわけです。小泉はどこから来たかというたら、骨太方針で財界の主導なんですよ。そのこともちゃんとおっしゃっておられるので、それで、この人はけんかして大学へ行ってしまったんですけれども、高齢者だけでやる保険というのは絶対無理なんだと。だから国民皆保険というルールがあるんだと。国から、もともと、みんなで加入してみんなでやろまいかという1つのルールがあるんだと。それから、年金でもそうなんです。今、いろいろ分かれているでしょう、国民健康保険があって、今もごたごたしていますけれども、共済年金があったり、都市共済があったり、地方共済があったり、これを一本化しようというのが方向づけです。その理論としては、国民皆保険というのは、実はルールがあるのでその方向で進むべきだと。それを1つの別のものにすると、それは絶対間違いだと、こういう堤さんの意見なんであります。私もそのように思っておるわけでございます。
 そこで、もう一つ、問題になっている問題というのは、歴史的な経緯からいうと、サッチャーがそれをやったんですね、イギリス。そして、きのうも言われておりました家庭医、かかりつけ医、それを通さないと病院に行くなという。そして片一方、点数が安いか高いか知りません。そうしたら、イギリスは病人だらけで、これ、失敗したんですよ。サッチャーのやり方で失敗して、ブレアはだから倍の医療費を出すようになって、今、落ちついているんですよ。そういうイギリスの例があるんですよ。それを政治家が議論もしないでこんなことをやるから私は問題だと。そういう経緯があって、嶋村さんに好きなことを申し上げたけれども、そういう歴史的な経緯、私もあちこち読ませていただいて、市長会の理論も念頭にいて申し上げたわけでございます。
 そこで、飯田議員は若い経済人であるし、これから政治家として頑張っていかんならんと思うが、どうかひとつ基礎自治体としてどうあるべきか、私の所信だけじゃなくて、聞くだけじゃなくて、あなた自身も勉強してほしいと思う。基礎自治体というのは、お子さんがお母さんの腹へ来てから墓場までを対処するのが基礎自治体の仕事なんですよ。そうすると、何が一番大事かといったら命ですよ、基礎自治体のやるべき仕事は。それを起点に置かないからこんなことになるんです。私はそう思う。だから、もっと、あんたも若い政治家でこれから有能な人ですからベースをひとつ考えましょう。ぜひそのことを考えていただいて、そして、命の次は、私は、子育てをやったり教育を重視したいということを申し上げておるわけでございまして、そのことを考えておる。
 そのことのために経済団体やその人たちを集めて、何の選挙も何にもしていない人たちよ、骨太方針というのをつくって、御存じのように2兆1,000億削るという大方針を出したんでしょう。これは新聞に出ておりますから。そうすると、5年間、年間2,100億か、それだけのものを削らなきゃいかんという、そういう大方針を片一方につくったものだから、こういう無理が実は出てきたということであります。
 そこで、金がないんだったら、私はいろいろ議論をしながら、私は消費税にくることはしようがないと思う、率直な話。地方自治体の長がこんなことを言うたらしかられるかもしれませんが、財源がなければ消費税しかないでしょう。ただし、福祉税として考えりゃいいんじゃないですか。ところが、選挙に負けるものだからどの政党もそれを言わんわけ。だって金がないんだもの。片一方、削減だけやから絶対命は守られませんよ。命を守るときにはその手段をお互いに検討し、議論して、福祉税の名のもとにおいて消費税にも私は目を向けてもいいのではないか、私は一地方自治体の長でありますけれども、そんなことを思う。これにも議論はありましょう。ただし、どの政党もそれを言うたら負けるものだから。ただし、そのことを一生懸命訴えて、福祉のために、命のためにこれをやるんだということをやったら、私はその政党は勝つと思うんだけどね。何か知らんけど、引っ込み思案。そして、福田さんが、ガソリン税一般財源化でしょう。それで、どうもそこへ持ってくるみたいですから、まだはっきりしていませんけれども、本当は道路財源って特定されているんだ、法律で。それをチョンボして一般財源化しようとする、そういう、これまた国民をあざ笑うような形のやり方というのはどうかと思う。切るものは切ってはっきりしてやるのが、私は日本の国の体制でないかと、こんなことを実は思ったり。
 ちょっと荒っぽいことを申し上げましたが、そのような体制を、若い議員さん方、もっと議論してくださいよ。私ども、もう老兵ですから別として。昔、明治維新というのは25歳から35歳までの皆さんがやったんですよ。あんたたち、その時期やろうが。もうちょっと年いっておるかな。それを議論してやっぱり改革しないと、日本の国、おかしくなりますよ、このままでお互いに自分の身を守ろうなんて思って、議論をしないで、そして、頭はつりばっかりやったり、あるいはチョンボをするような、堂々とそういうことをやるというのは間違いだと思う。ぜひ、そのことを、飯田議員ですから特に申し上げて、私の答弁といたします。
 以上であります。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 小幡和日出君。
  〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕

◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、東海北陸自動車道全線開通に向けた取り組みについてお答えをいたします。
 まず、主要農産物のブランド化と地域特産物につきましては、砺波米のブランド化として安全・安心で、さらにおいしい米づくりに努めるとともに、農薬や化学肥料を半減した特別栽培米など環境にやさしい売れる米づくりを推進してまいります。
 次に、チューリップ球根につきましては、市場性ある新品種を導入し、砺波市のオリジナル品種の推進を図るとともに、チューリップ切花につきましても年末年始用などのブランド化に向けて取り組んでおります。
