令和元年12月 本会議 定例会(第2号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

○議長(島崎清孝君) ただいまの出席議員は17名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。

                  日程第1
      市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)
○議長(島崎清孝君) これより本日の日程に入ります。
 日程第1 市政一般に対する質問並びに議案第19号から議案第38号まで、令和元年度砺波市一般会計補正予算(第4号)外19件についてを議題といたします。
 これより、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 14番 今藤久之君。
 〔14番 今藤久之君 登壇〕
○14番(今藤久之君) 皆さん、おはようございます。「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」。御存じ、松尾芭蕉、奥の細道冒頭の一節でありますが、早いもので、気がつけば12月、師走でございます。過ぎ去った1年を振り返り、新たに迎える1年に思いをめぐらせる、そういった時節であろうと思います。
 この1年を振り返ってみますと、国内におきましては、新天皇陛下の御即位に伴う新元号への移行、第25回参議院議員選挙、消費税10%のスタート、また、2年続けての発生となってしまった北海道胆振中東部地震を初めとした地震被害、相次ぐ大型台風の上陸被害、大動脈である北陸新幹線が運休するなど、大きな変化や災害のあった1年でありました。
 一方で、富山県出身スポーツ選手の大活躍もあり、大相撲では朝乃山の幕内初優勝、NBAでは八村選手の大活躍と、明るい話題の提供もありました。
 本市にとりましても、旧砺波市と旧庄川町が平成16年11月に合併をし、15周年を迎える記念の年でもありました。
 また、世界に目を向けましても、米中貿易摩擦、イギリスのEU離脱問題、香港での反政府デモ、東アジア圏の安全保障問題等々、こちらも変化や課題の1年ではなかったかと感じるものでございます。
 来るべき1年におきましては、穏やかで平和な年となりますことを心から祈念するものであります。
 それでは、本12月定例会に当たり、自由民主党砺波市議会議員会を代表いたしまして、質問通告に従い、分割方式で、以下、大きく5点について質問をいたします。
 まず大項目1点目、市政運営における基本的な考えについてであります。
 本年2月定例会初日の市長の施政方針及び提案理由説明要旨によりますと、平成31年度予算は、これまでの施策に磨きをかけ、さらに将来につなげていくという意味を込めて、平成29年度の「キックオフ予算」、平成30年度の「ステップアップ予算」に続き、「もうひとつ上の“となみ”第2ステージ ブラッシュアップ予算」と命名したところであり、一般会計では、平成28年度に次ぐ2番目の規模となる227億3,800万円といたしましたとあります。
 この「ブラッシュアップ」という言葉には、市長が2期目を通して取り組んでこられた市政運営の流れの中、キックオフ、ステップアップに続き、これまでの施策にさらに磨きをかけるという意味で整合性を感じるものであり、公約にも掲げておられる10WAVEプロジェクトを中心とした一貫性のある施政方針を高く評価するところであります。つきましては、夏野市政の2期目におけるこれまでの施策の成果と課題についてお聞かせいただきたいと思います。
 次に、令和2年度予算編成方針と重点施策についてお伺いいたします。
 夏野市長におかれましては、就任以来、公約に上げてこられた政策につきましては、継続中のものも含め順調に実現されておられるものと評価いたしております。
 特に2期目の立候補をなさった際には、「第2ステージ発展砺上、もうひとつ上の砺波へ」――「はってんとじょう」の「と」は「砺波」の「砺」の当て字でありましたが――と銘打ち、1期目よりもさらに上を目指して取り組んでこられたところであり、本市がさらなる発展を遂げるために、これまでの取り組みを検証しながら各種施策のブラッシュアップを図り、この先の予算編成に生かしていく必要があると考えております。
 さて、来年はいよいよ2020年であります。東京オリンピック・パラリンピックなど世界的規模の行事という明るい話題がある一方で、地方自治体を取り巻く環境は決して楽観視できる状況ではないと思われます。
 このような事情も踏まえ、夏野市政2期目の締めくくりとなる令和2年度の予算編成方針と重点施策についてお聞かせください。
 以上で、大項目1点目の質問とさせていただきます。
○議長(島崎清孝君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) おはようございます。それでは、自由民主党砺波市議会議員会を代表いたしましての今藤議員の御質問にお答えをいたします。
 まずは、私の市政運営に対しまして評価のお言葉をいただき、感謝を申し上げます。
 それでは、1項目めの令和2年度の予算についてのうち、1点目の夏野市政2期目の最終年度を迎えるに当たり、成果と課題についての御質問につきましてお答えをいたします。
 2期目では、平成29年4月にスタートいたしました第2次砺波市総合計画に基づき、とりわけ重点的、優先的に取り組む施策を「10WAVEプロジェクト」として掲げまして、積極的に取り組んでまいりました。
 これらのプロジェクトを中心といたしました成果の一端を申し上げますと、若干羅列的になり申しわけございませんが、WAVE1の「子育て応援プロジェクト」では、出町及び南部の認定こども園を皮切りに、4つの幼保連携型認定こども園を整備したところでありまして、WAVE2の「学びの充実と健康寿命延伸プロジェクト」では、新砺波体育センターの開館を初め、新砺波図書館も来年の11月の開館を目指して鋭意整備を進めておりまして、加えて、健康寿命の延伸につなげるため、全市的にいきいき百歳体操の普及など、ソフト事業にも力を入れてまいりました。
 WAVE3の「三世代同居推進プロジェクト」では、人口減少対策の特徴的な取り組みとして、全国に先駆けて三世代同居推進事業を展開してまいりましたし、WAVE4の「魅力情報発信強化プロジェクト」では、北陸新幹線の開業効果も見据え、首都圏プロモーション事業など、本市のイメージアップを図ってまいりました。
 WAVE5の「地域包括ケア充実プロジェクト」では、認知症カフェ事業やふれあいいきいきサロン事業など、高齢者の皆さんが住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう支援をしてまいりましたし、WAVE6の「防災力強化プロジェクト」では、防災士の育成など地域防災力の強化を図りますとともに、雨水調整池の整備など、出町市街地の雨水対策にも取り組んでまいりました。
 WAVE7の「公共施設等長寿命化・最適化プロジェクト」では、砺波駅前広場イメージアップ事業が完了し、駅前広場を開放的な空間として、さまざまなイベントなどで利活用ができるようリニューアルするとともに、砺波チューリップ公園再整備事業として、令和3年の完成に向けて新タワー建設を進めるなど、公共施設の長寿命化に取り組む一方で、再編についても、市民の皆さんの御理解も得ながら並行して進めているところであります。
 WAVE8の「地域公共交通推進プロジェクト」では、デマンドタクシーを導入したほか、市営バスの自由乗降区間の拡大を進めました。
 WAVE9の「チューリップ産業振興プロジェクト」では、チューリップ球根のネット栽培の確立に向け、専用機械の改良のほか、台湾への球根の輸出など、販路拡大への取り組みも進めておりますし、WAVE10の「地域資源活用・農商工連携推進プロジェクト」では、市のすぐれた特産品を「となみブランド」として県内外に広くPRし、その後継者育成にも取り組んでまいりました。
 このように、1期目では、本市の強みを生かしながら諸課題を克服するよう、事業の芽出しを行い、2期目では、これらの事業が芽吹いて、実を結び、花咲かせるよう10WAVEプロジェクトを推進し、市民目線での市政の発展に取り組んでまいりました。
 加えて、砺波市行政改革大綱に基づきます行政改革推進計画を着実に実行し、さまざまな取り組みにより、行財政運営の効率化や行政サービスの最適化を図ってきたところでございます。
 一方で、地方を中心とした人口減少問題は、本市におきましても残念ながら例外ではなく、大きな課題となっております。
 今後は、この人口減少が少しでも緩やかになるよう、また、さらに効果的な施策展開を図りますとともに、あわせて、人口減少に適応した社会づくりを進めていくことも必要であると考えております。
 このような中、WAVE7でも触れましたが、公共施設の再編につきましては、持続可能な地域社会を実現するため、将来への継続課題として、市民の皆さんとともに取り組みを進めていくことが必要であると考えております。
 2期目の任期もあと1年となりましたが、これからも引き続き手を緩めることなく、公約に掲げました10WAVEプロジェクトのさらなる実現と充実に向けて、着実に取り組みを進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、2点目の令和2年度の予算編成方針と重点施策についての御質問にお答えをいたします。
 まず、令和2年度の予算編成方針につきましては、本定例会の提案理由でも述べさせていただきましたが、第2次砺波市総合計画の4年目に当たり、計画に掲げます将来像「~庄川と散居が織りなす花と緑のまち~もっと元気 ほっと安心 ずっと幸せ“やっぱり砺波”」を目指し、引き続き事業の選択と集中をより一層進め、財政の健全化と着実な事業展開を図ることとしております。
 加えて、砺波市行政改革大綱に基づきまして、地方自治の運営におけます最小の経費で最大の効果を上げるという基本原則にのっとり、まちづくり、行政サービス、財政運営の視点から、サービスの質、量、手法などを最適な状態にする行政サービスの最適化をさらに推進してまいりたいと考えております。
 このような予算編成方針のもと、重点施策といたしましては、私の公約でありまして総合計画の中でも重点的かつ優先的に実施すべき施策に位置づけております「10WAVEプロジェクト」を確実なものとするため、事業推進に予算を重点的に配分し、着実な進捗に努めてまいりたいと考えております。
 なお、現在は新年度予算の編成作業中でありますが、検討中の主な重点事業の一端を申し上げますと、まず、子育て応援プロジェクトでは、出町小学校放課後児童教室の第2教室の整備や、民間事業者の保育施設整備に対する支援をしてまいります。
 また、学びの充実と健康寿命延伸プロジェクトでは、新砺波図書館整備事業として、来年秋の開館に向けて取り組みを進めるほか、公共施設等長寿命化・最適化プロジェクトでは、出町東部第3土地区画整理事業や砺波チューリップ公園再整備事業におけます新チューリップタワーの建設などを計画しております。
 これらのほか、土砂災害ハザードマップの見直しによります防災力の強化や、三世代同居を推進する新たな事業の実施、市税と上下水道料のコンビニ収納など、行政サービスの充実とともに、「10WAVEプロジェクト」を柱に、第2次総合計画に掲げました多くの施策にも鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(島崎清孝君) 今藤久之君。
 〔14番 今藤久之君 登壇〕
○14番(今藤久之君) 続きまして、大項目の2点目、砺波市公共施設の再編計画についてお尋ねいたします。
 平成28年3月に砺波市公共施設等白書が公表されました当時は、結びにある今後の取り組み、「公共施設等総合管理計画の策定」であるとか「公共施設等に関するマネジメント手法の改善」という項目を目にしておりましても、いま一つ現実感を伴わない思いを持っていたと我ながら反省をいたしております。
 その後、砺波市公共施設等総合管理計画が同年11月に策定され、その下位計画として、今年度、砺波市公共施設再編計画が策定予定となっております。
 人口減少が進む中、税収の減少や社会保障費の増額、公共施設老朽化の進行、公共施設ニーズの時代変化など、やはり今のうちからしっかりと計画を立て対応していくことは不可避であろうと誰もが考えるものでありましょうが、総論としては賛成であるが、各論となると、そこにはそれぞれの事情があるということになるのだと思われます。
 施設の個別計画そのものも、短期で6年間、中期で16年間、長期で26年間と長きにわたるものであり、そのことからも、市民の皆さんには大きな関心を寄せられる方々もおられれば、他人事のように捉えていらっしゃる方々もおられるのが実情ではないかと思われます。
 さて、先月22日の砺波市議会全員協議会におきまして、齊藤副市長から砺波市公共施設再編計画の中間報告がございました。要約いたしますと、8月1日から4カ月間にわたり、市内21地区のうち3地区を除いた18地区で、砺波市公共施設再編計画の素案、市の方針についての説明会を行ってきており、本日の庄川4地区での合同説明会が最後となること、各地区自治振興会だけではなく各種団体への説明も行っていること、多くの方々から御理解をいただけたと思える一方で、無関心な方々の存在や地域衰退の危惧を訴えられる方、財政面の心配をしているだけではないかとの御意見もあったとのことであります。
 また、今後については、公共施設適正配置検討委員会を開催し意見集約を行う。12月中には計画案を策定し、その後パブリックコメントを行い、それを受け、今年度中に「砺波市公共施設再編計画」を策定する運びになっているとのことでありました。
 私が最も重視したい点は、副市長の中間報告の結びにありましたように、計画の実施に当たっては、それが策定されたからといって、市当局が独断で実行するのではなく、事前に地域の方々と協議を行いながら進めていくこととしていますというところであります。
 先に申し上げましたとおり、計画においては最長で26年間となるものでございます。ましてや、日進月歩の時代であればなおさら、先々のことを正確に見据えることは困難であります。
 そのことを申し上げ、以下2点、確認の意味を込めまして質問させていただきます。
 1点目としましては、地区説明会や各種団体等の説明会を通じて得た市民の皆さんの意見について、2点目といたしまして、基本的な姿勢はともかく、個別計画については決定事項であると強引に進めるのではなく、地域の方々と協議を繰り返し、時代の要求する変化や想定外の変化など柔軟に対応していくようにすべきと考えます。まず、削減目標ありきとならない計画の推進を望むものであります。答弁をよろしくお願いいたします。
○議長(島崎清孝君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 2項目めの砺波市公共施設再編計画についての御質問にお答えいたします。
 まず1点目の、地区説明会や各種団体との説明会を通じて得た市民の意見についての御質問につきましては、8月から11月までの間に、市内各地区の自治振興会や市体育協会、市美術協会などの関係団体を初め、市PTA連絡協議会や商工会議所、商工会青年部、市老人クラブ連合会、市連合婦人会、女性団体連絡協議会など、幅広い年齢層の方々から、また、いろいろな活動をされている方からも御意見をお聞きいたしました。
 市からはまず、今後、少子高齢化や人口減少が進む中で税収が減少する一方、医療、介護などの社会保障費が年々増加することから、公共施設の再編は避けて通れないことをお話しし、その後、それぞれの皆さんに直接関係のある施設を中心に、今後の公共施設の再編に向けた市の具体的な考え方について説明をしてまいりました。この説明会では、総論部分であります公共施設の再編の必要性につきましては概ね御理解をいただいたものと思っております。
 その中ではどんな意見があったかということでありますが、将来の世代に過度な負担を強いることのないよう、積極的に公共施設の再編を進めるべきという御意見や、比較的新しい施設については、利便性や多用途への活用など施設の有効活用を推進するという意見もあったことに加えまして、さまざまな事業やイベントについても見直しを図るべきとの積極的な計画推進の意見がございました。
 一方で、地域や活動の拠点施設がなくなることで、地域の衰退や活動の縮小を心配する御意見や、住んでいる地域への愛着心が低下するのではないかといったような御意見、また、施設の建設の経緯や役割をもっと考慮してほしいなど、個別施設の存続を求める意見もございました。
 このほか、市は財政面や縮減目標面積だけを考えて公共施設の再編を進めているのではないかとの御意見もいただいたところでございます。
 これらの意見に対しましては、施設の現状ですとか、しっかりとした財政基盤の必要性などについて、改めて市の考えを丁寧に説明し、理解を求めているというところでございます。
 次に、2点目の市民の理解を得た再編計画の施行となることについての御質問につきましては、この公共施設再編計画は、総合管理計画の下位の計画として実行に向けた考え方を示すものであり、計画の実施に当たりましては、個別計画を定めまして、実現に向けて施設ごとに対応していくというものでございます。
 そのため、各説明会におきましても、先ほども議員からも紹介ございましたが、縮減目標面積ありきに推進するものではないということですとか、この計画を策定し明示してあるからといって、市が独断で実行するのではなく、計画を実際に実行する際には、事前に地域の方々や関係団体の方々と改めて協議を行いながら進めていくことについて、それぞれの説明会では十分にお話をしてきたところでございます。
 なお、計画の実施につきましては、それぞれ短期、中期、長期と期間を設けてはおりますが、財政負担の軽減や平準化を図りながら、スピード感を持って進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(島崎清孝君) 今藤久之君。
 〔14番 今藤久之君 登壇〕
○14番(今藤久之君) 次に、大項目3点目、次代を担う子どもたちの環境整備についてお尋ねいたします。
 最初は、保育所等の施設再編計画と幼児教育・保育の無償化についてであります。
 私は、昨年の9月定例会代表質問におきまして、幼稚園の統合について及び保育所、幼稚園の今後のあり方についてをたださせていただきました。
 お聞きしましたところによりますと、昨年度1年間に市内で生まれた新生児は、遂に300人を切ったとのことであります。
 このように、少子化が加速度的に進展する現状におきましては、ゼロ歳児から預かる保育所においても、幼稚園と同様に施設見直しの必要性を訴えてまいりました。