 次に、種もみにつきましては、信頼ある種子生産に向け取り組むとともに、ユズにつきましても庄川特産物として生産量の増加と加工推進に取り組んでまいります。そこで、販路拡大につきましては、現在、市農業公社が実施しているフラワー体験ツアーや農業体験ツアーによる都市との交流等には、これまでも中京圏の皆様に多く参加いただいております。今後は、短時間で結ばれることからさらに大勢の参加が予想され、砺波の魅力を発信するとともに販路拡大の推進に結びつくものと期待しております。
 次に、立地特性を生かした企業誘致の推進につきましては、当市が東海北陸自動車道全線開通により北陸自動車道、能越自動車道が交差する交通の要所となり、中京圏、関西圏への利便性はこれまで以上高くなります。また、特定重要港湾伏木富山港へも比較的近く、環日本海諸国を初め、世界各国への輸出も可能になるなど、物流、人的交流のみならず経済活動も活性するものと期待しております。近年は中京圏での合同商談会が開催されるなど、全線開通を見据えた交流が活発化しております。
 当市の企業立地を進めるための支援策としましては、企業立地促進法に基づき、本年4月から固定資産税の一部課税免除と、敷地内の緑地率等規制緩和を施行したところであります。この支援策にこのたび東海北陸自動車道全線開通による中京圏との時間の短縮が加わることにより、当市の企業立地環境はより魅力を増すものと考えますので、中京圏、開催県での立地環境説明会では当市のすぐれた立地環境をPRするほか、参加企業等からの情報収集を行い、企業誘致につなげたいと考えております。
 次に、グリーンツーリズムを視野に入れた体験型観光やイベントの取り組みについてお答えいたします。
 現在、市内では体験型観光として三助焼きの陶芸体験や、コスモス荘で行われているそば打ち、味噌づくり、タケノコ掘りなど、体験教室があり、新たな取り組みとして富山県西部地域産業観光連絡協議会では散居村のアズマダチ民家での宿泊体験実施に向けて検討が進められているところであり、既存の体験型観光とあわせて将来のグリーンツーリズムへの取り組みにつなげてまいりたいと考えております。さらに、イベントの取り組みに関しましてもチューリップの球根植えや花摘み、コスモスの播種など体験可能であり、水祭りの流木乗りへの参加などイベントへの参加、来場を含めた体験型観光として今後取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、広域観光ネットワークづくりについてお答えします。
 今回、東海北陸自動車道の全線開通に関する広域観光ネットワークとして、3県14自治体11団体で構成する飛越能経済観光都市懇談会があり、経済観光に関する地域資源の有効活用と地域活性化を図る活動に取り組んでいます。懇談会では全線開通を記念し、「ほっこり飛騨 にっこり越中 うっとり能登」のキャッチフレーズも誕生したところであり、中部9県で構成する中部広域観光都市推進協議会のネットワークも活用しながら東海地域との観光交流をより強力に推進し、積極的な活動を展開してまいりたいと存じます。また、フラワー都市の大野町や災害時の協定を結んでいる安城市との交流を一層深め、お互いの地域活性化に結びつけるとともに、両市の東海地域の広域観光ネットワークの核として今後新たな情報収集やネットワークづくりを広め、今回の全線開通を地域発展につなげてまいりたいと存じます。
 以上でございます。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 教育委員会事務局長 戸田 保君。
  〔教育委員会事務局長 戸田 保君 登壇〕

◯教育委員会事務局長(戸田 保君) 私からは、景観保全事業の取り組みにつきましてお答えをいたします。
 まず、地区別説明会での手ごたえと区域別の保護施策イメージにつきましてお答えをいたします。
 昨年11月から今年2月にかけて実施をいたしました地区別説明会の成果といたしまして、散村景観保護の仕組みは、景観法による景観計画による方法と、県景観条例に基づく重点地域の指定による方法がありますが、それぞれの制度の概要につきまして一定の御理解をいただいたものと考えております。具体的には、個人の財産を守りつつ散村景観を子孫に引き継ぐ無理のない仕組みづくりが大事であるとする積極的御意見と、土地、家屋などの権利が規制され、次世代で売買ができなくなることへの抵抗や、景観保護は押しつけであるという反対の御意見、また、具体的な区域指定や基準内容など規制の内容により判断をするという中間的御意見がございました。これらの御意見は市街地や農村地域、丘陵地、山間地などの区域の別による著しい差異は見られなかったものでございます。
 次に、活力ある地域づくりについてお答えをいたします。
 市民と行政が協働するまちづくりの必要性は議員御指摘のとおりでございまして、アンケートの結果でも明らかなように、市民の方々は散村景観に誇りや愛着を感じており、このことは従来行ってまいりました散村地域研究所の研究成果の発表や全国散居村サミットの開催等による啓発も一定の効果があったものと思われます。今後、市政の健全な発展を促しながら、散村景観の保全に向けて各地区や市全体において継続的に議論をする場を設け、景観保護意識の啓発やルールづくりを市民の皆様とともに進めていく必要があるものと考えております。このことから、今年8月に砺波市散村景観を考える市民懇話会を組織することとし、現在、準備を進めているところでございます。
 次に、今年度の調査内容等調査事業の見通しにつきましてお答えをいたします。
 調査の最終年次に当たる今年度は、今ほど述べました市民懇話会の設置や有識者によります散居景観保全検討会議の開催、また散村景観保護の住民意識の高い地区のうちから調査対象地区の選定を行い、家屋の形態、屋敷林、土地利用、水田、用水など散村を構成する要素に関する詳細調査を実施し、3年間のまとめの調査報告書を刊行するものでございます。今後、これらの成果をもとにいたしまして継続的に市民の皆様方と景観保護に関する検討を行い、散村景観を後世に引き継ぐための施策を実施いたしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(林 忠男君) 21番 前田喜代志君。
  〔21番 前田喜代志君 登壇〕

◯21番(前田喜代志君) 私は、大きく2つの点について質問させていただきます。