 本年8月開催の砺波市子ども・子育て会議におきましては、保育所などにおいても子どもの発達を十分に保障する環境が必要との考えから、1クラス当たりの人数をもとに適正な保育環境の基準が示されたところであります。その基準に満たない施設として、2つの幼稚園と3つの保育所が該当するとのことでありました。
 また、先月下旬に開催されました第3回目の砺波市子ども・子育て会議では、市当局の方針として、ここ数年以内に庄川町地域の4つの保育所を統合整備して認定こども園とすることや、鷹栖保育所の認定こども園化を示されたとのことであります。あわせて、基準を満たさない幼稚園についても一定の方向性を示されたとお聞きいたしております。
 今後は、それらの施設を有する地域や保護者など関係者の皆さんへの説明を行っていくとのことでありますが、これら方向性の確認と進捗状況についてお聞かせ願います。
 大原則として、子どもたちの発達を十分に保障する環境づくりを第一に施設の再編に取り組むとのことでありますが、本市においての保育所など小学校に上がる前の子どもたちの施設整備の見通しについて、現在、素案について議論をしております市の公共施設再編計画との関係や整合性、地域バランスなどを考慮したものになっているかについての市長の考えをお聞かせ願います。
 さて、国においては、本年10月より幼児教育・保育の無償化が開始されました。これは、3歳から5歳児は全ての世代が、そしてゼロ歳から2歳児は住民税非課税世帯などの保育料が無料になるものです。また、認可外保育施設の利用者にも一定の上限額を設けた上で費用を補助するもので、財源は10月の消費税率10%への引き上げによる増収分を活用するものであります。
 この無償化の取り組みについては、全世代型社会保障への転換を掲げる安倍政権の看板政策の一つであり、子育て世代の経済的負担の軽減を図り、希望出生率1.8の実現を目指すものであります。
 無償化に関しましては、国の財源が数百億円程度、当初の予想よりも不足するのではないかとの報道もあったところであります。
 本市においては、これまでの期間に、保育所など現場での混乱や保護者からの問い合わせやトラブルはなかったのでしょうか。また、保育料の無償化は、保護者の経済的負担を軽減する一方で、市の財政的負担としてはどのような影響が出ているのかについてもお聞かせください。
 次に、この項目の2点目、小中学校のICT環境整備についてお尋ねいたします。
 11月27日の全国紙、新聞報道によりますと、政府は全国の小中学校において高速・大容量通信を整備した上で、児童生徒に1人1台の学習用パソコンかタブレット端末を無償で提供し、遅くとも2024年度までに実現を目指し、国の主導で教育環境の地域格差を解消することを目的とする方針を固めたとあります。
 具体的スケジュールとして、今年度末までに政府が事業費を計上した補正予算を決定するとあり、2020年度では、小中学校でパソコン1人1台に向け配備を開始する。2022年度では、小学校5年生から中学校で配備完了する。2024年度では、小学校1年生から4年生で配備完了するとのことであります。
 そこでまず、教育環境の地域格差解消についてであります。
 従前、文部科学省の「学校における情報化の実態調査」は県単位のものでありました。現在では、市町村単位での調査結果が出ております。
 令和元年8月発表の同調査結果速報値によりますと、普通教室における無線LAN整備率が全国平均では40.7%であり、富山県の平均値が23.2%、全国第42位と低く位置しております。
 さらに、県内市町村別の普通教室における無線LAN整備率を見てみますと、市町村間では大きな差があり、100%の整備率を達成しているところもあれば、他方ではゼロ%のところもあるというのが現状であります。残念ながら、我が砺波市においても、幾つかの市町村同様に整備率はゼロであります。
 この資料によりますと、前年度調査分からの伸び率も示されていて、その割合は高くなっており、普通教室における無線LAN整備の傾向が今後も加速されるものと思われます。また、県立高校においては3年計画で整備をされており、来年度でほぼ100%の整備率になるとのことであります。
 普通教室における無線LAN整備が必要であると考える理由として、1つ目には、本年6月28日に公布、施行されました学校教育の情報化の推進に関する法律、第3条、基本理念の第3項には、「全ての児童生徒が、家庭の状況、地域、障害の有無等にかかわらず、学校教育の情報化の恵沢を享受」とあること。2つ目には、来春から小学校5年生以上を中心にプログラミング教育が本格的に始まること。これは、小学校でのプログラミング教育が必修化されるということであります。3つ目には、この質問の冒頭にも申し上げました国の方針であることから、各種補助が期待できることであります。
 補助の第1は、2018年から2022年度の5カ年計画において、国では、教育のICT化に向けた環境整備費として、単年度1,805億円の地方財政措置が講じられること。第2には、大規模改造事業に対する国庫補助(学校施設環境改善交付金)があること。第3には、総務省の補助金事業として、公衆無線LAN環境整備支援事業も挙げられます。残念ながら、この事業では普通教室は対象外でありますが、他の予算と併用することで学校内の無線LAN構築に役立つと考えられます。4つ目は、校務でのICT活用があります。各種校務をICT化することにより、教員の業務の軽減と効率化が図られること、あわせて教育活動の質の改善が期待できることであります。大きな課題となっている教員の働き方改革にも寄与するものと思われます。
 ここに挙げたもの以外にも理由は多くあると思われますが、何といっても、次代を担う子どもたちへの教育の質向上が一番大きなメリットとなることでありましょう。
 普通教室における無線LAN整備は、学校ICT化のインフラ構築であるとも言えるものであります。時代の流れに遅れることなく、小中学校の普通教室にも無線LAN環境整備が必要と強く考えます。
 予算規模も小さいものではないので、一度に全校実施とはいかないまでも、計画的にできるだけ早急な整備を行うべきと考えます。
 このことに関する答弁を求めるものであります。
 この項目の3点目、新図書館利用における安全面の整備についてお尋ねいたします。
 新図書館の建築が進んでおります。工事現場近くを通るたびに進展が見られ、完成を楽しみにしているものであります。
 さて、その新図書館でありますが、これまでもソフト面、ハード面、多岐にわたる質問があったことは承知しておりますが、アクセスに対するものが少なかったのではないかと思い、安全・安心面からの視点でお伺いいたします。
 既存の施設が移転となった場合には、そこへ通う人々の動線に変化が生ずるものであります。新図書館におきましても、当然のことながら、これまでとは異なった動線が生ずるわけであります。特に市の中心街、西側からのアクセスとなりますと、幾つかの問題があるように思われます。例えば中央町のJR城端線のアンダーパス部分とその周辺ですが、アンダーパスの性質上、垂直方向の見通しが悪いばかりではなく、微妙にカーブがあり、水平方向にも視界が開けてはいません。あわせて道路幅員が狭隘であり、歩行者等の安全確保の方策が必要であります。
 次に、国道156号幸町交差点でありますが、市内でも交通量の多い箇所の一つでもあり、付近には地下横断歩道はあるものの、利用頻度はどうしても低くなると考えられます。ここにも自転車横断帯を設けるなど、歩行者や自転車に対する安全策が必要ではないかと考えます。事故・事件に子どもたちや高齢者が巻き込まれないように、道路改良や安全施策の設置などが望まれます。また、市内でも定着しつつある「ながら見守り」のさらなる啓発も必要ではないかと思われます。
 防犯上のあるいは交通安全上からの安全面の整備について答弁を求めまして、この項目の質問とさせていただきます。
○議長(島崎清孝君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) それでは次に、3項目めの次代を担う子どもたちの環境整備についての質問のうち、まず1点目の保育所等の施設再編計画と幼児教育・保育の無償化についての御質問にお答えをいたします。
 砺波市におきます本年4月1日現在の5歳児は392人、ゼロ歳児が293人となっておりまして、その差は99人の減、率にしますと約25%の減となりまして、残念ながら少子化がより進んでいるという現状になっております。
 いつも申し上げていますが、成人式は大体500人前後でございますから、とうとう300人を割ったということはかなり厳しい状況だということでございます。
 こうした中で、子どもたちの保育環境をいかに確保するかということが重要でありますことから、専門家も交えました子ども・子育て会議におきまして、子どもの発達を十分に保障する環境をつくるという、そういった観点から、昨年度は幼稚園、今年度は保育所について、適正な保育環境の基準についての議論が行われてきたものでございます。
 その結果、この8月に開催されました第2回の子ども・子育て会議におきましては、1クラス当たりの適正な人数として、3歳児クラスでは概ね11人から20人、4歳児クラス、5歳児クラスでは概ね11人から25人とされるとともに、1クラス当たりの人数が適正な人数に満たない状態が3年間継続すると見込まれるような場合には、施設の再編について検討に着手するという提言をいただきました。
 なお、基準に関する保護者や地域の説明につきましては、子ども・子育て会議で決定される前に、基準に満たない園の保護者や地域の方々に対して、園の現状ですとか、この基準の案についての説明を行ってまいりました。
 その際にいただきました、子どもの人数が少ないことはわかっていると。統合する時期や場所、規模を明確にしてほしいといった意見や、統合により地域から保育所がなくなり、園が遠くなり送迎が大変だといったような御意見も子ども・子育て会議で御紹介して、議論の際の参考にもしていただきました。
 さらに、決定いたしました基準について、各園の保護者に対して順次説明を行っておりまして、年内には終える予定としております。また、公共施設再編計画の素案を各地区に説明を行った際にも、地域の皆さんに保育所などの現状ですとか今後の再編方針についても説明を行ったところでございます。
 その結果、耐震性に課題のあります鷹栖保育所の建てかえと庄川地域の4つの保育所の統合整備について特に異論がなかったことから、先月開催されました第3回子ども・子育て会議では、令和2年度から5年間の「第2期子ども・子育て支援事業計画」の素案の中に位置づけたものであります。
 このほか、庄東地域でも1カ所の認定こども園の設置を目指すことを説明したところでございます。
 今後、具体的に保育施設の再編に取り組むに当たっては、改めて地域の方々や保護者の皆さんに丁寧に御説明し進めてまいりたいと考えております。
 なお、市の公共施設再編計画との関係ですとか整合性につきましては、これまでも類似の答弁で申し上げておりますように、保育所、認定こども園、幼稚園につきましては、子どもの発達を十分に保障するための環境を整えるという観点から取り組むものでありまして、結果として再編となる場合は、公共施設再編計画に反映されることとなるというものでございます。
 次に、幼児教育・保育の無償化に関する御質問でございます。
 10月からの幼児教育・保育無償化制度の開始に当たり、保育現場での混乱や保護者とのトラブルを未然に防止するため、最初の取り組みとして、8月から市内の公立、民間全ての施設の職員に対し、制度の理解に向けた説明を行ってまいりました。
 また、保護者の方々には、これも8月から9月にかけて、制度の内容や無償化の実施に伴って変更される手続などを中心とした説明を行うとともに、10月から行っている新年度の入所申し込みの際や、広報となみ9月号、それからホームページにも掲載するなど、機会を捉えて制度の周知に努めているところであり、これまで保育料と一緒に徴収されておりました、おかずやおやつ代であります副食費が各園で個別に徴収する仕組みに変更されたことにより、逆に新たな負担と感じられた問い合わせが幾つかあったということでございます。
 しかしながら、先ほども述べましたが、保護者の皆さんに説明をいたしたところ、現時点では大きな混乱はなかったと聞いております。
 次に、無償化が本市の財政負担に与える影響につきましては、家庭の経済状況にかかわらず、3歳児から5歳児までの全ての保育料が無償になったことから、1カ月当たり約1,570万円の歳入減となりました。
 また、今年度の10月から3月までの無償化に伴う保育料の減収分及び今回新たに国の無償化の対象となりました本市の子育て世帯への独自支援策であります非課税世帯やひとり親世帯の保育料無償化等につきましては、全額を国が補助金により負担することになっておりますことから、あくまでも今年度における市の財政負担への影響は限定的であるというふうに考えております。
 しかしながら、新年度以降におきましては、民間の保育所を利用する3歳以上の保育料につきましては、国が2分の1、県が4分の1、これまでの制度と同様負担されることとなりますけれども、当然ながら、市の負担分というのは出てくるわけですが、公立の施設を利用する園児の保育料は、交付税による財政措置がされるということでありますが、相応の財政負担が生じることとなります。
 これにつきましては、全国市長会等でかなりこの国の無償化について、もう少し自治体に配慮すべきではないかということでかなりやってきたわけですが、最終的にはこういう形で落ちついたということであります。交付税措置が来るということですが、現実に生にお金が来るわけでありませんので、そういった面では若干窮屈になる原因になるということは間違いございません。
 次に、2点目の小中学校のICT環境整備についてでございます。
 児童生徒1人1台のパソコン普及、普通教室におきます無線LANの整備等につきましては、砺波市におきましては計画的に整備を進めているところでありますが、議員御発言のとおり、市町村で整備率に差が生じているということは事実でございます。
 本市では、これまで整備したパソコン等の計画的な更新だけではなくて、来年度から小学校の新教育指導要領が本格施行されることに伴う5年生以上のプログラミング教育、それから小学校の教科書改訂に伴いますデジタル教科書やデジタル教材を活用した学習に対応するため、多くの児童生徒がタブレットなどの電子機器を利用できる無線LANの環境も整えていくことが必要と考えておりまして、現在、動作環境を確認しながら、その整備計画についても検討しているところであります。
 御紹介もありましたが、国の経済対策におきまして、児童生徒1人1台に向けた国庫補助の創設が検討されておりまして、その中で、パソコンの整備などとあわせて、無線LAN環境の整備についても対象とすることが検討されておりますので、国のこういった動きをしっかり見ながら、国の補助制度を十分有効的に活用しながら、計画的にICT環境整備に努めていきたいと考えております。
 次に、3点目の新図書館利用における安全面の整備についての御質問でございます。
 市の中心街、西側からのアクセスについて、出町小学校や、また砺波高等学校の通学路を参考に、関係課とも安全ルートを検討しているということでございます。
 議員御発言のJR城端線のアンダーパス部分につきましては、令和5年度までに隣接いたします若林口用水路の改修が予定されておりまして、その改修内容を見極めるとともに、狭隘で道路幅員も限られていることから、通行車両の流れや歩道の設置など、歩行者の安全を確保できますよう、県を初め地元の出町自治振興会とも協議をしてまいりたいと考えております。
 現実的には、あそこの道を拡幅するということはまず不可能でございますので、例えば、今、出町自治振興会のほうに非公式ですがお話ししているのは、例えばあれを一方通行にできないかと。そのことによって歩道部分を設置できないかということでございます。じゃ、どっち側の一方通行にするのかという話がありますが、御承知のとおり、勾配は西側のほうがきついですね。ですから、どっちがいいのか、それから交差点の危険度はどっちが高いのかということ。それから、実際、出町の市街地の方々がどういう利用をされているかも含めて、振興会のほうに検討をお願いしたいなと思っています。
 また、実際一番安全なルートは砺波駅の自由通路を通行するルートでありまして、これは全て歩道があります。そうしますと、階段は上がらなければいけませんが、エレベーターもついておりますので、そういったルートもあることになります。あわせて駅の踏切のところも見ていただいて、にぎわいにもなるのかなという思いもありますが、そういったことも含めて、いろんなルートの安全性を確認していきたいと思います。
 また、国道156号の横断箇所に自転車横断帯を設けるなどの安全対策につきましては、これも道路管理者とか、それから交通安全管理者、警察などと協議して進めていきたいと思っていますが、せっかく大きな金をかけてつくった地下歩道でありますから、あまり使わないと言わずに、ぜひ使っていただきたいなと思います。それが一番ある意味では安全であることは間違いないわけですので、そういう点についても啓発をしていきたいと思っています。
 また、「ながら見守り」につきましては、富山県が推進します地域安全活動において、住民一人一人が日常生活の中で見守りの意識を持つ中での取り組みに位置づけされているというものであります。
 そういったことから、今後のさらなる啓発につきましては、砺波警察署や市の防犯協会、また交通安全協会などの関係機関と連携しながら、地域防犯の取り組みの中で検討されていくものだというふうに思っています。
 図書館のことというよりも、全体の流れの中で、引き続き地域の方々にそういった形でお願いするということになるのではないかと思っております。
 以上でございます。
○議長(島崎清孝君) 今藤久之君。
 〔14番 今藤久之君 登壇〕
○14番(今藤久之君) 続いて、大項目4点目、防災・減災の施策について質問をいたします。
 10月末になりますが、砺波広域圏事務組合議会で、台風19号の被害状況を視察するために長野県飯山市へ行ってまいりました。河川の氾濫により泥沼と化したリンゴ畑や建物被害などを見て、災害の恐ろしさを改めて感じてまいりました。近隣の県などから栽培ボランティアを乗せたバスが多く来ていたことも心に刻まれたところでございます。
 また過日、11月15日のことですが、自由民主党砺波市連合支部所属の議員と同女性部で意見交換会を行いました。意見交換会では3つの部会に分かれ、それぞれ意見の交換を行ったところでございます。私の参加した部会では、砺波市ハザードマップについての意見が幾つもあり、参加された皆さんの災害に対する強い関心を感じたところであります。
 さて、その意見交換会の意見ですが、ハザードマップの浸水深想定色分けの色がパステル調でわかりにくいこと、洪水時のマップなのに、洪水時に利用不適の避難所表記があるのはおかしいのではないか、防災関連情報が1枚にまとめられているのはすばらしいなどの意見がありました。
 そのような意見の中でも特に心に残ったのは、さまざまな災害の種類がありますが、地震に対応したマップはないのでしょうかというものでした。確かに、洪水時とは違った避難や対応があると思います。
 私は、砺波市地震防災マップ(揺れやすさマップ)というものがあるはずですと答えはしましたが、相当以前のものではなかったかと心配になりました。例えば平成30年4月には、砺波市地域防災計画の改訂が行われております。この改定では、地域防災計画に関係する法令の改正や、平成29年末に県から公表されました地震被害想定を反映し、砺波市業務継続計画(BPC)と整合性を持たせておられます。さらに直近では、平成31年4月に前出の砺波市洪水ハザードマップの見直しによる砺波市地域防災計画(資料編)の一部改訂を行うなど、きめ細やかな対応をしてこられていることは評価をさせていただきます。
 しかしながら、現在の砺波市地震防災マップ(揺れやすさマップ)については、平成17年3月に内閣府作成の地震防災マップ作成資料に基づき平成22年8月に作成されたものであり、反映されているデータも古いものであります。
 平成29年度には邑知潟断層による想定震度が見直されたことからも、砺波市地震防災マップ(揺れやすさマップ)の更新版を作成し、これを市民の皆さんへ告知することが必要と考えます。
 砺波市地震防災マップ(揺れやすさマップ)の更新版作成についての答弁をお願いいたします。
 この項目の2点目として、洪水ハザードマップの応用と避難所誘導看板の設置について提案をいたします。
 富山県は比較的災害の少ない県であると言われております。我が砺波市もまた幸いなことに、これまでは大きな災害等は無縁であったように思われます。大きな被災経験がないことは幸せなことでありますが、一方で、災害に対する真剣な備えという観点からはいささか心配のあるところかもしれません。
 平成27年関東・東北豪雨災害について、議会運営委員会で常総市に視察へ行ってまいりました。鬼怒川の決壊があり、市域の3分の1に当たる約42平方キロメートルが浸水し、大きな被害を受けられたとのことでありました。
 災害対応ということで多くのことを学ばせていただきましたが、実体験に基づくお話には一つ一つ重みを感じました。その中でも特に心に残ったことは、実際の災害のイメージを持つこと、持ち続けることの大切さでありました。実際に市庁舎の壁やモニュメントには実績浸水深の表示がしてあり、誰でも一目で実際の浸水状況がわかるようになっているばかりではなく、洪水時の浸水深を意識せざるを得ない仕組みになっておりました。
 さて、全国的に見て、本年の相次ぐ台風被害においても、ハザードマップの予想浸水深が比較的正確であったともお聞きしているところであります。砺波市ではこれまでのところ、このように大きな水害は未経験でありますが、特に洪水被害が大きいと想定されている地域など、ハザードマップによる浸水想定水位を公的機関の壁面や標柱を立てることで、その場所の想定水位が明瞭にわかるようにしてはいかがでしょうか。
 また、2016年には、内閣府と消防庁から災害時の避難マーク統一の発表があったところでもあり、東京オリンピック・パラリンピック開催の2020年までに、地方自治体に普及と啓発をお願いしていくとのことでありました。
 災害時に、誰もが土地勘がある場所にいるとは限りません。外国人や観光客の皆さんもおられることでしょう。そこで、避難所への誘導看板の設置も心がけていくべきだと考えます。
 洪水浸水表示板の設置と避難所誘導看板の設置を御提案申し上げまして、この項目の質問とさせていただきます。
○議長(島崎清孝君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 4項目めの防災・減災の施策についての御質問のうち、まず1点目の砺波市地震防災マップ、いわゆる揺れやすさマップの更新についての御質問にお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、現行の地震防災マップは平成22年8月に作成されたものでありまして、作成後10年が経過しております。
 この間、平成29年度には、県において、邑知潟断層帯によります想定震度が市内の一部地域において震度6強から震度7へと見直されております。このことを受けまして、砺波市地震防災マップの更新を、新年度において国の社会資本整備総合交付金を活用しながら行う予定としております。今後、事業採択が得られますれば、新年度早々から作成に着手してまいりたいと考えております。
 また、更新に際しましては、最新の揺れやすさの調査結果を反映するとともに、避難場所、緊急通行確保路線及び本年から拡充いたしました木造住宅耐震改修に関する補助制度につきましても最新の情報に更新いたしまして、令和3年4月末までに市内の全戸及び各企業への配布に努め、広く市民に周知してまいりたいと考えております。
 また、行政出前講座によります御要望がありますれば、現在いろいろ防災でも出ておりますが、これにつきましても、関係各課とともに、防災のほうで各地区に出向きまして十分に御説明してまいりたいと思っております。
 次に、2点目の浸水想定水位表示板と避難所誘導看板の設置についての御質問でございます。
 本年3月に改訂いたしました洪水ハザードマップにつきましては、国及び県が公表いたしました、想定し得る最大規模の降雨強度に作成条件を拡大した洪水浸水想定区域図に基づきまして、本年4月の地区自治振興会及び自主防災組織代表者への合同説明会の後、市内全戸に配布するとともに民間事業者等にも配付をいたしました。
 その後、近年の全国各地での水害が頻発していることもございまして、洪水ハザードマップをテーマといたしました行政出前講座の開催は、昨年がわずか1件でしたが、本年は、11月末現在でまとめたところ、既に17件の申し込みがありまして、市民の方々の水害に対する意識が確実に高まっているものと実感しております。今後は、このマップをいかに有効に活用していくかが課題だというふうに思っています。
 先ほど御紹介いただきました意見交換会の際のハザードマップに対する御意見でありますが、浸水深想定の色分けが見にくいという話ですが、これは国の基準でありまして、日本全国でこうなっています。だから、砺波市と例えば南砺市が違っていると、これはまずいわけでして、残念ながら、見にくい、見やすいは主観的なものもあるかと思いますが、全国統一だということを御理解いただきたいと思います。
 それから、利用不適の避難所も書いてあるのはおかしいんじゃないかというのは、逆にそこへ行かないでという趣旨です。避難所があそこにあるかなと思って行ったら、それはだめですよということがわかるようにということですので、それなりに考えてつくってありますが、そういった説明も今後ともしていきたいなというふうに思っています。
 そこで、もう一つの洪水浸水表示板を設置することについての御提案ですが、実際には、津波なので、浸水被害があった実績浸水深というものがあります。ここには2メートルの津波が来たことがある、もしくはそういう記録があるということなんですが、とは異なりまして、このハザードマップの浸水想定の深さというのは、これも国のガイドラインの定めによりまして、その区分は0.5メートル未満、それから0.5メートルから3メートル未満、それから3メートルから5メートル未満など、比較的幅の広い刻みになっています。
 したがいまして、本マップと整合する形で現地に数メートルの幅がある表示を設置することにつきましては、住民の皆さんにはかえってわかりにくいという懸念もございます。ここは50センチメートルから3メートルの洪水が想定されますと言われたら、ならどうしたらいいのかということになると思いますので、そういった懸念もございます。
 一方で、さはさりながら、人が集まる公共的な施設での想定の浸水深の表示というものは避難意識の醸成も期待できますので、先進市での設置の例なども研究の上、表示方法に一定の工夫は必要だとは思いますが、そういったことも考えながら設置に向けて検討していきたいと思います。
 次に、避難所誘導看板の設置の提言につきましては、本市では平成18年度と平成19年度、それから平成21年度におきまして、一般財団法人日本宝くじ協会の防災関連整備事業を活用しまして、11基の太陽電池式の避難誘導標識を設置いたしまして、議員が述べられました「災害種別図記号による避難場所表示の標準化の取組に関する通知」によります標準化デザインと、また、それと同じピクトグラムを採用しております。ですから、基準になっているということでございます。
 避難所誘導看板を災害時でもわかりやすくするためには、相当程度の大きさが必要だというふうに思います。その構造ですとか表示内容も含めまして、これも計画的に増設をしていきたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(島崎清孝君) 今藤久之君。
 〔14番 今藤久之君 登壇〕
○14番(今藤久之君) 最後に、大項目5点目、砺波総合病院について質問をいたします。
 過日、全国自治体病院経営都市議会協議会主催の第15回地域医療政策セミナーを受講してまいりました。当日は講演が2本ありましたが、特に医療法人社団悠翔会、理事長兼診療部長である佐々木淳氏による「超高齢社会に求められる地域医療のかたち」と題された講演では、歯に衣着せぬ物言いと、自らの体験とデータの裏づけを用いた語り口調から、終始興味を持って聞き入りました。
 医療法人社団悠翔会は在宅医療に特化した医療法人であり、機能強化型在宅療養支援診療所を東京近郊に12カ所展開しており、365日24時間体制で約4,000人の患者の在宅医療を支援している団体で、既存の概念や前例にとらわれることなく、理想の在宅医療を追求しているとのことでありました。
 佐々木理事長は、人生の最終段階は看とりであり、看とりは医療ではなくケアであるという強い信念を持っておられました。同時に、人生の終えんである死を迎える場所が日本は異常だともおっしゃっていました。欧米と比較して、日本人の病院死が異常に多いこと。それに比べて、自宅死と施設、集合住宅死が異常に少ないことを挙げておられ、本人の希望が自宅死であるのとはかけ離れていることを是正すべきという御意見でした。
 私が一番驚いたのは、高齢者にとっては入院そのものがリスクになり得るということでした。入院関連機能障害として、生活環境変化がストレスとなり悪影響が出るリロケーションダメージや、安静、食事制限による廃用症候群と低栄養の進行といった医原性サルコペニアが挙げられる。また、在宅高齢者の緊急入院は肺炎と骨折が50%であり、その原因は実は同じであり、筋脆弱性、筋量減少、低栄養であるとのことでした。肺炎で入院して誤嚥があってはいけないと栄養チューブで取らせると、退院してから自分で食事が取れなくなる。むやみに動くので、骨折が心配でベッドに拘束すると、退院後、自力で歩行ができなくなる。まさかこんなことはなかなかないのでしょうが、特に高齢者においては、単に病気やけがの治療だけではなく、リロケーションダメージや医原性サルコペニア、そして多剤併用(ポリファーマシー)に関しても大いに傾注する必要があると考えます。
 そこでまず、高齢者医療に求められる医療のあり方について病院長の考えをお聞かせください。
 最後に、総合病院の経営についてお尋ねいたします。
 最近、病院再編や医療制度改革、診療報酬改定など、連日の報道のあるところでありますが、いずれもこれから本格的な議論が行われるものと思われます。
 さて、総合病院の経営状況でございます。
 平成30年度決算を見てみますと、経費は増加傾向であるものの、入院収益が診療報酬改定によりプラスに作用したことや、DPC、機能評価係数の改善などにより診療単価が上昇したことなどから、2年連続の黒字となったところであります。
 このこと自体は喜ばしいことであり、病院の経営努力も評価するところでありますが、危惧もないわけではありません。
 例えば病院耐震化整備事業、総合情報システム、先進医療機器の減価償却費であるとか企業償還金の負担、あるいは本年10月からの消費税引き上げによる影響など、楽観的な要素もあるものと考えております。
 特に私が個人的に心配をしているのは、前出の診療単価と患者数の関係であります。入院単価を見てみますと、平成27年度は4万6,922円でありましたが、令和元年度が10月末までの実績で5万718円となっており、ここ数年で8%以上の上昇となっております。
 同様に、外来単価では平成27年度が1万2,998円、令和元年度が同様に10月末実績で1万5,076円となっており、約16%の上昇となっております。
 一方で、1日当たりの入院患者数は平成27年度実績が367.4人でしたが、令和元年度が10月末までの実績で362.5人となっており、前年度に比べると約1.3%の減。同様に、1日当たり外来患者数も、平成27年度実績が963.5人であり、令和元年度が同様に10月末実績で896.8人と、約6.9%の減少となっているものであります。
 これらのことから、黒字を支えている大きな要因の一つは診療単価の上昇に支えられていると言ってもよいのではないかと考えられます。
 患者数の減は、健康センターなど健康診断や未病対策からの大きな功績であるのかもしれませんし、単純にそのことを非難するものではありません。
 お聞きいたしているところでは、令和元年度の9月末までの病院収支は黒字とのことですが、前年度同期に比べるとその黒字額は減少しているようであります。
 そこで、総合病院の経営状況と今後の見込みについてをお尋ねいたしまして、今回の質問を終えさせていただきます。
○議長(島崎清孝君) 答弁を求めます。
 病院長 河合博志君。
 〔病院長 河合博志君 登壇〕
○病院長(河合博志君) 私からは、砺波総合病院についての御質問のうち、まず1点目の高齢者に対する医療のあり方についての御質問にお答えいたします。
 高齢者は、若年者であれば一過性に終わるような疾病、例えば腰痛や肺炎であっても、それを契機として、日常生活機能低下などによりQOL(生活の質)の低下が生じやすくなります。
 一度日常生活機能が低下を来すと完全な回復を期待することは難しいため、日ごろから適切な栄養管理、転倒予防、ワクチン接種、口腔管理などを行い、疾病を予防することが大切であると考えております。
 また、疾病に罹患した場合でも、早期離床を図るとともに、機能回復のためのリハビリテーションを早期から行い、日常生活機能の補助を図ることが重要であります。
 さらに、高齢者が生活の場として快適である場所、QOLを最も高く維持できる場所で可能な限り長く過ごせるように、医療、介護、福祉による総合的なケアを目指し、仮に入院治療が必要になった場合においても、生活の場に早く戻ることを目標として、早期から退院支援を十分に行うことが重要と考えております。
 次に、高齢者に対する薬物療法に配慮すべき点につきましては、高齢者では薬物により有害事象が起こりやすく、原則的に少量から投与を開始し、薬物に対する反応や有害事象をモニタリングしながら増量していくこと。多剤併用にあっては、よきせぬ相互作用や有害事象の危険性が高くなるため、可能な限り多剤併用は避けるべきであります。
 また、高齢者に対して有害事象を起こしやすい薬物であれば、それらの薬の適用に関しては特に慎重に扱うよう考慮すべきであると考えております。
 次に、2点目の砺波総合病院の経営状況と今後の見込みについての御質問にお答えいたします。
 入院につきましては、診療費の計算をDPC、すなわち包括医療支払い制度によって行っており、疾病ごとに在院日数が全国平均となるような医療を提供することにより収益が上がる仕組みとなっております。
 このため、当院では診療プロセスの見直しを行い、より短い入院日数でこれまで以上の医療の提供に努めてきた結果、延べ入院患者数は減少するものの、診療単価は上昇しているものであります。
 課題といたしましては、新入院患者数、日々新たに入院する患者数が入院日数の短縮に伴う延べ患者数の減少に追いついていない点であります。
 新入院患者数が増えていない原因につきましては、議員が御指摘の健康診断や未病対策が功を奏していると考えられるほか、従来はおなかを切って行っていた手術が、今は内視鏡を使って入院せずに治療が行われるなど、新たな医療技術の導入によって入院から外来へ治療がシフトしていることも要因と考えております。
 さらには、病院完結の医療から地域完結の医療へシフトしていることから、従来は入院していたケースであっても、今は自宅や入所先の施設への訪問診療で済んでいる場合があるのではと考えております。
 次に、外来につきましては、診療所などのかかりつけ医へ逆紹介していることから、外来患者数は減少しているものです。これは地域包括ケアシステムの実現に向けて、診療所などのかかりつけ医との機能分化を行っているためで、このことにより、医師の外来医療に係る負担が軽減され、急性期病院として医師はより入院医療に注力できることになります。
 外来の診療単価につきましては、近年、新規抗がん剤を初め、高額な医薬品の外来での使用が増えているため、単価を上昇させているものであります。
 次に、費用である減価償却費につきましては、建物の附属設備の償却が令和2年度で終了することから、令和3年度から約3億円が減少いたします。しかしながら、今後も建物の空調設備や外壁、防水改修などを中期修繕計画として、令和2年度からおおよそ10年間をかけて約10億円の修繕工事を行うことから、これによる減価償却費の増加が見込まれるほか、高額医療機器の更新も順次控えており、今後の設備投資は余裕がない状態となっております。
 また、企業債償還金につきましては、今ほど説明いたしました建物の空調装置等の修繕工事がありますので、令和2年度から現在の電子カルテシステムの償還が終了する令和5年度までの間、毎年2億円程度の増加を予定しております。
 なお、本年10月の消費税引き上げの影響につきましては、年間約6,000万円の負担増と見込んでいるところでありますが、同時に消費税の負担分を補塡するため診療報酬改定が行われており、増加する負担分と診療報酬の増収分はほぼ同額になるものと考えております。
 このような状況を加えまして、令和2年度からは、新たに会計年度任用職員制度による給与費の負担増もあることから、今後の収支見込みにつきましては大変厳しいものと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(島崎清孝君) 6番 山田順子君。
 〔6番 山田順子君 登壇〕
○6番(山田順子君) 議長よりお許しをいただきましたので、通告に従い、大きく3つの項目について質問と提案をさせていただきます。