 すべてを市場のあるがままに任せようという、そういう市場原理、市場主義に徹頭徹尾染め抜かれた構造改革が続いてきました。今や、日本社会、人心を狂わせ始めたかのような状況でございます。悲惨な事件がまた起きました。本当にどう言えばいいんでしょう。言葉を失います。今回の秋葉原で起こった無差別殺人事件、彼をそこに追い詰めてしまったのは一体何だったんだ。彼もまた非正規労働をせざるを得ない状況に大変強い絶望を抱いていたということが、携帯電話などの記録を通じてテレビから入ってまいりました。もちろん、彼のしたことは許されることではありません。しかし、ここまで、わずか25歳の若者の心を全く自暴自棄にしてしまったのは一体何だったのか。多くの若者から未来を奪ってきたこの社会のシステムを本当にもう一度考え直さなければならない、そういう必要があるのではないか。
 小泉改革以来、労働ビックバンを掲げて規制緩和を強行されました。2004年には派遣労働の製造業での解禁を初め、自由化も進め、労働法制を次々と改悪してきました。90年代後半からのリストラ、パート、アルバイトなど、非正規雇用への入れかえが大方の職場で始まってしまった。そして、派遣、請負、契約など、低賃金でかつ使い捨て、このような非正規雇用を急激に拡大させた結果、きのうもございましたように、働く人の34%、3人に1人が非正規雇用という状況、これに加えて完全失業者は4%、高水準は続いております。さらには、職場での長時間労働、これによって引き起こされた過労死と精神的ストレスなどによる障害や過労自殺。労災認定が過去最高になっております。昨年1年間で過労のため脳内出血や心筋梗塞になって労災認定を受けた人数は、2006年を10%上回って392件、また、精神障害などは2006年を30%も上回って268件に上るなど本当に過酷な労働実態が明らかになりました。
 単刀直入に言えば、悲惨な事件の続発はこの間の急激な構造改革によってもたらされた格差社会の拡大の結果であると言えます。残念なことですが、日本社会の大きなひずみ、ゆがみのあらわれでないでしょうか。大企業だけが6年連続で至上最高益を更新しています。そして、大株主だけが巨額の配当で肥え太っております。その一方で食べていける仕事が欲しい、自立できる賃金が欲しい、こういう若い人たちの声がちまたに渦巻いているわけなんです。政府の今年の国民生活白書、正規雇用でも自立できないワーキングプア状態の拡大が少子化の主要な要因であると指摘しているわけなんです。厚生労働省の調査では、この雇用破壊と生活保護の制限強化によって餓死者も急増していると。95年から05年までの11年間に867人が餓死している。03年は97人、04年は71人、05年が82人、こういう報告があります。15歳未満の子ども人口は1,725万人、総人口に占める子どもの割合は13.5%。過去最低をまた記録更新したわけです。国力の源である国民生活の再生産、時代を生み育てる再生産もできないまでに日本の社会がつぶされてきてしまった。政府のとってきた構造改革路線がもたらすところの格差はますます広がるばかりじゃないですか。
 かてて加えて、今、原油の高騰はもとより輸入小麦やトウモロコシ、大豆の高騰、その関連商品の軒並みの値上げ、バターの品不足など、今や、食をめぐって安全性、そして安定性の面でも深刻な事態になっております。世界銀行の調べでは、餓死や飢餓、その急増によってアジア、アフリカ、中南米、33カ国に及んで食料をめぐる騒乱が起こっていると、こういう報告がされております。食をめぐるこうした非常事態は食糧を生産する農業の問題が根源にあると思いますが、市長はどのように認識しておられますか。
 このような諸物価の値上がりはいつになったら静まるのか、農林水産省と国内大手7商社が意見交換会を開いた。穀物の高騰の先行きについて語り合ったと。世界的に広がる農産物の輸出規制、アメリカのサブプライムローン危機で行き場を失った国際投機資金が流入して穀物価格の高騰に拍車をかけている。したがって、投機マネーの流入などがある限り価格高騰は静まらない。かつての安値圏に戻ることはない、こういう結論に至ったというんです。このときにアメリカでは何が起きているか。トウモロコシや小麦、米など主食となる穀物を初め食料の高騰によって世界中で飢餓人口が急増しているそのさなかに、アメリカでは農産物輸出総額が過去最高に達している、農産物貿易黒字は3,000億ドルに上り、前年対比2.5倍増、アメリカの農務省の2008会計年度予測で示されているわけです。
 金融対策について、そこで伺いたいわけです。原油価格などの上昇、建築着工減少に伴う中小企業金融対策の延長、こういうことを市の広報でも記載されておりました。しかし、その取り扱い期限は平成20年9月末、上半期のみ限定設定です。ひょっとしたら、それ以降は物価は沈静するとでも思っているかのようなんですが、間違いではないかと。原油価格の高値は一時的なものではなくて、緊急融資という定義づけ自体が全く理解できない。取り扱い期限なしとすべきではないか。
 また、砺波市の名産といえばだれも一番に大門そうめんを挙げますけれども、小麦価格の上昇は即生産原価に影響しています。また、市内の豆腐製造業の皆さんも大豆価格の値上がりの影響で直撃を受けておられます。既存の中小企業支援策による融資条件を超える特別枠を新たに設けられないか。何らかの安定支援策が必要です。市民生活にも大きな影響があって、生活資金貸付制度や小口資金貸し付けについて20%程度の増額を図り、貸付枠を拡大できないか、検討いただきたいのであります。
 次に、第4期の介護保険事業計画について伺います。
 社会保障費の自然増を5年間にわたって削減し続ける、これが命題となって進められている社会保障改革、乾いた雑巾状態とも言われる社会保障予算、このもとで4月から始まった後期高齢者医療制度、障害者自立支援、改正された介護保険制度、給付適正化が進む生活保護制度、そして、自立、自助努力を求める圧力は強まるばかりであります。振り返れば、今、人が人として最低限度の生活を営める、その基盤が本当に崩されてきたことであります。そのため政府内部からさえ、毎年2,200億円も削り続ける骨太の方針は既に限界だと、医療用療養病床4割削減は断念せざるを得ない、こういう発言が政府内部から漏れております。