 まず大きい項目の1、安全で安心なまちづくりの推進についてお伺いいたします。
 近年、全国で登下校中の児童が巻き込まれる事件が多発しており、保護者を初め市民の不安感が大きく広がっているところであります。不注意による交通事故や加害者の身勝手な感情で起きる殺傷事件は決して許されるものではなく、幼い命が消えていくのが残念でなりません。社会が、大人がどうしたら子どもたちの大切な命を守れるか、真剣に考えなければならない必要があると考えます。
 今、安全・安心と思われていた砺波市でも、観光、大型店舗の進出や交通網の整備等により交流人口も増え、スーパー銭湯での事件や、7月20日の大門地内での路上強盗発生など、凶悪な事件も発生しています。
 そこで、小項目の1、道路への防犯カメラの設置推進についてお伺いいたします。
 小学校の通学路の見守り活動については、PTA、老人会、地域の方々による巡回ボランティアで、また、一部の地区では青パトでも見守りされています。しかし、昨今、東京都など都会では、子どもたちを守るため、通学路に防犯カメラの設置が推進されています。富山市でも、安全なまちの実現につなげたいとして、暮らしの安全・安心の確保と体感治安の向上を目指し、通学路など市内130カ所に防犯カメラの設置に取り組まれています。
 砺波市の防犯カメラの設置については、学校以外は駐車場や公園等の施設に27台設置されていますが、道路には設置されていません。
 砺波市でも、例えば小学校区に1台以上の設置をして、交通事故や犯罪などから子どもたちを守るためや市民の安全確保のため、状況を考慮しながら防犯カメラを設置することを検討すべきと考えますが、黒河福祉市民部長にお伺いいたします。
 次に、小項目の2、県警の防犯カメラレンタル事業の継続設置に対する補助の実施についてお伺いいたします。
 6月議会でも質問させていただきましたが、今、富山県警本部では、昨年10月からスタートした地域防犯設備効果体感事業、防犯カメラのレンタル事業でございますが、これを町内会に対して推進されており、県内多数の町内会等で、第1期、2期、合わせ54台の貸し出しをされています。
 第1期では、貸し出した28カ所中25カ所が通学路を含む場所に設置され、20カ所で継続設置されています。
 砺波市では、1期目は1地区2台、2期目は6地区8台、本年度下期からの3期目は2地区3台が設置され、そのほとんどが通学、通園路となっています。
 富山市初め7市町村等では独自の補助制度もあり、特に朝日町は全額負担されており、継続設置負担をかなり軽減できます。
 砺波市でも、子どもたちや市民の安全・安心確保のために、通学路等への防犯カメラの設置に努めるべく、この事業に応募された全ての自治会に対する補助の実施を早急に考えていただきたく、黒河福祉市民部長にお伺いいたしまして、大項目1の質問を終わります。
○議長(島崎清孝君) 答弁を求めます。
 黒河福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 黒河英博君 登壇〕
○福祉市民部長(黒河英博君) 私からは、まず1点目の道路への防犯カメラと設置推進についての御質問にお答えいたします。
 本市では、これまで砺波警察署と協議し、犯罪の発生件数が多いJR砺波駅周辺施設などの公共施設や学校等に防犯カメラを設置してまいりました。
 また、昨年の10月からは、富山県警察が地域防犯設備効果体感事業として、防犯カメラのレンタル事業を推進されております。
 この防犯カメラのレンタル事業は、自治会等の単位で申請していただく場合に、半年間、無償で防犯カメラの貸し出しを受けられるというものであります。
 防犯カメラを体感された地区では、犯罪の未然防止や犯罪捜査の立証の面で有効であり、地域の防犯対策においてその効果が期待できるものと判断され、全ての小学校区の通学路等に防犯カメラが継続して設置されております。
 通学などの道路への設置につきましては、今後、市防犯協会等防犯関係の方々や小学校の通学路において道路などの危険性が高い箇所の点検の機会等を捉えて御意見を伺いながら、交通事故や犯罪などから子どもたちを守るため、そして市民の安全確保のために防犯カメラの設置について検討してまいりたいと考えております。
 次に、2点目の県警の防犯カメラレンタル事業の継続設置に対する補助の実施についての御質問にお答えいたします。
 防犯カメラは犯罪の未然防止や犯罪捜査の立証の面で有効であり、地域の防犯対策においては、その効果が期待できるものと考えております。
 1点目の御質問でお答えしましたとおり、富山県警察が実施している地域防犯設備効果体感事業につきましては、市内でも既に柳瀬地区や出町地区など9地区で計13台の防犯カメラを体感されております。
 ただし、この事業は、防犯カメラを体感してもらうことが主たる目的であることから、防犯カメラの設置場所等については明確な基準がなく、市が防犯カメラ設置に対して補助金を創設する場合には、設置場所等についての基準が必要であると考えております。
 また、県では、今年度から防犯カメラの設置費用の一部を補助する住宅街等防犯設備緊急整備事業費補助金制度を2年間限定で実施しており、県の補助制度が終了した後も2年間、県警の防犯カメラレンタル事業が続くことになります。
 一時的な県の補助制度に合わせて補助制度を創設した場合、既に購入した自治会と今後レンタルを考えている自治会との対応に違いが生じることが懸念されます。
 県の補助制度につきましては、1地区につき防犯カメラの設置費用として10万円を上限として補助するというものであり、既に5地区において7台の防犯カメラの継続設置に活用されており、その周知にも努めてまいりたいと考えております。
 現状といたしましては、県警の防犯カメラレンタル事業の継続設置については、既に設置されました自治会では、地方創生交付金等の交付金を活用された例もありますので、参考にしていただきたいと考えております。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 山田順子君。
 〔6番 山田順子君 登壇〕
○6番(山田順子君) 次に、大きい項目の2、市民がいつまでも健康で質の高い生活を送るための支援の充実についてお伺いいたします。
 今や日本は世界有数の長寿国となり、高齢化率28.9%、特に富山県は全国を上回る速さで高齢化が進んでおり、富山県の高齢化率は2020年度には32.8%に達し、砺波市でも30.9%となると予測されていて、認知症の高齢者、ひとり暮らし世帯、老老世帯も年々増加しています。
 市民が安心かつ充実した生活を送るためには、治安の維持やインフラの完備も必要ですが、加えて、各個人個人が心身ともに健康であることが不可欠であると考えます。
 今、寿命については、男性で80.94歳、女性87.42歳となっていますが、自立して生活ができる健康寿命については、男性72.58歳、女性75.77歳とされ、男性について8年間、女性について12年間は何らかの制限がある生活を送っているとされます。
 寿命を長らえることを優先しつつ、人が人らしく生きるためには、充実した生活が送れる健康寿命をできる限り延ばし、不健康な期間を可能な限りなくすることが必要であると考えます。
 そこで、まず小項目の1、介護予防に関する砺波市の取り組みについてお伺いいたします。
 介護が必要となった主な要因を見ますと、認知症、脳血管疾患、いわゆる脳卒中、高齢による衰弱、骨折、転倒、関節疾患の順に多くなっています。特に要支援や要介護1、2の原因を見ますと、高齢による衰弱や骨折、転倒が多く、筋力などの身体機能が低下していることの対策が重要となっています。
 一方、政府は来年度の予算案で、介護の予防や自立支援に成果を上げた自治体により手厚く配分する交付金を、現在の2倍の400億円へ大幅に拡充させることといたしました。
 そこで、小項目の1のア、来年度の交付金改正への対応についてお伺いいたします。
 本年度の実績で、富山県分は2,915万8,000円、県内の市町村分は1億9,867万1,000円でしたが、来年度はこの枠が倍増するというものです。
 高齢者の要介護度の変化や、身近な地域で体操や趣味を楽しむ通いの場の参加者数、リハビリ専門職の関与など、市区町村向けに65項目の評価指標に基づいて実績を評価して各自治体への配分額が決められ、積極的に取り組む自治体への配分をより手厚くし、消極的な場合は減らす仕組みに改められるとのことです。
 この保険者機能強化推進交付金について、砺波市では今年度どの程度交付を受けどのように活用されたのか、医師会等の医療関係団体や医療機関との連携がされているのかどうか、さらには、せっかく拡充された交付金制度を最大限活用すべく対応ができているのか等、砺波市の現状と来年度に向けての取り組みを黒河福祉市民部長にお伺いいたします。
 続きまして、小項目1のイ、来年度から始まるフレイル健診とフレイルへの適切な対応についてお伺いいたします。
 医療保険制度の適切かつ効率的な運営を図るため、市町村において、高齢者の保健事業と介護予防を一体的に実施する枠組みの構築等を目指し、医療保険制度の適切かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律が制定され、一部の規定を除き、令和2年4月1日から施行いたします。
 この法律改正に基づき、厚生労働省からは、来年度から75歳以上の後期高齢者を対象にしたフレイル健診を全国の市町村で導入することとしております。
 フレイルとは、筋力などの身体機能が低下し、心身ともに弱ってきた状態を指し、介護が必要となる手前の段階と言えます。75歳以上で大きく増え、全国で350万人の高齢者が当てはまると推計されています。
 健診では、半年間で二、三キロ以上の体重減少があったか、1日3食をきちんと食べているか、ふだんから家族や友人とつき合いがあるかといった15の質問に答えてもらい、フレイルかどうか判断するものです。
 従来の介護予防は主に運動機能の回復に重点を置いていますが、フレイル健診は、生活習慣や社会的な活動状況なども調べ、より多面的に心身の衰えの原因を探るのが特徴と言えます。
 特に高齢者のフレイルは、生活の質を落とすだけでなく、さまざまな合併症も引き起こす危険があります。高齢者が増えている現代社会において、フレイルに早く気づき、正しく治療や予防をすることが大切です。
 高齢者の健診データをもとに健康状態を把握した上で、運動などの助言や、必要であれば医療受診を勧めることが何よりも重要であると考えます。
 そこで、フレイル健診の実施に向けた保健事業と介護予防の連携など体制整備も必要と考えますが、フレイル健診とフレイルへの適切な対応について、砺波市の取り組み方針と計画について黒河福祉市民部長にお伺いいたします。
 続きまして、小項目1のウ、誰もが生き生きと暮らせるまちづくりについてお伺いいたします。
 生涯を通して健やかに安心して住みなれた地域で生き生きと生活していくことは、市民誰もの願いです。
 急速な少子高齢化社会を迎える中、誰もが自分らしく生き生きと暮らすことができ、個性や特性を認め合いながら、互いに支え合う自立と協働による地域社会の実現が求められています。
 人が人として充実した生活を送るためには、心身が健康であることが基本です。健康な心身を維持するためには、適度な運動、ほどよい食事、過剰なストレスの防止、生活意欲の維持の4つのことが必要とされています。しかしながら、それらは必ずしも個々人で調達できるものではないことから、住民の福祉を担う砺波市としては、これを支援するため、積極的かつ早急に適切な取り組みを実施する必要があります。
 その取り組みについて、1つ目は運動施設、用具の充実があります。体育館を市民が利用しやすいように運営し、高齢者にもできて体機能の維持向上に資する適度な負荷をかけることができる運動を提案し、用具を準備することを提案いたします。
 2つ目には、就業環境の充実があります。
 定年等で職場を後進に譲った人たちがその後も生きがいを持って生活を送れるよう、先般閣議決定されました一億総活躍の環境づくりを砺波市においてもする必要があります。具体的には、社会参画を望む高齢者がより円滑に入っていける就業環境の整備を充実させる必要があると考えます。
 3つ目には、生活環境の充実があります。
 心の健康と意欲の醸成のため、頭と体を適度に使ってグループで遊べるアイテムを整備し、提供されてはいかがでしょうか。
 また、おじいちゃん、おばあちゃんの知恵を子どもたちに伝える環境を整備し、地域文化を伝承するとともに、高齢者が自分が役に立っているという意識を持つことで生活に張り合いを持っていただいてはいかがでしょうか。
 4つ目には、高齢者の体に合った健康食の普及があります。
 食事の面からの健康維持のため、管理栄養士が監修して、産地の食材を多用した安価かつ簡単なメニューを継続して提案し、周知していただきたいと思います。
 以上、高齢者や障害者に配慮し、全ての市民が誇りと希望を持って暮らし続けることができるよう、医療、介護、福祉、健康の充実した、人にやさしいまちづくりを目指すことを提案いたしたく、黒河福祉市民部長の考えと方策をお伺いいたします。
 次に、小項目の2、認知症予防に関する砺波市の取り組みについてお伺いいたします。
 認知症予防の活動として、運動不足の改善、糖尿病や高血圧症等の生活習慣病の予防、社会参加による社会的孤立の解消や役割の保持等が認知症の予防に資する可能性が示唆されています。
 認知症を有する人を初め、高齢者の中には、これまでの経験を生かして活躍したいとの声が少なくありません。
 市による農業、商品の製造販売、食堂の運営、地域活動等の社会参加に対する支援をしたり、社会参加活動に当たり専門家を派遣する等、より活動に必要な助言や十分なノウハウを有していない人に対する技術、専門知識の指導・助言をする制度を設けたり、マルシェ等イベントの開催を支援したりするほか、社会参加活動に関する好事例を収集し関係者で共有するなどの意識啓発をしてはいかがでしょうか。
 また、日々の生活で実践できる認知症予防の取り組みについては、健全な食生活の維持、スポーツ、楽器など体を使う活動の推進、人とのコミュニケーションがあります。
 また、高塩分は、高血圧による動脈硬化により脳血管性認知症のリスクを高めます。これらの原因となる糖質、塩分を控え目にしておくことが間接的に認知症を予防します。
 多くのものをバランスよく摂取することや適切な運動は、生活習慣病からの認知症発生リスクを下げるだけでなく、脳を含めた全身の血行を改善することが期待されます。
 運動ではなくても、楽器の演奏や編み物などの手芸、料理などの手作業など、体の一部を使う活動を通して脳を活性化できる生活習慣も効果的です。市として、このようなことを市民にしっかり周知、啓蒙することはとても大切だと考えます。
 認知症予防に係る砺波市のこれまでの取り組みと来年度に向けての方針を黒河福祉市民部長にお伺いいたしまして、大項目2の質問を終わります。
○議長(島崎清孝君) 答弁を求めます。
 黒河福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 黒河英博君 登壇〕
○福祉市民部長(黒河英博君) 私からは、1点目の介護予防に関する取り組みについてのうち、まず来年度の交付金改正の対応についての御質問にお答えいたします。
 介護保険の保険者機能強化推進交付金、いわゆる介護インセンティブ交付金につきましては、平成29年の改正介護保険法で、高齢者の自立支援・重度化防止に向けた自治体への財政的インセンティブとして制度化され、PDCAサイクルに沿って、保険者である一部事務組合等を含む市町村の介護予防等への取り組みや都道府県による保険者支援の取り組みを評価するもので、今年度は、市町村分190億円、都道府県分10億円の計200億円が充てられております。
 今年度の評価結果につきましては、市町村分692点満点中、全国平均が428点のところ、本市は501点と全国平均を上回っており、本市分といたしましては、保険者である砺波地方介護保険組合に778万円が交付される見込みであり、砺波地方介護保険組合からその全額を介護予防事業の財源に充てるため交付されることになります。
 次に、医師会等医療関係団体や医療機関との連携につきましては、医療、介護等の多職種が協働して、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備等を同時に進めていく地域ケア会議を実施するとともに、砺波医師会へ在宅医療・介護連携推進事務事業を委託し、研修会や相談会等を通して在宅医療の提供体制の充実と在宅医療、介護連携の推進を図っております。
 次に、今後の取り組みといたしましては、国は本年6月21日に閣議決定されました「経済財政運営と改革の基本方針2019」において、全世代型社会保障への改革の一環として、疾病・介護の予防に係るインセンティブ措置の強化を掲げており、本交付金については、自治体による介護予防や自立支援への取り組みがさらに展開されるよう、財源を含めた予算措置を検討し、新年度にはインセンティブ措置の抜本的な強化を図るとしております。
 具体的には、高齢者の身近な通いの場の拡充を重点的に評価していく考えを打ち出しており、本市におきましても、新年度において、いきいき百歳体操等の通いの場の充実強化のほか、介護予防事業による高齢者の自立支援と重度化防止を推進してまいりたいと考えております。
 次に、来年度から始まるフレイル健診とフレイルへの適切な対応についての御質問にお答えいたします。
 介護保険法等の一部改正に伴い、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施が令和2年度から開始されることとなります。
 75歳以上の後期高齢者の保健事業としましては、本市では既に健診事業を富山県後期高齢者医療広域連合から受託し、砺波医師会等の御協力のもと実施しているところであります。
 来年度から始まるフレイル健診では、身体能力が低下し心身が弱る状態、フレイルの人を把握し、要介護になるのを防ぐことを目的に、後期高齢者の健診にフレイルなどの高齢者の特性を把握するための新たな後期高齢者の質問票を導入しようとするものであります。
 各市町村においては、この健診結果を活用し、適切な改善指導をすることを目的とした高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施のための体制整備が求められております。
 この一体的実施では、後期高齢者医療広域連合が域内の構成市町村と協議した上で、連携に関する事項を定め、広域計画に基づいて後期高齢者の保健事業を市町村に委託するというもので、市町村はそれぞれの状況に応じ、5年以内に取り組むこととされております。