 在宅介護について、問題は来年度に改定時期の迫る介護保険制度の改定内容、福田内閣はつい先ごろ財政制度審議会に3つの効率化案を示しております。第1案はどうか。介護保険給付対象を要介護3以上に絞り込んでしまう。それ以下の要介護、要支援の人は保険給付の対象から外すことを考えればどうかと、それでもう2兆9,000億円削減できるよ、これが第1案です。第2案はどうか。要介護者の生活援助を廃止して、介護給付費1,100億円を削減したどうか。第3案は要介護者の利用負担を変える。1割から2割に引き上げる、倍増です。2,300億円、これで削減できる。この3つの案です。どこか選ぼうと。こんなことが今、議論が始まりました。3案のいずれも介護給付費をいかに削減するかが眼目に置かれているわけです。
 介護の現場で働く皆さんの間では次のように語られていますよ。1割負担に今でさえ必要なサービスが受けられず、限られた中でやりくりしている世帯があるのに、2割負担になるとなおさら介護サービスは受けられないという方が出てくるじゃないか。さらに生活援助を切るといっても、認知症の人や高齢でひざの悪い人など、食事をつくったり掃除や洗濯、買い物はできない人が多いのに、生活援助を切ればどうして生きていくんですか。そんなときのために介護保険料を納めてきてもらっていたはずじゃないですか。今さら制度を変えるのは詐欺行為でないか。生活援助をなくすことができない人は結局、全額実費負担になるじゃない、いよいよお金のある人しか生き残れない、こんなことが今語られているんです。
 介護苦心中も続発しています。後期高齢者医療保険料の年金天引きも始まって、この4月20日、山形市では、仕事をやめて87歳のぜんそくぎみで認知症もある母親を介護していた58歳の男性、生活費に充てていた母親の年金から介護保険料の上に後期高齢者医療保険料を有無を言わさず天引きされて、生活できないとして母親と無理心中したんですね。5月2日には、北九州市の有料老人ホームひだまりの中で、85歳の寝たきりの妻を介護していた86歳の夫が介護疲れで妻と無理心中したんです。5月29日、岸和田市では、公園で57歳の男性が自殺をしていました。自宅を調べたところ、介護用のベッドの上で81歳になる母親が既に死亡していたんです。寝たきりになってしまいました。連れていきます。ノートが1冊置かれていたんです。
 社会保障の制度が本当に機能していないことのあらわれじゃないですか。老老介護がいかに過重であっても、介護する同居者がいればヘルパーの利用は制限される。介護の社会化がうまく進んでいない、それゆえの介護苦心中です。砺波市はどうですか。大丈夫って即答できますか。4期目に入る介護保険制度を本当にどう組み立てるのか、介護保険組合任せではなくて、砺波市としての考えをしっかり固めて、組合に反映させなければなりません。国が1案や2案のような大なたを振ってくればどうにもならない、そうではなくて、足らざるところは介護保険組合の構成市で、福祉行政でしっかりフォローアップするぞという覚悟が重要です。万一、国が給付対象から外すとしても在宅介護サービスをこれまでどおり進めることをぜひ考えていただきたい。そのときに、1案の場合、要介護2以下のサービスにどれだけの市からの手だしが必要になるのか。2案の場合、生活援助にはどれだけの費用がかかるか、市の手だしはどうなるか、試算額を示していただきたい。
 また、今年度内にも善処いただきたいのは、既に経営危機に陥っている訪問介護事業所や小規模多機能型の居宅介護、あるいは通所介護の施設、ここへのしっかりとした援助です。それには介護保険制度の枠の外から福祉行政が強力に支援しないといけません。これがつぶれて撤退したら、砺波市民の介護の基盤は整わないんです。
 06年4月の介護保険制度見直しでは、要介護1と認定されていた高齢者の多くの方が要支援に変更になったでしょう。介護認定が厳しくなりました。介護に必要なだけ使われていた時間と訪問回数が制限されました。結果として事業所に支給された介護報酬も減ったではないですか。ガソリンや食材の高騰がこれに今追い打ちをかけているんです。わずかな正規職員とパートさんがこのサービスの担い手ですけれども、介護予防サービスは介護報酬が実質引き下げになって、仕事の割には賃金が安く、パートで身分の保証もなく、やめていく人が本当に多い。現在は慢性的な訪問介護員不足になっています。人員基準を満たせなくなった事業所は廃業に追い込まれております。介護人材を確保できるか否かはその事業所の存立にかかる重大事です。事業所がなくなれば本当に介護の基盤そのものは揺らいでしまいます。保険制度の枠の外から行政が強力に支援する必要がここにあると思うんです。
 最後に、療養型病床についてでございます。
 御承知のとおり小泉改革で医療費削減の強行、その1つが介護用・医療用の療養病床38万床、6割の廃止です。介護用全廃、医療用15万床だけにする、こういう計画でした。昨年4月、医療用病床のうち回復期リハビリ病床2万床は廃止計画から外すとしたものですが、各県ごとの必要とする療養病床数の計画は15万床を7万床も超える22万床に上りました。回復期のリハビリ病床は1.5倍の3万床になっております。
 砺波市内の療養型病院の意向がどのように県に対して伝えられているか、ここで明らかにしていただきたい。また急性期の病院を退院して、療養型病院へ転院できず在宅生活に入らなければならない高齢者が増えていこうとしている今、療養型病院に入院できた方と同程度の医療を供給できる在宅の支援体制、本当にどのように進められようとしていくのか、具体的なお答えをお願いしたいわけであります。
 安念市長には、砺波市民のトップリーダーとして今日まで市民本位の市政の推進に骨身惜しまず全力で当たられてきました。今申し上げたように、この日本国の政治はどうか。ねじれの3文字が示すとおり、政府与党と国民の間の意識は大きな格差が開いております。安念市長は市民の意を体して、果敢にこのねじれた政策の是正のために威厳のある言葉を発し続けてこられたと思います。現実の政治を動かすのは、首長の肩書きでもなく、そのバッジの力でもなく、市民本位の政治姿勢に立脚したトップリーダーのダイナミックで威厳ある言葉、その威厳ある言葉が現実の政治を動かす大きな力であると私は思います。安念市長には引き続き市政を担当いただいて、富山県は砺波市の我らが地方自治ここにあり、こう発し続けていただきたいと強く願い、質問を終わります。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 前田議員にお答えをいたします。
 現状の社会認識等について熱い思いで意見を発表されたと思っております。今、確かにおっしゃったとおり、ねじれ国会でもありますが、私は筋の通らないことが多分にあるような気がする。この間も市長会の後、綿貫さんに申し上げてきました。綿貫さんからもおっしゃっておられます。どいつもこいつも筋が通っておらんという話でございます。具体的に高齢者医療であったり、具体的な話も議論をしてまいりました。特に、やっぱり地方をないがしろにしておることについては先生も頭にきておられます。郵政からの問題でありますけれども、地方を大切にしない政治はあってはならない、何で経団連やら財界に足を引っ張られて、その施策だけ何で持ってくるのか、これは一番、頭にきておられます。この施策が、今、前田さんがおっしゃったようなことになっているのではないかと、このように思います。
 1つの例が、大楠さんが学芸員をたくさん入れろと、気持ちはわかるんです。この間、市長会の雑誌に、財界は、指定管理者になるときには、あんなものは必要でないと文化を否定する人たちですよ。自分たちが請け負ったりそのことをやろうと思う。学芸員を何人配置しろ、給料はこれだけやれ、それは障害になるからやめてくれと言うんです。そんなことを、今、財界が言っているんですよ。文化を知らない財界というのは私はおかしいと思う。人間が育たないと思う。そのことを重視してやるものだから地方をないがしろにしてしまうんです。そういう議論をしていたところでございます。多くの批判を受けて、私も、おまえ、パートやら非正式職員をたくさん使っておるやないかと、こう言われて、がくっと実はきておるんですが、保母さん方には今年からボーナスを出すことにしました。これからも私どもが抱える労働者の立場も考えていくことを思っておりますので、その点は御理解をいただきたいと思います。
 さて、物価の値上がりと、おまえ、食についてどう思うかというのは、熱っぽい意見でしたからようわかりませんが、そのことだと思います。そのことは、市長、おまえ、どう考えているのかと、こういうことだと思います。
 今、穀物市場、石油の市場、みんな、アメリカがサブプライムローンで失敗したものだから、その金が全部行っているんですね。皆さんも論調を読まれたと思いますが、アメリカは金持ちなんですよ。どこかでもうけなきゃいかん。サブプライムローンがぱさーんといった、全部影響を受けた、そうするとどこへ行くか。穀物市場と石油市場ですよ、元売り価格の倍になるんですから。被害を受けるものは我々庶民なんです。このところ、アメリカ一辺倒でやっておる日本政府はいいのかと、あの人たちに左右されるんだから。私があんまり批判するものですから、皆さんはあんまりいい顔をしませんけれども、そのことが現実、今、出てきたんじゃないですかね。そういう投機という立場で穀物が高くなる、そうすると食品全体が上がる、けしからん話だと思う。原油が上がって、もう響いているわけでしょう。漁業の皆さんだって海に出られないわけですよ。そうすると、とれるものがとれませんから、また物価の値上がりになるのではないですかね。とる人たちは採算がとれない、だから出ない、出ないと品物が少なくなる、高くなりますよ。その意味ではそういう体制そのものを変えなきゃいかんと思う。私は、一地方自治体ですからどうのこうの申し上げても解決できるわけではございませんが、せめて世論として皆さんもそういう議論をして進むべきではないかと、このように私は感じておるわけでございまして、御意見等については十分拝聴したいと思います。
 なお、物価上昇については具体的にこういう、幾つか申し上げますけれども、今、地球規模で人口が増えているんですね、東南アジア、アフリカを中心として。だから、穀物需要は多くなっている。食えないところも実はあるんですよ。日本は米余りですよ、食えないところがある。そういう意味での需要拡大というのは出てまいっております。それから、中国、インド。今では中国は新興国ではないんです。生活水準がぐーっと上がりまして、食肉だとか、あるいは燃料需要だとか、どんどん実は使っているんですね。これは10億の民ですから、随分レベルアップしますと需要が物すごく大きいんですね。そういう一面が、隣の日本としては見え見えだと私は思っておりますので、そういうものが全部需要拡大につながっておるということでございます。
 それから、もう一つは、これも新聞に出ておりましたが、2006年、2007年、私も行ってまいりましたが、オーストラリアが干ばつで全部小麦がとれなかったので大減産。オーストラリアの麦がとれなかったら世界に影響しますよ、これは。これがとれなかったんですね。凶作になりまして在庫等もなくなって、そのことの影響が多分にあると言われておるわけであります。そこへもってきて、今申し上げましたサブプライムローンが問題になって、アメリカはそのような、経済界ですよ、動いておるということと同時に、もう一つは、アメリカも今、地球環境問題、言われているんですが、中国とアメリカがまだ京都議定書にオーケーと言うておりませんけれども、ただしバイオ燃料という形で、今、方向を変えましたね。そうすると、麦のほうへ行かないんだね、菜種へ行きますから。だから、菜種へ行きますので、そして、もう一つはトウモロコシが油の原料になる、バイオになるということで政策転換したんですね。そうすると、日本に来る飼料が不足しますね。そういう問題も私は絡んできておるのではないかと、このように思うわけでございます。アメリカの農業政策はそういう形で少し変わってきておりますので、それが影響しておるような関係で食の値上がりというものが生まれたのではないかと。