 まず、一体的実施で重要とされるのは受託側の市町村の体制であり、国はレセプト、健診情報等を分析し、対象者の抽出や事業の企画調整、支援などを行う保健師等の医療専門職員を各市町村に配置し、それに対する財政支援を行うこととしており、現在、一体的実施に向け、富山県後期高齢者医療広域連合と受託内容や時期等について協議を進めているところであります。
 また、本市では、介護予防として、いきいき百歳体操などの拡充に努めており、さらに、今年度の新規事業である「ほっとなみ ずっと元気プラン事業」として、市の保健師等がいきいき百歳体操の会場で運動機能チェックを行うとともに、必要な人には家庭訪問や短期集中予防サービスを行うことで運動機能等の向上を図っております。
 今後とも、市の健康施策を所管する健康センターと介護施策を所管する地域包括センターの連携を強化し、高齢者の健康と介護予防の推進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、誰もが生き生きと暮らせるまちづくりについての御質問にお答えいたします。
 近年、少子高齢化が急速に進展する中、高齢者や障害者のみならず、誰もが住みなれた地域で安心して住み続けられる自立と協働による地域づくりは喫緊の課題であると考えております。
 中でも、議員御提言の高齢者の運動用具の充実につきましては、庄川健康プラザや北部苑などに、歩行器や昇降台、エアロバイクなどの高齢者向けの運動用具を設置しておりますので、御利用いただければと思います。
 2つ目の社会参画を望む高齢者の就業環境の整備につきましては、近年、企業の雇用延長や再雇用など、高齢者の雇用機会の拡大が進められているところでありますが、市といたしましても、砺波市シルバー人材センターや砺波市社会福祉協議会等とも連携し、地域におけるボランティア活動も含め、高齢者の能力を十分に活用していただけるよう、就業環境の整備等に努めてまいりたいと考えております。
 3つ目のグループ活動や子どもたちに知恵や文化を伝える環境の整備につきましては、高齢者の集いの場であるふれあいいきいきサロンの活用を初め、趣味などのグループ活動や、子どもたちとの地域での三世代交流事業を含めた世代間交流の場として、福祉センター機能の充実に努めてまいりたいと考えております。
 4つ目の健康食の普及につきましては、高齢者に対して栄養面を考慮した配食サービスを実施しているほか、健康センターでは、食生活改善推進員の方々の協力を得て、家庭や地域で料理教室の開催や簡単メニューの紹介をしているところであり、今後とも食の面からの健康の保持増進を図ってまいりたいと考えております。
 高齢者や障害者の方々が住みなれた地域で安心して暮らし続けていただくためには、自助、共助、公助のバランスのとれた地域福祉の推進が重要であります。地域住民の皆さんを初め、関係機関や関係団体の協力もいただきながら、地域包括ケアシステムを推進し、医療、介護、福祉が連携し、健康で充実した「人にやさしいまちづくり」を目指してまいりたいと考えております。
 次に、2点目の認知症予防に関する砺波市の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 高齢者の4人に1人が認知症またはその予備軍になるとも言われるほど、高齢化の進展に伴い、認知症高齢者の数も大幅に増加すると見込まれております。
 本市における本年3月末現在での認知症高齢者数は1,755人で、65歳以上高齢者の12.3%となっております。
 国は、平成27年に認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランを策定し認知症対策を進めてまいりましたが、さらに踏み込んだ対策を検討し、速やかに実行していく必要があることから、本年6月に認知症施策推進大綱が閣議決定をされました。
 その大きな特徴といたしましては、新オレンジプランにも掲げられてきました「認知症の人が暮らしやすい地域づくり」を目指す共生に加え、認知症の予防が重要な柱として設定され、共生と予防を車の両輪として施策を推進していくものであります。
 国によれば、認知症の発症には、加齢や遺伝といった個人の努力ではどうにもならないものがある一方、予防可能とされる因子も存在しているとのことであり、今後の国の予防研究等を注視してまいりたいと考えております。
 さて、本市における認知症予防の取り組みといたしましては、まず、認知症初期の段階からの相談支援体制が重要であることから、認知症初期集中支援チームの充実を初め、認知症地域支援推進員の配置、認知症ケアパスの普及などに努めております。
 さらに、認知症の人が暮らしやすい社会を目指す共生への取り組みとして、認知症サポーターや認知症キャラバン・メイトの養成、ほっとなみ認知症カフェの拡大のほか、徘徊SOS緊急対応システムなどの見回り機能の充実としまして、昨年度から認知症高齢者等見守り模擬訓練にも取り組んでおります。
 また、社会参加の場として、農福連携の推進やシルバー人材センターの活用、栄養対策としまして、健康センターでの生活習慣病予防等のための食生活改善指導、さらに、運動や脳トレの場として、いきいき百歳体操やふれあいいきいきサロン、脳トレ学級等のさらなる推進強化を図るほか、優良活動事例等について機会あるごとに市広報等で紹介してまいりたいと考えております。
 今後とも、認知症の人を単に支えられる側と考えるのではなく、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる共生社会を目指し、認知症高齢者にやさしい地域づくりに努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(島崎清孝君) 山田順子君。
 〔6番 山田順子君 登壇〕
○6番(山田順子君) 続いて、大きい項目の3、新図書館開館に伴う利用者増の提案についてお伺いいたします。
 平成30年度から34年度までの5年間の第三次子ども読書活動推進計画が示され、その中に、書籍のほか、新聞を読み深めることを通じて、自ら学ぶ楽しさや知る喜びを体得し、さらなる知的探求心や真理を求める力が培われるとされています。
 大屋根の下のワンルームの図書館としてのコンセプトのもとに、約24億円をかけ建設中の新図書館の来年11月の開館は私たち市民の期待するところであり、とても楽しみにしています。
 新図書館については、これまでも多くの議員が視察を重ねて質問されましたが、私からは今回、小項目の1、子どもたちの図書館利用を増やすための読書通帳の導入について提案をさせていただきます。
 人々の読書離れの深刻化が嘆かれる昨今ですが、この読書通帳を導入した図書館では、利用者数が全国的に増えているといいます。主に自治体が運営する公共図書館をメーンに導入が進み、現在80カ所で導入されています。読書通帳機を利用することで貸し出し履歴を利用者が自分で読書通帳に記帳し、履歴を目に見える形にすることで読書意欲を促進し、図書館利用を活性化します。
 平成26年2月議会で嶋村議員が導入の提案をされておりましたが、現在はどのように考えておられるのでしょうか。ぜひとも新図書館の開館の機会に導入していただきたく、畑教育委員会事務局長にお伺いいたしまして、私からの質問を終わります。
○議長(島崎清孝君) 答弁を求めます。
 畑教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 畑  進君 登壇〕
○教育委員会事務局長(畑  進君) 私からは、子どもたちの図書館利用を増やすための読書通帳の導入についての御質問にお答えをいたします。
 読書通帳の効果につきましては、議員御発言のとおり、読んだ本の記録が残ることから、読書意欲が高まり、貸し出し冊数の増加、ひいては図書館利用者の増加につながるとされ、導入する図書館も出てきております。
 一方で、預金通帳形式となる読書通帳では、読書通帳そのものの作成や専用印刷機の導入などの費用が必要となります。
 そのため、本市におきましては、昨年7月に図書検索サイト「となみっけ」のシステム改修により、新たに読書通帳にかわる「読書メモ」を印刷する機能を追加いたしました。
 読書メモには、本のデータに加え、本の表紙画像の出力、そして読書感想や通算読書冊数を記入できる欄も設け、読書通帳より多くの記録が残せるものとなっているとともに、図書館内だけではなく、各家庭のインターネットに接続されているパソコンからも気軽に印刷することができるようになっております。
 また、プリントアウトされる紙をとじることで読書通帳となることから、昨年12月には子ども向けと大人向けの2部構成で和とじ製本の方法を学ぶワークショップを開催したところ、受講者には大変好評であり、読書通帳以上の楽しみを提供できるものと考えております。
 今後は、より多くの皆さんに読書メモの機能を知っていただくように努めるとともに、新砺波図書館に設ける展示スペースに掲示いたします読書メモを募集し、読書記録を紹介することで、新たな本との出会いや本と親しむきっかけづくりにつなげ、子どもを初めとする多くの世代の図書館利用を増やしてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(島崎清孝君) この際、暫時休憩いたします。

 午前11時58分 休憩

 午後 1時00分 再開

○議長(島崎清孝君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 通告により発言を許します。
 7番 雨池弘之君。
 〔7番 雨池弘之君 登壇〕
○7番(雨池弘之君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、分割方式による質問と若干の要望並びに提案をさせていただきます。
 まず、第1項目めの地域防災対策についてお伺いします。
 この10、11月の二月の間に、千葉県を初め、東日本ではわずか半日で一月分の降水量が観測され、経験したことのないような暴風雨が吹き荒れた台風15号、19号、さらには21号に伴う記録的な豪雨が重なり、長野県を初め、6県71河川で139カ所の堤防が決壊し、北陸新幹線の車両基地が水没するなど甚大な被害が発生しました。
 また、地球の温暖化による異常気象により、近年、日本では、一昨年の九州北部豪雨、昨年の西日本豪雨と、立て続けに激しい豪雨災害が起きています。
 日本は自然災害大国であり、昔は「災害は忘れたころにやってくる」と言われていましたが、今はいつどこで災害が起こっても不思議ではありません。
 ところで、砺波市では、毎年、砺波市総合防災訓練を各地区持ち回りで、その都度想定を定め、訓練を実施されています。
 加えて、昨年の8月末には、集中豪雨や台風などにより全国的に発生している土砂災害を受け、県内で初めて自力避難が困難な高齢者等を対象に、市が避難支援バスを運行する災害避難訓練が実施されたところ、9月4日には台風21号の接近に伴い、砺波市で初めて「避難準備・高齢者等避難開始」が発令され、市内4地区を対象に3カ所の避難所が開設されたのであります。
 また、今年も台風19号の発生により、10月12日午前7時に、栴檀野、栴檀山、雄神、東山見地区に対し、警戒レベル3により「避難準備・高齢者等避難開始」が発令され、昨年と同じく市内4地区で3カ所の避難所が開設され、最大で36名の方々が避難されたのであります。
 そこで、来年は、庄川地域で市総合防災訓練を実施されると聞いていますが、どのような想定で、どのような訓練を考えておられるのか、今井企画総務部長にお伺いします。
 次に、過日、清渓セミナーで大西熊本市長の「被災自治体からの提言 熊本地震の経験から」を受講してきました。その中で、経験と教訓として「露見した公助の限界」として、日ごろよりマニュアルに沿って訓練を実施されていたが、いざ災害が発生したら、職員の参集がその翌日の午前8時までに4割であり、支援体制が不備で計画どおりの対応はとれなかったとありました。
 そこで、砺波市では、地域防災計画及び砺波市業務継続計画(BCP)等に基づき、水害、雪害、風害等の場合はタイムラインに沿って支援体制をとっておられると思いますが、地震等、緊急の災害が発生したときの職員体制について、どのように検討されているのか、今井企画総務部長にお伺いします。
 次に、食糧・生活必需品等支援物資の輸送を含めた受援体制についてお伺いします。
 熊本地震では備蓄品が避難所に届かない、ピーク時には100台の車がつながり、最大8時間待ちで備蓄品が計画どおりにいかなかったため、輸送等の改善策として、職員による配送を行う特命隊の配置、レンタカー協会との協定により車両の確保が考えられるとありましたが、本市では緊急時における各避難所に対する食料、生活必需品等支援物資の輸送を含めた受援体制について、今井企画総務部長にお伺いします。
 次に、避難所の運営についてお伺いします。
 熊本地震における避難所の問題として、不十分な多言語化への対応、ペットの衛生面や鳴き声によるトラブル、特別な配慮を要する避難者への対応等があったとあります。
 ところで、本市には、ベトナム、中国、フィリピン、ブラジル等、24カ国635名の外国の方々が住んでおられるとあります。そのため、市民課、社会福祉課等の窓口では、1台のタブレット端末の多言語音声翻訳アプリで対応されていますが、熊本地震では押し寄せる外国人の方々に対し、十分な対応ができなかったとあります。
 さて、警視庁では、2020年の東京五輪・パラリンピックで増加が予想される外国人に対し、携帯型端末に翻訳アプリを導入するとあります。富山県でも外国人住民の急増を受け、74カ国語に対応できる通訳機「ポケトーク」を中央病院や厚生センター、消費生活センター等に72台配備するとあり、費用は225万円とあります。また、滑川消防署でも県内で初めてスマホ翻訳アプリを導入したとあります。
 そこで、本市でも、いざというときに備え、多言語に対応したタブレット端末の音声翻訳アプリの増設やポケトークの導入を提案するものであります。今井企画総務部長にお伺いします。
 なお、昨年から、緊急速報メールを英語で配信されたことは評価するものです。
 次に、災害時の避難所の環境改善についてお伺いします。
 各地で被害が相次ぐ中、避難所の環境改善に取り組む自治体が増えているとあります。
 ところで、今年の台風19号の発生により、市内4地区を対象に3カ所に避難所が開設され、庄川健康プラザには栴檀山、東山見地区の19名の方が避難されたのであります。その折に、ベッドを要望される方があり、早速備えつけの段ボールベッドを組み立て、活用していただきました。
 これも平成30年9月議会での山本篤史議員の質問に対し、防災資機材の購入に段ボールベッドを加えることを検討するとされ、昨年の姉妹都市支援としてむかわ町への職員派遣の経験を生かし、いち早く対応されたことが今回の避難所に間に合ったものであり、評価したいと思います。
 そこで、今後の段ボールベッドの配置計画や各地区への推進方法などについて、今井企画総務部長にお伺いします。
 次に、液体ミルクの備蓄についてお伺いします。
 砺波市では、災害救助物資等の備蓄として、粉ミルク、紙おむつの大小等が備えられていますが、今年3月から国内での店頭販売が始まった国産の液体ミルクは、消毒した哺乳瓶に注ぐだけで、お湯や水に溶かす必要がなく、また常温保存ができることから、近年、備蓄品として備える自治体が全国的に増えてきているとあります。
 なお、富山県内で備蓄品として備えている市町村は今のところはありませんが、先駆けて備えられてはいかがでしょうか。今井企画総務部長にお伺いし、第1項目めの質問を終わります。
○議長(島崎清孝君) 答弁を求めます。
 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 私からは、地域防災対策についての御質問に一括してお答えをいたします。
 それでは、まず1点目の来年の総合防災訓練についての御質問にお答えをいたします。
 本市が実施する砺波市総合防災訓練につきましては、市内21地区を7ブロックに分け、毎年そのブロック単位で順に実施をしております。
 そのメーン会場ではその時々に重点的な訓練を行うほか、関係機関等による展示や体験、さらには防災スタンプラリーを行うなど、防災全般における啓発も行い、誰もが参加していただけるよう配慮をしております。
 これらの基本的な方針のもとに、過日、関係地区と協議をさせていただいた結果、令和2年度の砺波市総合防災訓練につきましては、9月27日に庄川4地区のブロックにおきまして、種田地区をメーン会場として行うことといたしまして、その準備に着手したところであります。これまで同様に、訓練の実施日を「砺波市防災デー」と位置づけた上で、市民誰もが気軽に参加できる「市民一斉シェイクアウト訓練」も継続して実施したいと考えております。
 また、被害想定につきましては、本年10月の台風19号による甚大な被害を初め、近年、集中豪雨や台風等の大雨による災害が全国的に多発していることから、庄川の洪水氾濫と山間部の土砂災害を前提として設定し、水害と土砂災害対策に重点を置いた訓練とする予定であります。
 具体的な内容につきましては、今後、地区の実情に合わせ、それぞれの自主防災組織や防災士の方々からの要望も伺いながら決定してまいりたいと考えておりますが、庄川地域の一部におきましては、本年10月と昨年9月に警戒レベル3「避難準備・高齢者等避難開始」を発令し、実際に避難所の開設と運営を経験されていることから、そのときの問題点や改善を要する点につきましても改めて検証いたしまして、今後の取り組みに生かしてまいりたいと考えております。
 また、本年3月の洪水ハザードマップの改訂内容について周知を図るとともに、早期の避難行動をテーマとした取り組みを進めたいと考えており、種田地区では、既にJAとなみ野やとなみの工業と災害時における避難所施設としての使用に関する協定を締結され、また、過日、青島地区でも、道の駅庄川の利用に関しまして、庄川峡観光協同組合及び庄川開発株式会社と同様の協定を締結されたことから、訓練に際しましては、これらの企業等の御協力もいただきながら、民間事業所との連携による住民避難訓練など、関係機関・団体及び地区自主防災組織等との連携を重視した実効性のある総合防災訓練とする方針であります。
 次に、2点目の地震等緊急時の職員体制についての御質問にお答えをいたします。
 平成28年4月に発生した熊本地震では、最大震度7を観測し、特に2回目の震度7の本震が午前1時25分に発生したことから、職員参集は困難をきわめ、加えまして、市庁舎や避難所の被害も多数あったため、初動対応に遅れを生じたと指摘をされております。
 本市では、このことを教訓に、地震という突発的な災害にも対応できる体制の構築が重要と考えまして、平成29年度に全庁横断的な組織体制により、3回にわたるワーキング作業を経て、平成30年3月に砺波市業務継続計画を策定し、その中で改めて市職員の参集基準を明確化するとともに、非常時優先業務と一時休止業務などを選別するなどして、災害時であっても的確に一定の業務が継続できるよう定めております。