 御存じのように、アメリカは完全に経済資本社会ですから、もうけるところへ走りますよ、ばさーばさーと。私もアメリカに1年間おりましたけれども、やり方が、転換が早い。畑をつくっておるところにおりましたけれども、あいつをつぶしたろうと思ったら、仮に、彼はキュウリを1町歩つくっておったと。よし、おれは2町つくってやる、あいつをつぶそうと、こういう競争の社会ですよ、農業でもね。果樹はさほどでもないんですが、蔬菜についてはイチゴなんかでもそうですよ。あのおやじは、イチゴを10町歩つくっている、おれは20町歩つくってつぶしたろうと、こういうことです。そういうことで、激しく、経済資本社会でそういうような競争をやっておるところでございますから、今、トウモロコシなら安心してということになるんでしょう。これは競争の社会の中で油を供給してバイオ燃料にするということですから、それはぱーと展開しますよ。そのことで、穀物高騰というのは、私は出てきたのではないかと。ただ、そこで我々としては本当に食糧を燃料にすることの政策が正しいのか、地球規模で考えたら。正しいのかどうかというのは疑問のあるところでございます。
 ついでに、便乗値上げも私はあると思う。余った金を持っていくようなことと同時に、この際もうけてやろうというのは多分にあると思う。今、資本主義経済だからそのことはあると思う。在庫を持っておって、いよいよなくなって高なったら売ってやろうかという、資本家はそれをやりますよ。我々のところなら、米を蔵に持っておって、ぼちぼちと出しておりますけれども、資本家は大倉庫を持っていますから、値上がりしたときに出すと。だから、値上がりを待っておって、大資本家というのはそれをやりますよ。商工業、大企業、商社、それは絶対やります。そういう悪循環も私はあるような気がいたします。
 そこで、私は、この機会に政府はひとつ農業政策を考えてほしいと思う。食糧自給率39%です。それじゃ、この国は立っていきませんよ。何かことがあったら、半分以下です。ここのところをもう少し頭を切り替えていかないと日本の国はおかしくなる。私はそういう政策をしてほしいと思う。考えてほしいと思う。
 少なくても、この間、イギリスへ行って聞きました。イギリスは65%ですよ、食糧自給率は。冷え切ったイギリスですが、農業政策、きちっとやっています。この間、スポルディングへ球根を見に行ったんですけれども、一緒に圃場も見たり、田んぼも見たり、農業政策も、短時間でありましたが、チャップマンの通訳ですから半分ほどようわからんのです。チャップマンも専門用語はわかりませんから、お互いに会話するならわかるんですけれども、農業政策における専門用語はようわかりませんが、ほぼこんなことでありました。EUも食糧が飽和状態になったもので、ここはEUに加盟していますから、10%、日本のように転作なり不耕作することの約束だそうです。ただし、この間から穀物不足等々がございまして、解消したと。日本は解消どころかまだ30%を維持して、どこかの県ではやっておらんところさえある。統一。ああいう広いEUでもっても10%やっているんですよ。それを解消しようということで決めたそうです、すばやく。そこで、今は菜種をやっています、菜種、穀物飽和したものですから菜種も相当やっています。ただし、作付しないという10%は解消すると、こう言っている。そのことをはっきりおっしゃっておりましたので、これは事情を考えて、イギリスの政策はスピーディーに行われておる。
 ところが日本の国は、今、後期高齢者医療で頭へきておって、農業のことは1つも言わない。ただし、これから9月にかけて問題が出てくると思うよ。今、下がってきて、穀物が上がってきた。ただし、国はこれをどう対応するか。それよりも、私は皆さんに申し上げたいのは、自給率を上げなきゃいかん、自給率。そうすると、30%減産というのは正しいのかどうか、もっと上げて。だから、今入ってくる関税を逆に高くしてやればいい。国内でやろうという方向をやっぱりとるべきじゃないですかね。その政策というのは農林省が持っていますので、ぜひそのことを皆さんで考えて、議論をしていただいてやってもらいたいと思う。せめて自給率50%となるように努力しないといけないのではないかと、そのように思っております。
 若い人たちは知らないかもしれませんが、戦後の悲惨な時代、配給であって、自分のところで米がとれても自分のところで食べないで、みんな配ったもの、配給で。そんな時代が来るかもしれませんよ、これから。だから、歴史的な経緯がありますから、そのことをひとつみんなで議論をしていただいて、このすばらしい砺波市を築いていこうではありませんか。食の問題について申されましたので、ちょっと詳しくなりましたが私の思いを申し上げてきたと。
 次に、第4期の介護保険事業について御質問でございます。
 介護保険組合の実は理事長をいたしておりますので、私の思いを申し上げて、これも前田さんから熱い思いでの御意見もございましたが、そのとおり説明できるかどうかわかりませんが、私の知る限り申し上げたいと思います。
 お話にもございましたように、介護保険制度が始まって9年目になったわけです。おかげさまで皆さんに喜んでいただいておると思いますが、先般の第3期目、小泉にやられました。家事介護はだめ、あれもだめ、これもだめ、そして負担もしますと、こうなった。それでもいいんですよ、何とか、今、喜んでいただいておりますから。頑張っておられます、皆さん。
 さて、第4期、またひどいんですよ。前田さんもおっしゃっておりますが、ちょっと申し上げたいと。今、現実的に人員が増えておりますね、高齢化で、皆さんも御承知だと思うが増えております。増えるということは介護認定者も増えるんです。9年前から見ますと、今、実は倍になっているんですね。そして、砺波市内では今、サービスを受けている人、これが何と1,000人を超えております。1,000人ですよ、介護を受けておられる皆さん。これはみんなで支え合っておるんですよ、今は。そういうことで、これが増えているということをまず申し上げておきたいと思います。
 それで、前田さんもおっしゃいましたけれども、こういう時代になったら市は独自にでも考えてみよと、こういう話をおっしゃいました。したがいまして、私は市の保健・福祉・医療部門の職員でワーキンググループをつくっていただきまして、在宅ケア、在宅医療、その促進についてどうあるべきかというのを実は議論いたしました。その1つに、今、訪問看護ステーションをやっていますけれども、これの充実ですね。というのは、面倒見てやらん、金もくれんとなると、自分たちでそれをやらにゃいかんし、在宅を今お願いしておるわけですから、そういう訪問看護ステーション、これをやっぱりやらにゃいかんと。皆さん、また、たくさん人を寄せてと、こうおっしゃるかもしれませんが、これは仕方ないんです。そういう意味で訪問看護ステーションの充実をしたいと思う。
 そこで、訪問看護ですからドクターでございません。そのときに必要なのは、病院長にお願いしておりますが、病院長につくっていただきましたが、地域連携室、おかげさまで病院もこのことに寄与していただいて、地域医療連携、これをやってもらうという体制づくりをしてもらえましたので、それが2点目であります。
 そして、でき得れば24時間体制の診療所みたいなものがあればいいなと。そこで、救急医療が実はございますが、本当はそういうものが独立してあればいいなというのが私の構想。また、職員もそのように言っております。というのは、施設介護なら24時間面倒見てくれますね。後ほど申し上げますが、療養型病院でしたら24時間きちっと見ていただける。ただし、在宅でお願いしている。これはもう金はくれませんので、家でやってください、努力してくださいということでお願いしておるわけです。そういうことでございますので、できればそういう支援する診療所体制が欲しいというのが私の気持ちであります。いずれ、これ、できますので、後ほど申し上げます。そして、高齢者向けの有料住宅等を考えていきたいと思っております。
 そして、もう一つ大事なのは認知症であります。認知症についてはどうしても見守りが必要であります。一般の介護がなくて、どこへ行ったかわからんようになる。それでは困るわけでございますので、その場合に地域密着型の体制づくりを何か考えてもらえないかというのは、これは欲張った私の考え。例えば、子どもを見守りたいなら、すぐできて、ただもってやっていただけるおじいさん方がおられる、大変ありがたいんですが、地域密着型の認知症対策というものを何かうまくネットワークでできないものかな。家族だけで大変だと思う。そういう意味のものをこれから考えなきゃいかんのではないか。その場合には民間の力もかりて、そういう体制づくりをする必要があると、こんなことを思って、第4期の介護保険、国はだんだんだんだん金をくれんものですから、これはやっぱり前田さんがおっしゃったように、我々としてやらなきゃいかんと、こう思っております。
 先ほど、飯田君にも申し上げましたが、いわゆる自然増が2兆1,000億円になるでしょう、自然増だけで、福祉の。これを削ろうということですから、どこかでそれは削らにゃいかんというので、それが全部、地方へ回ってくるわけです。そういうことでございますので、政府は生意気な、効率化案。何が効率化、削減案ですよ。それを示してきたんですよ。名前は効率化案、介護における効率、何が効率、頭から削減案じゃないですか。これが出てきたので、言われたとおりでございます。そして、要介護の1、2の皆さんは対象にできない。これがもしそういうことになりますと、サービスは4割減になります、1、2ですから。今、在宅だけで約13億円から14億円かかっております。そうしますと、約5億円か6億円の削減になるんですね。全部が全部政府ではございませんけれども、実は今、その分を削減する案があるんです。膨大な金ですよ、これ。こんなもの、効率案と言えますか。私の言い方、常に悪いものだから、安念市長、批判されるんですけれども、そうでしょう。私、率直に知事にでも言うものだから、どうも後から、おい、おまえの言うことはわかっておるけど、ちょっとひど過ぎるんじゃないか、こんな話ばっかりですけど、ひど過ぎることを言わんと何も考えてくれんがや、そんなことでやってきた。
 それから、第2案は、訪問介護、この生活援助をさらに廃止するということになります。そうしますと、うちの計算から言いますと約2,000万円の減であります。だから、これを効率案でなくて削減案だと、私はこういって申し上げておるわけでございますので、そのような状況になりますので、このことは従うとしてでも、ついては、市町村でも先ほど言いました幾つかの課題を何とか円満に進めさせていただければありがたい、このように思っておりますので、できる限り今の体制を維持してほしいというのが率直な理事長の気持ちであることを御理解いただきたいと思います。
 その次に、訪問介護事業所の小規模機能型通所施設への支援についてでございます。
 このことについては、おっしゃるとおり確かに厳しいんでしょう。これだけ削減されますと、事業所も厳しいと思うよ。大変厳しいと思う。ただし、報酬を私が上げるわけにいきませんし、人件費を補助するわけにいきませんし、難しい。この事業所等については知事認可でありまして、そのことは、ひとつもっと十分議論をしていきたいと思いますが、社会福祉事業に従事する者を確保するための措置に関する基本指針とかいうものが出ている。今、あちこちで働く人が少なくなった。あまりにもひどいでしょう。給料も安いと。そして、やっぱり24時間も働かにゃいかんということで言われておりまして、国もやっと目をつけたようでありますが、市町村としてどう支援できるのか考えていきたいと思いますが、でき得る限り、国の報酬等の制度、やっぱり返上して。これまではよかったんですよ、やなぜ苑でも何とかペイできて余裕金も少し持っておるくらいですから。ただし、今度はそうはいかんと思うね。そういうことで、地方のそういう施設までいじめるような厚生労働省なんです。もってのほかだと、私はそのように思っております。このことについては御意見もございましたが、今後慎重に考えていきたいと思います。
 その次は、療養型病床の再編であります。
 先ほど前田さんもおっしゃいましたように、市内に4カ所あります。療養型、半分以上を削れと、こうなるんです。療養型、前の議会でもこの議論があったんですが。これはなぜか。療養型は少し高くなって国の負担が多いんですね。老人保健施設になるとドクター1人でいいんですね。療養型は少し、病院、看護師の体制をつくらにゃいかん。そしたら医療費が高くなりますから、それをなくして。始め、つくれ、つくれと言うたんですよ、今から10年前。そして、補助金も出したんです。皆さん入って、今満床なんです。今度はそれをなくして、老人保健施設に持っていこうというわけです。だから、経営者も大変だと思う。まだ借金、払っておらんと私は思う。そこで、老人保健施設にしますと中の改造をしなきゃいかん。経費も、まだでかいた借金が残っておるのに、またやらにゃいかん。ただ、態度を示されたのは1業者であります。態度を決められました。ただし、3業者はまだ態度を決めておられません。ただし、この指導は県がやっておりますで、病院等については私ども、あんまり口出しできませんけれども、この厚生労働省の構想というのは大変な構想だと私はそう思っております。いずれにしてでも、今あるものについては、役所からいうと、老人保健施設でもいいですから早く転換をしていただいて、早く入所していただく、そういう体制づくりをすべきではないかと、このように実は思っておるところでございます。いずれ、私に明らかにせいとおっしゃっても、この私が明らかにするわけにはいきませんが、具体的に県の指導によって整備をされるものではないかと、このように思っております。