 そこで、まず職員の配備体制につきましては、震度4の地震発生時には第1非常配備といたしまして、総務課長、防災の担当者などが参集し、情報収集や連絡活動に当たっております。
 震度5弱もしくは5強の場合には第2非常配備といたしまして、企画総務部長を本部長とする災害警戒本部を設置し、各課の職員及び地区連絡員は2名以上参集することとなっております。
 震度6弱以上の地震が発生した場合には第3非常配備といたしまして、市長を本部長といたします災害対策本部を設置の上、全職員が参集して情報収集、連絡活動及び応急対策業務などに当たることとしており、実施業務に関しましては、非常時優先業務を順次実施するよう定めております。
 なお、市長が不在の際も業務継続が必要であることから、その職務代行第1順位は副市長、第2順位は企画総務部長、第3は建設水道部長、第4は福祉市民部長、第5は商工農林部長と規定しているものであります。
 また、本計画におきましては、勤務時間外の職員の参集につきましても、あらかじめ予測しておく必要があることから、出先機関を除く正規職員全員について、一定の基準に基づく部署別の参集可能職員数を推計しております。
 この推計方法につきましては、あえて参集率が低いと想定されます冬季におきまして、積雪深が30センチメートル状態、それで日曜日の午前6時、そこに地震が発生したことを想定いたしまして、交通機関、ライフラインが寸断され、徒歩による参集を前提条件としております。その推定の結果、全職員中1時間以内での参集率は24.5%、3時間以内では48.5%、24時間以内では57.1%であり、また約5%は職員自身が被災し登庁できないことを想定しており、これらの限られた人員による業務を遂行するための資料としております。
 加えて、本市におきましては、全職員が市緊急メールに登録するほか、所属ごとに緊急時連絡先を記載いたしましたポケットマニュアルを作成し、休日、夜間も含めた連絡体制の確保に努めております。
 次に、3点目の食糧・生活必需品等支援物資の輸送を含めた受援体制についての御質問にお答えをいたします。
 本市の災害時における生活物資や災害備蓄品等の搬送体制につきましては、先ほどの御質問でもお答えいたしました業務継続計画の中で全庁的に取り組む業務の一つとして位置づけまして、食料及び生活必需品等は応急物資支援班、そして飲料水は上下水道班の所管としております。
 これに基づきまして、市の総合防災訓練では、応急物資支援班及び上下水道班ともに、実際に複数の組編成と車両によりまして、一斉に数カ所の避難所へ物資を搬送する訓練を実施し、災害時に備えているところでございます。
 しかしながら、大規模な災害の発生時には、市職員だけで全てに対応することは困難であると考えており、関係機関や団体、企業、他の自治体、ボランティアなどの協力を得て対応を行う受援体制を整えることが重要となってまいります。
 このことから、市では、既に災害時支援協定を締結しております、イオンリテール株式会社近畿・北陸カンパニーとは、平成29年度と平成30年度の市総合防災訓練におきまして、支援物資の要請を行ったときの想定に基づき、実際に社員の方々に直接支援物資を避難所へ搬送していただく訓練を実施しております。また、大和トランスポート株式会社とは、本年9月の市総合防災訓練におきまして、道路の寸断により救援物資の陸上での搬送が困難であると想定し、実際にヘリコプターによる物資搬送を行う連携実働訓練を実施いたしまして、受援力の向上訓練に努めているところでございます。
 また、平成28年度に県と合同で実施いたしました訓練では、県が指定地方公共機関に指定している富山県トラック協会と連携いたしまして、議員が紹介されました大型車両による特命隊の支援物資搬送訓練も行ったところであります。
 なお、本市といたしましては、昨年度、県が富山県受援計画を策定したことを受けまして、現在、砺波市受援計画の策定を進めているところであり、引き続き災害時の受援体制の充実と強化に鋭意努めてまいりたいと考えております。
 次に、4点目の避難所の運営についてのうち、まずタブレット端末の音声翻訳アプリの導入についての御質問にお答えをいたします。
 議員御発言の本市における無料音声翻訳アプリをインストールしたタブレット端末や、警視庁や富山県の通訳機などの導入につきましては、それぞれが近年の外国人住民や観光客などの増加を受けて、通常の窓口業務や観光案内を支援する目的で導入されているものであり、災害時の避難所での必要数を導入されているものではございません。本市におきましても、通常の窓口業務では既に導入しておりますが、避難所で使用するための機器整備は、現在のところは考えておりません。
 しかし、言語が通じない外国の方は災害時の要配慮者であり、災害発生時直後において、まずは正確な避難情報をいち早く伝えることが重要であることから、昨年度におきまして、新たに緊急速報メールの英語版を発信する形で、プッシュ型の情報提供を開始したところであります。
 一方で、例えば、スマートフォンやタブレットをお持ちの方であれば、あらかじめダウンロードしてあれば、通信が途絶えた環境でも利用が可能な音声対応型翻訳アプリケーションが複数存在することを広く紹介いたしましたり、また、企業研修労働者の方であれば、各事業所等に日本での生活支援を行う担当者がおられますので、その方へ避難情報や避難所での不都合をつなぐといった支援などをしてまいりたいと考えております。
 なお、地域防災計画における避難所での外国人への援護対策といたしましては、被災した外国人に必要な物資や通訳などのニーズを把握するため、相談体制を整備すると定めており、平成28年度に県と合同で実施いたしました防災訓練における災害多言語支援センターの設置・運営訓練での経験を生かしながら、関係機関と連携してまいりたいと考えております。
 次に、段ボールベッドの配置計画や各地区への推進方法等についての御質問にお答えをいたします。
 本市での段ボールベッドの導入につきましては、昨年9月の姉妹都市むかわ町での災害支援の際に、現地の方々から段ボールベッドは暖かくて衛生的である、体への負担が少ないなどの利点をお聞きしたことから、直ちに導入の検討を進め、昨年11月にパッケージメーカーでありますサクラパックス株式会社と災害時における緊急用資材の供給に関する協定を締結いたしまして、避難所への供給を可能としたものであります。
 そこで、御質問の今後の配置計画でありますが、段ボールベッドは一度に大量の段ボールベッドを備蓄しようといたしましても、相当の保管スペースを必要とすること、また、長期保管により湿気を帯びて、その強度が低下するような懸念がございます。
 したがいまして、現在の協定に際しましては、災害時に市が段ボールベッドをサクラパックス株式会社へ要請した際に、仮に同社の県内工場が被災された場合でありましても、全国の提携工場から迅速かつ円滑に避難所等への供給が可能な体制を確認しておりますことから、大量備蓄を行う必要がないものと考えております。
 なお、本年10月の台風19号によります警戒レベル3「避難準備・高齢者等避難開始」の発令の際には、県内市では、本市のみが実際に避難所におきまして段ボールベッドを活用しており、その際の使用実績を考慮いたしますと、市としての備蓄の必要数は約50台程度であると考えております。
 また、実際の避難者用とは別に、発災時の避難所の運営主体は自主防災組織の皆さんであり、その取り扱い方に使いなれておくことが必要であることから、市の防災訓練を初め、各地区で実施される訓練への貸し出しなど、地区訓練用といたしまして、さらに約50台程度、合わせまして、合計100台程度は市による備蓄が必要であると考えており、今後ともその充足に努めてまいります。
 なお、一部の地区自主防災組織からの自主的な備蓄の御希望もありまして、本年6月に全地区を対象に購入について照会をいたしましたところ、約半数の11地区におきまして購入希望があり、既に希望地区への搬入を終えているところでございます。
 次に、液体ミルクの備蓄についての御質問にお答えをいたします。
 災害時に水を使用しない液体ミルクにつきましては、富山県内の自治体では、現在のところ災害用には備蓄されている例はございません。
 お湯による調乳の手間がなく、常温での保存が可能な点など、災害時においては粉ミルクよりも有用性が高いことは認識してはおりますが、その反面、保存期間が6カ月から長いもので1年程度と、粉ミルクよりも短いこと、また価格でもかなり高額であること、さらには、一度開封すると、なるべく早く飲み切る必要があることなどから、災害備蓄品として現物備蓄するためには、慎重に検討する必要があると考えております。
 一方で、本市は、大規模小売店舗やホームセンターなどの商業施設が他市よりも多く、また、それらの店舗などとは災害時支援協定を締結していることから、当面は、災害で必要になったときに協定に基づき優先的に物資提供を受ける流通備蓄によりまして、必要数を確保していくことができるよう検討してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 7番 雨池弘之君。
 〔7番 雨池弘之君 登壇〕
○7番(雨池弘之君) 次に、2項目めの交通安全対策についてお伺いします。
 まず、公用車へのドライブレコーダーの設置についてお伺いします。
 交通事故発生時の事故処理の迅速化及び安全運転意識の向上を図るとし、ドライブレコーダーはタクシー、バス、トラック等の業界において、積極的に設置されているとあります。
 また、近年、悪質ドライバーのあおり運転での死亡事故の発生を受け、一般車両にも急速に普及してきているとあります。交通事故発生時の検証記録以外にも、防犯カメラとして、犯罪事件及び災害時の記録としての重要性が認識されているところであります。
 ところで、本市では、防犯カメラはJRの3駅付近等に27台、また小中学校に119台設置されています。ドライブレコーダーは移動可能な防犯カメラとしても有効であると思います。
 そこで、公用車を運転する職員の安全運転の意識を向上させるとともに、事故が発生した場合の責任の明確化にもつながると考えます。本市では、一部の車両に設置されていますが、他の公用車についても設置すべきと思いますが、今井企画総務部長にお伺いします。
 なお、私は2年前から設置いたしております。
 次に、高齢運転者の事故防止対策についてお伺いします。
 警視庁の発表によりますと、今年度上半期の1月から6月に全国で発生した75歳以上の自動車運転者による死亡事故のうち、ブレーキとアクセルの踏み間違いは人的要因の約11%に上り、75歳未満の0.7%と比べると約16倍で際立っており、ペダルの操作ミスに焦点を当てた対策が急がれるとあります。現在販売されている新車の約8割は、自動ブレーキなどの安全装置が標準装備されていると聞いていますが、既に走っている車のほとんどはこうした機能を備えていないとあり、そこで注目されているのが後づけできるタイプの安全装置であるとあります。
 ところで、後づけ安全装置の価格は工賃を含め4万円から10万円とあり、新車購入が難しい高齢者ドライバーの安全対策として、後づけ安全装置は大きな選択肢になるとし、普及に向け、国土交通省は自動車メーカーに対し、安全装置の開発と取りつけ可能な車種の拡大を要請したとあり、国の要請を受け、大手自動車メーカーは開発を急ぐとあります。
 また、富山県議会でも高齢者の安全運転支援として、自動ブレーキやペダル踏み間違い時の急加速を防ぐ機能など、ドライバーの安全運転を支援する装置を搭載した車や、ペダル踏み間違え時加速抑制装置の普及や、高齢者を対象とした購入支援策を意見書として9月議会で採択され、国に提出されたところであります。
 また、本市でもこの12月議会において、高齢者の安全運転の推進と移動手段の確保等を求める意見書が提出される予定であります。
 ところで、本市における高齢者の運転免許証取得者は、平成31年1月1日現在で75歳以上3,228人、平成30年度の免許証の自主返納は228件と、年々増えてきています。市営バスの利用者は、平成30年度は4万1,005人で、そのうちデマンドタクシーは3,411人の利用があります。
 砺波市は散居村であり、高齢者にとっては生活の足として自動車は欠かせない状況であると思います。免許証を返納することにより、市内では市営バスやデマンドタクシーが運行されていますが、公共交通が十分でない中、ひきこもり等に陥ることとなり、認知症の発生も考えられます。行動することで健康の保持、維持が図られるのではないでしょうか。
 ところで、後づけ安全装置の購入に対し、補助する自治体が増加傾向にあるとあります。東京都は7月から70歳以上のドライバーを対象に、1台当たり10万円を上限に設置費を補助すると、また山梨県や兵庫県、神戸市においても補助制度を実施されています。
 そこで、本市では、免許証の自主返納に対し、タクシーや市営バス、福祉センターの利用共通支援券を発行されていますが、高齢者ドライバーの後づけ安全装置の購入・設置に対し、補助制度を検討されてはいかがでしょうか。黒河福祉市民部長にお伺いし、第2項目めの質問を終わります。
○議長(島崎清孝君) 答弁を求めます。
 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 私からは、交通安全対策についてのうち、1点目の公用車にドライブレコーダーの設置についての御質問にお答えをいたします。
 現在、本市では車両の用途を考慮し、平成29年度から順次、一部の公用車にドライブレコーダーを設置しております。
 具体的には、市長車や議長車などのように公務で遠方へ出張する頻度が高い車両、市営バスのように1日の運行時間が長時間に及ぶ車両など、事故のリスクが比較的高いと見込まれる車両を中心とするほか、災害発生時に現場の周辺状況を記録する必要がある道路パトロールカーなど、合計18台にドライブレコーダーを設置しております。
 議員が述べられたとおり、ドライブレコーダーの設置には多くのメリットがあることから、今後とも当該車両の用途を考慮し、効果が高いものからその設置に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 答弁を求めます。
 黒河福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 黒河英博君 登壇〕
○福祉市民部長(黒河英博君) 私からは、2点目の高齢者ドライバー後づけ安全装置の購入・設置に対する補助制度についての御質問にお答えいたします。
 高齢ドライバーによる交通事故の原因といたしましては、高齢化による体力や判断力の低下による運転操作誤り、漫然運転による前方不注意、安全不確認等が考えられます。
 交通安全対策としましては、70歳以上の方の運転免許証更新時期に道路交通法による高齢者講習が義務づけられており、その内容として、座学や運転適性検査に基づく指導等があります。さらに、75歳以上の方には、事前に認知症検査の受検も義務づけられております。
 議員御発言の急発進を防ぐ装置の取りつけは、高齢者の交通事故防止に有効な手段の一つであると考えておりますが、高齢ドライバーの新たな運転免許制度の運用時期が明確になっていないことや補助制度創設には多額の予算が必要なことから、1つの自治体だけで対応するのは難しく、国や県などの支援が不可欠であると考えております。
 本市といたしましては、高齢者にとって生活の足として自動車は欠かせない状況にあるということも認識しており、高齢者ドライバーの交通事故防止のために、踏み間違い防止装置の補助等を含め、どのような支援のあり方が望ましいか、国や県の動向にも注視しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 現状では、県警が推進している夜間の運転を控える、雨、雪の日の運転を控える、余裕を持って出発する、体調を整えてから運転するといった「やわやわ運転」の周知を促すことや、高齢者ドライビングスクール、安全運転サポート車体験教室、高齢者交通安全教室などの参加を引き続き呼びかけるほか、街頭指導などの地域での抑止力や声かけなどにより、高齢者の事故防止に努めてまいりたいと考えております。
 また、公共交通が十分でないとの御指摘でありますが、これまでにデマンドタクシーの導入を行っていることや、市営バス自由乗降区間の設定、来年度に市営バスのダイヤ改正を予定しているなど、乗車しやすい環境を整備しているほか、高齢の運転免許自主返納者に対して、閉じこもりにならないよう支援券を発行し、今年度から福祉センターでも利用できるような対応を行っております。
 私からは以上であります。
○議長(島崎清孝君) 7番 雨池弘之君。
 〔7番 雨池弘之君 登壇〕
○7番(雨池弘之君) 次に、3項目めの森林経営制度及び森林環境譲与税についてお伺いします。
 令和元年6月議会で、市の実施する森林の整備及びその促進に関する施策の財源に充てるためとして、砺波市森林環境譲与税基金条例が制定されました。これを受け、改めて質問をさせていただきます。
 管理が十分にされていない森林が増えており、災害防止や地球温暖化防止などの観点から、森林の適正な整備、保全が急務となっています。
 ところで、2015年農林業センサスでは、市町村の8割が管内の人工林が手入れ不足だと回答しており、そこで国は整備が行き届かない私有林を市町村が集約し、意欲ある事業者に委託できる森林経営管理制度を今年度からスタートされたところであります。
 このほど、千葉県で大規模に起きた台風15号による停電は、放置された森林で杉独特の病気が広がり、暴風雨で多数の木が倒れ、電線や電柱を破壊したことが一因として挙げられています。専門家は、森林管理を見直さないと、全国でも同じことが起きる可能性があると警鐘を鳴らしています。
 ところで、埼玉県秩父市では、全国で初めて対象となる森林と事業者を選ぶ作業に着手したと、また、市によると調査した所有者の半数近くが委託を希望したとあります。
 本市には、対象となる人工林は約1,200ヘクタールであり、そのうち半分は富山県西部森林組合が管理されており、残りの約500ヘクタールについては、今後調査を実施するとあります。しかし、これらの業務の実施に当たり、市町村が担う業務量は膨大であるとあります。
 そこで、まず、本市における取り組み状況について、加藤商工農林部長にお伺いします。
 次に、森林環境譲与税についてお伺いします。
 このほど、総務省は森林環境譲与税約100億円を初めて配分したとあります。富山県内の市町村では、富山市が約1,592万円で最も多く、次いで南砺市が約880万円で、最少は舟橋村で5万6,000円だったとあります。2019年度の譲与税は総額200億円で、残りは来年3月に配分するとあります。