 そのような中で、さっきちょっと触れましたけれども、JAとなみ野が、砺波駅の南に介護事業所及び診療所を併設した医療ケアの体制づくりをしてやるということであります。16戸の介護住宅、16戸です。高齢者住宅は60戸、あそこで建ててやろうということで、今、計画をされております。その下に、佐藤医師が診療所をつくると。それは地域医療を進めたいと、こういう立派な方がおられますので、今、計画中でありますけれども、進むように私どもも応援したいと思います。ただ、住宅等につきましては、共用部分、廊下とかエレベーターとか、あるいはピロティーといいますか、談話室、そういうものについては国庫補助がありますので、それをもらって、そして投入をして、私どももそういう意味で協力していくということになると思いますが、ぜひこのことが早くできるように期待を申し上げたいと思っております。
 要らんことを言うておったら長くなって申しわけないです。最後になりましたが、私に対して、お褒めかおしかりが知りませんが、激励の声をかけていただきましてまことにありがとうございます。いましばらくは、至らない者ですが、任期中、一生懸命頑張りたい、そのことを申し上げて答弁といたします。ありがとうございました。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 小幡和日出君。
  〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕

◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは1の(2)金融支援策についてお答えします。
 諸物価、特に、原油を初めとするエネルギー、原材料価格の上昇は、とりわけ、値上がりを製品価格に転嫁しにくいとされる中小零細企業においてはより深刻なものであり、また、食料品等日常用品の価格上昇は市民生活にも大きな影響があるものと認識しております。当市の産業への支援策といたしましては、砺波市中小企業融資等制度があります。この融資は昨年、融資限度額を改定し、利用しやすくしたものであり、原材料価格等の上昇に起因する経常の影響に対することはもとより、経営全般の安定に資するものであります。また、今年度は融資枠についても昨年度より約1億円増額しております。なお、融資に当たっては必要となる保証料の2分の1相当額を助成しておりますので、御利用をお勧めいたしております。
 また、勤労者への支援としては、砺波市勤労者小口資金融資制度があります。この融資は日常生活に必要な資金融資であり、事業や遊興等以外であれば広く対象としておりますので、御利用をお勧めしております。
 また、県においては原油を初めとする小麦、大豆等穀物も含めた原材料価格等の上昇により経営上の影響を受ける中小企業支援として、経営安定資金地域産業対象枠の運用枠の弾力化と限度額の拡大を行い、御質問にあるとおり、本年3月末までとしていた期間を9月末まで延長して、融資を行っているところです。この期間延長については、中小企業の景況感を見ながら当分の間ということであり、今後の状況によりさらに延長されるように要望することも考えたいと存じます。
 その他、政府系金融機関においても、原材料価格の上昇に対応した融資制度が設けられているほか、信用保証協会で中小企業信用保険法に基づくセーフティネット保証として、貨物自動車運送業等指定された53業種について保証限度額の別枠化を行っています。市の融資制度を初めとしてこれらの制度も御利用いただくよう、関係機関とも連携の上周知を図ってまいりたいと存じます。
 以上でございます。

◯議長(林 忠男君) 以上で、通告による質問並びに質疑が終わりました。
 ほかに質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(林 忠男君) 質疑なしと認めます。
 これをもって、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。

              議案の常任委員会付託

◯議長(林 忠男君) ただいま議題となっております議案第44号から議案第52号まで、平成20年度砺波市一般会計補正予算(第1号)外8件について、及び報告第5号専決処分の承認を求めることについては、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の各常任委員会に付託いたします。

                  日程第2
     後期高齢者医療制度の中止撤回の意見書の提出について外1件

              請願の常任委員会付託

◯議長(林 忠男君) 次に、日程第2 後期高齢者医療制度の中止撤回の意見書の提出について外1件は、お手元に配付してあります請願文書表のとおり所管の常任委員会に付託いたします。

◯議長(林 忠男君) 以上をもって、本日の日程はすべて終了いたしました。
 お諮りいたします。明6月19日から6月25日までの7日間は、議案審査等のため休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(林 忠男君) 御異議なしと認めます。よって、明6月19日から6月25日までの7日間は議案等審査のため休会することに決しました。
 なお、次回の本会議は6月26日午後2時から開会いたします。
 本日はこれをもちまして散会いたします。
 どうも御苦労さまでございました。

 午後 0時30分 閉議