 そこで、本市の配分額の見込みについて、また次年度以降の譲与税の推移の見込みについて、加藤商工農林部長にお伺いします。
 次に、森林環境譲与税の使途としては、森林の間伐や林業の人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進に関する費用に充てるとなっていますが、本市の本年度の事業の取り組み状況や次年度以降の見込みについて、加藤商工農林部長についてお伺いし、3項目めの質問を終わります。
○議長(島崎清孝君) 答弁を求めます。
 加藤商工農林部長。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) 私からは、森林経営制度及び森林環境譲与税についての御質問のうち、まず1点目の取り組み状況についての御質問にお答えします。
 現在、国のマニュアルや県の説明会などを踏まえ、県の指導や本市の森林施業の重要な役割を担っております県西部森林組合の助言もいただきながら、森林所有者への意向調査に向け、森林情報の収集や確認、森林所有者の特定等について調査研究しているところであります。
 本市における森林施業が実施されていない私有林人工林は約500ヘクタールあり、直ちに全てを対象に意向調査を実施することは大変難しいことから、より効果的、効率的に進められるよう、県や県西部森林組合と協議し現地踏査も行ったところ、今年度においてはモデル地区を選定し、森林所有者の意向調査を実施する方向で進めてまいりたいと考えております。
 新たな森林管理システムの今後の進め方につきましては、各地区の森林振興会等に御説明するとともに、選定したモデル地区においては森林所有者の特定を行い、関係自治会や森林所有者を対象に説明会を開催するなど、意向調査、意向の把握などの準備を進めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目の森林環境譲与税についてのうち、配分見込みや次年度以降の推移についての御質問にお答えします。
 森林環境譲与税の令和元年度の配分額の見込みにつきましては、約540万円になると伺っております。
 次年度以降の配分額につきましては、令和3年度まで同額の540万円で推移し、令和4年度から3年間は毎年約800万円、令和7年度から4年間は毎年約1,100万円、令和11年度から4年間は毎年1,500万円、令和15年度以降は毎年1,800万円と試算されております。
 なお、譲与額は徐々に増加する見込みとなっております。市町村と都道府県の譲与割合は9対1となりますが、制度発足初期は市町村の支援を行う県の役割が大きいことから、経過措置として市町村と都道府県の譲与割合は8対2でスタートし、市町村への譲与割合を徐々に高めるという設計となっていることや、市町村の体制整備の進捗に伴い、譲与額が徐々に増加するように設定されていることなどによるものであります。
 次に、事業の取り組み状況や次年度以降の見込みについての御質問にお答えします。
 先ほどの御質問にお答えしましたとおり、本年度はモデル地区を選定し、意向調査の実施や意向の取りまとめ等を行うこととしており、意向調査については市で行いますが、意向の集約、森林経営に適する適地等の判断につきましては、森林経営管理の経験や技術を有する森林組合等へ委託することを考えております。
 また、現在、県においては、本市の山間部を対象に航空レーザー計測を実施されており、その計測結果を有効に活用し解析することで、地表の標高や傾斜などの地形情報のほか、1本1本の単位での立ち木の位置や樹種、樹高等の情報が入手できるものと伺っております。
 県から計測データの提供がなされれば、市が行う業務の円滑化、省力化につながることから、データの解析業務についても、専門技術を有する機関へ順次業務を委託してまいりたいと考えております。
 なお、今ほど申し上げました業務委託に必要な経費等を支出した残額につきましては、本年6月に設置いたしました森林環境譲与税基金に積み立てまして、次年度以降の事業に充ててまいります。
 次年度以降の見込みにつきましては、引き続き県や県西部森林組合と協議をしながら調査地区を選定し、森林所有者の意向調査や意向の取りまとめ等を進めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(島崎清孝君) 8番 堺 武夫君。
 〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 郷土の未来を切り拓く基盤づくりのためにはどのようにすべきかという観点で、市民の目線で一問一答方式で質問します。
 第1は、市道の管理です。砺波平野、屋敷林に囲まれた家々が点在し、日本の原風景と言われるこの散居村は、我が砺波市の特長、誇りであり、本市の豊かさの一つです。それで、散居平野に網目のように張りめぐらされている市道の実態です。
 そこで、第1の1、市道の総延長、総面積及び舗装率はどのような状況か。また、これら市道の総延長及び総面積は、住民1人当たりで県内他市と比べてどのような状況か、お尋ねをします。
○議長(島崎清孝君) 喜田建設水道部長。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 平成30年4月1日時点での市道の総延長は、国道、県道との重複延長を除いた実延長として744.7キロメートル、総面積は5.6平方キロメートルで、その舗装率は91%であります。
 また、住民1人当たりの道路延長は15.4メートル、面積は96.4平方メートルで、いずれも県内10市のうち、南砺市、小矢部市に次いで3番目であります。ちなみに、1番目の南砺市では、1人当たりの道路延長は27.1メートル、次いで2番目の小矢部市が17.5メートルでございます。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 8番 堺 武夫君。
 〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次は道路巡回です。
 常に良好な状態に市道を保つためには、定期的な道路巡回、パトロールは欠かせないと思います。
 そこで、第1の2、市道の巡回はどのような基準や方法で、どのような時間的な間隔で実施しているのか、お尋ねします。
○議長(島崎清孝君) 喜田建設水道部長。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 市道の巡回につきましては、県の道路パトロール実施要領に準じ、環状線やバイパス道路などの比較的交通量の多い幹線市道では、梅雨時期の6月、7月、秋雨時期の9月、降雪時期の12月から3月にかけては週1回でありまして、その他の時期につきましては月1回のパトロールを基本として実施しております。
 その他の市道につきましては、市内移動――いわゆる外出ですけれども――の際には、注意深く道路状況を確認しているところであります。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 8番 堺 武夫君。
 〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次は、市民からの破損等の補修等の要請への対応です。
 道路巡回で全て把握できないものもあると思います。それで、破損の補修といっても、路面の穴、くぼみやへこみ、ひび割れもあり、状況は千差万別と考えます。
 そこで、第1の3、穴やへこみ、ひび割れなど、市民からの道路破損の補修等要請は年間どのようなものがどれくらいあるのか。例えば、へこみであれば深さや大きさはどのような基準で対応しているのか。また、その基準は公表できないのか、お尋ねをします。
○議長(島崎清孝君) 喜田建設水道部長。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 市民からの通報による補修対応した件数につきましては、平成29年度で101件、平成30年度では138件、今年度の11月末現在ではありますけれども、99件の対応をしております。
 本年の補修内容の内訳といたしましては、舗装の陥没15件、へこみ、くぼみ12件、側溝ぶたの破損22件、転落防止柵などの安全施設の破損20件、道路照明灯の球切れで14件、歩道の部分破損等で16件であります。
 中でも、舗装の陥没は車両事故に直結しますので、小さな状態から補修用のアスファルト合材などで補修することが肝要であり、通報やパトロールにおいて発見した場合は即座に対応しております。
 また、舗装のへこみ、くぼみにつきましては、陥没につながるのか、通行に支障があるのかなど、その状態を詳細に確認する必要があり、一定の基準を持って対応しているものではなく、できる限り迅速に補修対応をするよう心がけているところであります。
 なお、陥没はくぼみ、へこみ等の補修に対する市独自の基準等がないことから公表するまでには至っておりませんが、国が定めております舗装点検要領に準じて、舗装のひび割れ、わだち掘れ、縦断凹凸の状況を計測し、その割合に応じて舗装の打ちかえやオーバーレイもしくはクラック充塡など、本市における舗装の個別施設計画に基づき、補助制度を活用いたしまして、計画的に補修対応を実施しているものであります。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 8番 堺 武夫君。
 〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次は、市道の不法占拠等です。
 道路巡回では、交差点における生け垣のはみ出しなどの通行の障害になる道路の不法占拠等に対して適切な処置を講ずるとともに、道路管理上の情報や資料収集もできると思います。
 そこで、第1の4、市道の不法占拠等にはどのように対処しているのか、お尋ねをします。
○議長(島崎清孝君) 喜田建設水道部長。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 生け垣のはみ出しなどの道路の不法占拠に対しましては、所有者に直接改善していただくよう指導しているところであります。今年度においては、生け垣やツタなどの樹木のはみ出しについて2件指導しておりまして、いずれも所有者において枝打ちなどの対応をしていただいているところであります。
 今後も、道路パトロールや市民の皆さんからの通報により発見した場合は、所有者に対して改善を促してまいりますが、どうしても所有者が不明の場合においては、道路通行上支障を来すおそれがある緊急性を伴う場合に限り、道路管理者で直接対応するなど、引き続き安全な通行確保に努めてまいります。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 8番 堺 武夫君。
 〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次は、市民からの通報です。
 市道が良好な状態に保たれているか否か、そして基本的な異常の発見は道路管理者である市の責任ですが、地域住民は一番早く発見できるとともに、自分たちの地域を守る意識の涵養のためにも、道路に関心を持ってもらうことは大切と思います。
 そこで、第1の5、市道の異常を、例えば地区交通安全協会に委嘱して通報してもらう仕組みの構築を提言いたします。
○議長(島崎清孝君) 喜田建設水道部長。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 市道において何らかの異常を発見した際に通報してもらう仕組みにつきましては、市内の郵便局等と包括連携協定に基づき、道路損傷等に係る情報提供の協力に関する覚書を本年12月2日に締結したところであります。
 その内容につきましては、郵便局員が業務中に道路の異常や水道の漏水、住民生活に危険が及ぶような空き家の損壊を発見した場合、窓口となっております土木課への情報提供をしていただき、関係課にそれぞれその対応を依頼するものであります。
 また、そのほかに、市の職員にも通勤時の際に道路上での異常を発見した場合には土木課に報告していただくよう、周知しているところであります。
 議員御提言のとおり、地区の交通安全協会など地域住民からの情報提供などの協力体制は、地域を守る意識の向上につながることから、広く情報提供していただけるよう周知するとともに、関係の皆様の過度の負担にならないよう、通報の仕組みの構築については今後検討してまいります。
 なお、道路愛護の点で、となみちサポーター制度の普及を推進しておりますので、あわせて地域の皆様の御協力を賜りたいと思います。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 8番 堺 武夫君。
 〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次は、AIによる道路の点検です。
 人工知能、AIを使って市道の損傷箇所を見つけ、修繕が必要かどうかの判断を自動で行うシステムを運用している自治体が出現しました。専用アプリを入れたスマートフォンを道路パトロール車に搭載して実施するものです。
 道路路面のひび割れや段差、消えかけた白線などをスマホのカメラが自動で検知し撮影し、蓄積した写真データをもとに修繕の必要性を判断する。2019年度は約150万円をかけて1台導入、同システムは昨年、東京大学生産技術研究所など3団体が共同開発したもので、今年度から大津、千葉、東広島など6自治体が写真データを同じサーバーで共有し、AIに学習させて検知精度を高める。地域ごとの傾向の把握もできるといいます。
 それで、このシステムを市単独または広域で取り組めないか、市道延長745キロメートルを維持するには、未来への投資は欠かせないと思います。また、最近では橋の劣化をAIが診断する実証実験が県内で行われ、2022年ころまでの実用化を目指すとの情報もあります。
 そこで、第1の6、道路損傷箇所自動検知AIシステム導入の検討を提言いたします。
○議長(島崎清孝君) 喜田建設水道部長。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 道路損傷箇所自動検知AIシステムにつきましては、スマートフォンで撮影することで、道路の状態をAIが「損傷なし」「損傷あり、修繕不要」「損傷あり、修繕必要」の3段階で判定する仕組みで、撮影された画像が、損傷の検知時点でその位置情報とともに自動的にサーバーに送信され、補修に係る業務が大幅に軽減されるものでございます。
 また、このシステムは部分的な補修に有効であり、大津市や千葉市では、このシステムのほかに、スマートフォンなどから手軽に市民から通報できるシステムも構築されているようであります。
 本市においては、舗装補修の必要な箇所が多くありますので、少しでも舗装補修の対応に努めていきたいと考えており、議員御提言のAIシステムの導入につきましては、今後、費用対効果等について調査研究してまいります。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 8番 堺 武夫君。
 〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次は、市道維持管理の課題です。
 安全な市道の整備に取り組み、社会資本総合整備計画(道路事業)の作成や橋梁長寿命化修繕計画を策定し、限られた財源で維持管理に努力されているが、なお課題もあると考えます。
 そこで、第1の7、市道維持管理の課題をどのように認識しているのか、お尋ねをします。
○議長(島崎清孝君) 喜田建設水道部長。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 市道の維持管理の課題につきましては、本年9月議会での川岸議員の代表質問にお答えしましたとおり、道路や橋梁などの維持管理や更新の経費が増大してきていることから、社会資本総合整備交付金を活用し、現在利用している施設の長寿命化を効果的かつ計画的に進めているところであります。
 中でも、市内の全橋梁のうち、橋梁点検を終えた約半数の291橋を対象とした砺波市橋梁長寿命化修繕計画では、今後50年間における修繕更新費用は約30億円と試算しており、年間約2億円の道路橋りょう維持修繕費予算規模の中では大きな負担となってきております。
 また、生活道路の除草などにつきましては、周辺住民の皆さんや隣接農地を耕作している方々に対応していただいておりますが、今後、高齢化などにより手が行き届かなくなることが懸念されるところであります。
 このような中、全ての市道において十分な管理を行うことができなくなることから、今後、特に大型車両等の通行制限を行い、損傷の進行を抑えるなど、持続可能なレベルでの管理体制を構築することが急務となってきており、より一層、住民の皆さんの御理解と御協力が必要になってくるものと考えているところであります。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 8番 堺 武夫君。
 〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次は、今挙げられた課題についてです。
 将来の人口規模を踏まえると、市道延長745キロメートルを維持できるのか、住民に協力を求めることにも限界があると考えます。このため、市道の認定は廃止も含めた抜本的な見直しが必要ではなかろうかと思います。よりよく縮小するための合意形成にも大変な労力を要します。幸い、明年度は市道の見直し年度です。
 そこで、第1の8、令和2年度の市道の見直しは抜本的に行うことを提言いたします。
○議長(島崎清孝君) 喜田建設水道部長。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 市道認定の見直しにつきましては、5年ごとに各自治振興会に照会し、要望のある道路については、市道認定基準に照らし合わせて諸手続を行っているところであります。
 過去の認定実績につきましては、平成12年に60路線、平成17年に33路線、平成22年に27路線、そして前回の平成27年には7路線の市道認定を行っており、いずれにおいても路線の廃止は行っていない状況でございます。
 議員が述べられましたとおり、新年度において市道認定の見直しを実施することとしておりますので、各地区内の既存の市道の用途や実情、交通量、あわせて冬期における除雪実施路線など、状況を改めて精査させていただき、各自治振興会とも十分協議の上、廃止も含めた見直しを行ってまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 8番 堺 武夫君。
 〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次は、新しい洪水ハザードマップ等です。
 国、県が管理する河川について、想定し得る最大規模の降雨の洪水浸水想定区域図をもとに、市で洪水時における河川の破堤、氾濫などの水害時における人的被害を軽減するため、新しい砺波市洪水ハザードマップを作成されました。台風19号では、洪水ハザードマップは実際に浸水してみて、よくつくられていると浸水被災地自治体職員は語っています。
 一方で、堤防の決壊により甚大な被害が発生して、異常事態が起きても、自分は大丈夫と思い込む正常バイアスが働き、逃げ遅れた人が多かった。そして、避難指示等に対して、実際に避難した住民は約1割から2割であったとの報告もあり、住民への意思の伝達は極めて難しいと思います。
 また、砺波市では、行政出前講座の申し込みが増え、「聴いていてよかった」「日ごろから備えたい」など、防災意識が高まったとの意見もあり、市民の関心は高まっています。
 一方、洪水ハザードマップにはたくさん情報が載っているが、市民がどう行動すればいいのかが、マップ作成前提条件の説明が必ずしも十分ではないように思います。例えば、全国一律の基準とのことですが、浸水想定深さの色の濃淡の差が少なく、見にくいとの意見もあります。それで、行政出前講座の開催などによって、どのような方針のもとに市民に周知徹底を図るのか、課題もあります。
 そこで、第2の1、洪水ハザードマップは住民にとってわかりやすく、理解して有事の際に活用できる資料として、どのように市民に普及しているのか、お尋ねをいたします。
○議長(島崎清孝君) 喜田建設水道部長。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 洪水ハザードマップの経緯などにつきましては、先の今藤議員の代表質問で市長よりお答えさせていただいたところでありますが、ちなみに、行政出前講座での説明内容を申し上げますと、冒頭に本マップの改定の前提条件を説明させていただき、次に、日ごろから常に認識をしていただきたい点について、自宅がどのくらい浸水するおそれがあるのか必ず確認すること、また、利用が可能な避難所への自宅からのルートを確認しておくことなど、洪水避難行動のかなめについて丁寧に説明を行っているところであります。
 また、本講座を受けられた方々からは、「自分の家がどのくらい浸水するおそれがあるのかよくわかった」とか、「地震のときと避難所が異なることを改めて認識した」などの意見を伺ったことから、災害を身近なこととして御理解をいただいたものと考えております。
 なお、議員御発言の関係情報量が多い、あるいは色の濃淡の差に関する点につきましては、国が示す水害ハザードマップ作成の手引きに基づいて作成し、浸水深の区分や着色は、他の防災情報の危険度表示と統一され、配色についても国際規格に従い、色覚障害のある方への配慮も規定されているところであります。
 また、住民の皆さんのみならず、通勤、通学者や旅行者、隣接自治体への広域避難も考慮し、基本的な情報項目が盛り込まれており、一定の共通要件が規定されているところであります。
 本マップを活用した今後の普及、周知につきましては、引き続き行政出前講座を活用して説明するとともに、特に高齢の方など、避難行動要支援者が多数利用されている介護福祉施設への周知が重要と考えておりますので、本マップの情報をもとに各施設が策定されました避難確保計画に基づく避難訓練を毎年実施していただくよう、関係課とも連携し、積極的に啓発活動に努めてまいります。
 私からは以上であります。
○議長(島崎清孝君) 8番 堺 武夫君。
 〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 丁寧な説明をお願いしたいと思います。
 次は、いろいろな災害対応です。
 我が市域のほとんどは庄川の扇状地で、古くはいろいろな方面に庄川は流れていました。明治16年に石川県から分県した理由は治水問題でした。自来、治水との戦いの歴史です。これまで土砂災害、洪水及び地震防災のハザードマップ作成など、市民の生命、財産を守る施策を講じられてきております。しかし、自分のところは大丈夫と思っている人が多いと思います。
 我が家の冷蔵庫壁面には、「ほっとなみ安心ポケット」と「防災となみ」防災マニュアル号(改訂版)の2点を貼付またはつるしております。防災訓練もよく実施されておりますが、災害は発生する時間帯によって対応は異なり、また避難できなかった人、場合への対応なども必要です。
 それで、先の議会での自由民主党砺波市議会議員会代表質問の川岸議員提案のマイ・タイムラインシート配布やホームページへの掲載など、これら2点を点検し、2点を1点にまとめたもの、目的は全て一致はしませんが、見てすぐ行動できるワンシートの簡明な行動指針が求められると思います。
 そこで、第2の2です。安心ポケット、防災マニュアルなどから、簡明な住民の行動指針をつくれないか、お尋ねをします。
○議長(島崎清孝君) 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 「ほっとなみ安心ポケット」につきましては、救急搬送時などの緊急時における迅速な情報提供や処置につなぐことを目的といたしまして、平成26年度から市と社会福祉協議会が連携して取り組んでいる事業であり、緊急搬送に備えた有効なツールであるとの評価をいただいております。
 一方、「防災となみ」防災マニュアル号は、市民の防災・減災意識の高揚と家庭での防災対策の推進を目的といたしまして平成18年度に発行し、以後、平成26年度と平成30年度には、それぞれ避難方法や必要な備蓄品などの最新情報を盛り込んで改定されました。各種の防災訓練のツールとして、また、各家庭における日ごろからの防災への備えとして有効に活用いただいているものと認識をしております。
 したがいまして、この2つはそれぞれ目的があり、それぞれの役割を果たしておりますが、ワンシートとすれば、簡単にかつ気軽に防災・減災を意識していただけることから、作成の効果は高いと考えられます。
 そこで、御提言の安心ポケットと「防災となみ」防災マニュアル号から重要な要素を盛り込むことにつきましては、9月議会におけます川岸議員の御質問にお答えいたしましたとおり、現在、マイ・タイムラインの作成に住民一人一人が取り組んでいただけるよう、防災士の方々の御意見も伺いながら、ワンシートでそれぞれが書き込むことができる砺波版マイ・タイムラインシートについて、今年度中の作成に取り組んでいるところであります。その中で検討してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 8番 堺 武夫君。
 〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次は、市民への周知の徹底です。
 市民への周知は、安心ポケット、防災マニュアルなどをもとに、いろいろな災害について自主防災会でワークショップや集落の会合で周知を図るとともに、避難先、避難ルートを簡潔に紙面に書き込んでおくことだと思います。そして、自分の命は自分で守る体制を構築することが何よりも肝要と考えます。
 そこで、第2の3番目、市提供の情報をもとに、防災士等が講師となって自主防災会でのワークショップや集落の会合で周知を図るなどの活動を市として支援することを提言したいと思います。
○議長(島崎清孝君) 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 本市では、平成24年度から防災士の育成支援を開始いたしまして、本年10月末現在では、人口1万人当たりの防災士数、女性防災士数は、ともに県内で1位となっております。
 その成果もあり、防災士の方々で組織されます砺波市防災士連絡協議会では、年間を通じて各種研修会や意見交換会を開催され、防災知識の習得に努められているほか、来年3月には、市民の防災意識の高揚を図ることを目的に、本市では初めての「となみ防災フェスタ2020」を主催されるなど、各地区の防災リーダーとして積極的に活動をされており、今後もますます自主的な活動が展開されるものと大いに期待をしているものでございます。
 そこで、御提言の防災士等が講師になった自主防災会でのワークショップ等につきましては、これまでにも一部の防災士の方々には、市が地域で実施をいたしております行政出前講座の講師といたしまして、一緒に参画していただいております。
 また、これまで講師としての経験がない防災士の方々につきましては、あまり過度な負担とならない範囲内で、地域におけるさまざまな会合等の機会に、例えば先ほど申し上げました新たに作成予定の砺波型マイ・タイムラインシートなどの活用によりまして、避難先や避難ルートの確認による日常からの災害への備えといった、比較的容易に取り組める対策の周知を図っていただけるよう、その支援に努めてまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 8番 堺 武夫君。
 〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次は、市民への災害発生時等の情報伝達です。
 災害発生時や発生が差し迫った場合に、在宅とは限らないので、情報発信体制を整備し、きちんと市民に届くようにする必要があると思います。
 市では、防災行動計画(タイムライン)を策定して対応されています。また、Jアラート、情報伝達連携システムにより、市ホームページ、市緊急メール及び移動系防災行政無線、MCA無線は整備されております。このほか、自治振興会単位での消防サイレンがありますが、これで大丈夫なのか。
 市職員や消防職員による広報車による巡回も効果的と考えるが、「避難準備・高齢者等避難開始」情報発令時や市総合防災訓練での工夫も考えられると思います。さらに、情報発信、受信が必要な場合に停電も想定されるので、その備えとして、EV車などからの電源供給による、多重化による情報発信、受信体制を整備する必要があります。これらについては、企業などへ働きかけして協力を求めることも必要です。
 そこで、第2の4、災害発生時や発生が差し迫った場合に、外出者への情報伝達方法及び災害時のEV車等を活用した住民側の電源等の多重化による受信体制整備を提言いたします。
○議長(島崎清孝君) 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 災害発生時や、そのおそれがある場合の外出者への情報伝達方法といたしましては、携帯電話やスマートフォンを活用いたしましたエリアメール、市緊急メール、防災アプリ配信、消防団器具置場サイレン、市及び消防署、消防団による巡回広報など、重層的な手段を用いまして早期に情報を伝達することとしております。
 特に、市からの緊急メールは、登録者が市外、県外へお出かけの際でも、その情報を受信できるメリットがあることから、行政出前講座や市ホームページ、FMとなみの番組などで登録を働きかけ、早期の情報伝達体制の確保を強化しているものであります。
 一方で、携帯電話やスマートフォンをお持ちでない高齢者の方などが外出されている場合におきましては、広報巡回による情報伝達が一番効果的であると考えており、平成29年度の市総合防災訓練からは、市職員が複数地区で一斉に広報車両を出動させる情報伝達訓練を実施しております。
 実際に、昨年9月と本年10月に警戒レベル3「避難準備・高齢者等避難開始」を発令した際には、対象の4地区全てに広報車両を出動させ、高齢の方々などの速やかな避難につなげたところであります。
 しかしながら、限られた時間内で地区全体を漏れなく周知するためには、さらに複数の車両が必要となることも想定し、今後は消防、警察、社会福祉協議会などとの連携による広報巡回車の増台や、各地区の自主防犯パトロール車両などが使用できないかという観点で、関係機関等と検討しているところであります。
 次に、EV車等の活用につきましては、本年9月の台風15号による千葉県での大規模停電被害を受け、大手自動車メーカーなどが、まずは都道府県と災害時支援協定を締結し、避難所などへ電気自動車を提供し、電力確保に備える動きが始まっております。
 富山県内では、今のところ同種の協定締結の動きはまだないと伺っておりますが、関係企業等との協定締結が本市単独でも可能かどうか、調査を進めてまいりたいと考えております。
 なお、本市におきましては、災害対策本部における不測の停電に備えまして、平成29年度におきまして本庁舎非常用自家発電設備を整備し、また、あわせて継続的にポータブル発電機の整備を行っていることから、市からの情報発信に関しましては給電環境が整っているものであり、EV車からの電力供給支援等は、主に避難所における活用について調査研究をしてまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 8番 堺 武夫君。
 〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次は、総合案内AIチャットボットサービスなどの導入です。
 職員は各業務の膨大な情報を管理、整理するとともに、市民からの問い合わせに迅速かつ的確に判断する必要がありますが、職員数が減少して複雑化する制度や業務等で負担は増えています。
 総合案内AIチャットボットサービスは、行政サービスの手続や制度に関する問い合わせに対し、AIが24時間365日、自動的に情報を提供することによって、市民サービスの向上や業務の効率化につなげるものです。
 この市民向けAI自動応答サービスの開始によって、市民の利便性向上、市民対応の統一性が図られ、また職員がAIサービスに触れる機会をつくることにより、今後の行政分野のAI活用に有用な知見を得たり、AIに蓄積したデータをもとに新たな業務効率のアイデアを生み出すなど、期待されます。このサービスの実現には、各課の業務マニュアル等をAIに学習させ、AIによる自動応答サービスの実証実験、効果の検証、改善、ニーズ調査を行うなど準備が必要です。
 また、AIチャットボットサービスに合わせ、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの検討も必要になります。
 市職員からは、AIやRPAの導入など、業務量削減の検討が急務との声も聞かれます。職員の積極進取の意気を受け入れ、応えることは、極めて有意義であることです。
 なお、南砺市はRPAによる業務自動化をし、新たな業務形態として本稼働しています。
 RPA、AIで代替しやすい自治体業務は、窓口、税務、財務、法務等と言われております。AI活用で自治体職員は本当に必要な仕事に注力できるようになる、代替されない本来の自治体業務では、対話する能力を有する職員が求められると思います。AI、IoT時代に求められるのは、業務改革を構想、実現する経営力と言われております。
 そこで、第3は、総合案内AIチャットボットポートサービス、RPAなどの導入による業務効率化に向けて、計画的に準備を進めることを提言いたします。
○議長(島崎清孝君) 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) AIやRPAにつきましては、指定都市、中核市等の一定規模以上の住民人口を有する自治体から導入が始まっております。
 昨年11月の総務省の調査によりますと、実証実験を含め何らかの業務にAIを導入している団体は、都道府県では約36%、政令指定都市では約60%、その他の市町村で約4%、このうちAIチャットボットサービスの導入は55団体となっております。
 AIは学習させるデータが多いほど精度が上がることから、行政情報全般についてのAIチャットボットサービスの多くは実証実験の段階にあり、今後蓄積するデータを増やしながら開発が進むものと推測をしております。
 精度の高いAIチャットボットサービスが実現できれば、市民サービスの向上につながるものと考えておりますが、当市の規模では独自にシステムを開発するには負担が大きいことから、商用ベースでの研究開発が進んで全国展開をされ、砺波市版として容易に導入することができるようになれば、業務効率化の観点から、高い費用対効果を生むことができるものと考えております。
 また、RPAの導入状況につきましては、総務省による同様の調査では、県や指定市以外のその他市町村で約3%と、こちらも普及はこれからという状況でありますが、単純かつ大量の業務の自動化などに直接優位性を発揮するものであり、将来にわたり、限られた人員で多様化する業務を継続していくためには、今後の導入は必須であると考えております。
 一方で、RPAの導入には、どのような業務を対象とするかの選択や対象事務の電子化といった準備のほか、一般のコンピュータープログラムとは別に、作業を自動化するためのシナリオと呼ばれる細かな設定、処理条件を作成する必要があります。
 費用対効果を上げるためには、類似のシナリオを転用できる操作性が重要であり、また、業務手順の見直しによって標準化を進めることで、他の自治体等とこれを共同利用することができれば、導入費用面でも有利であると言われております。
 このようなことから、国におきましては、AI、RPA等のICTの共同利用を促進するため、今年度、総務省に自治体システム等標準化検討会を設置し、様式、帳票を含めたシステムの標準化の取り組みに着手するとともに、自治体行政スマートプロジェクトを実施し、住民基本台帳、税務、福祉といった分野などにおきまして、AI等のICTを活用した業務プロセスの標準モデルを構築し、全国展開する予定とされております。
 一方で、業務手順の標準化にかかわりなく導入が可能な会議録作成システムや、AIを活用した光学式文字読み取り装置による手書き書類の電子化といったICTにつきましては、既に個別の導入につきまして検討を進めているところであります。
 本市といたしましては、国やメーカーなどの進捗状況を注視しながら、AI、RPA等のICTの活用を効果的に行うことができるよう、AIチャットボットサービスを展開するに際して必要となる「よくあるお問い合わせ」などの保有情報の電子化や行政手続のオンライン化を一層進め、適切な時期に導入ができるよう準備を進めてまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 8番 堺 武夫君。
 〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次は、自分たちのまちとなみを誇る市民を増やすことです。
 砺波市移住定住ガイドブック「やっぱり砺波で暮らそう。」では、医療、買い物、交通、食べる、安心、自然を掲げ、全国トップクラスの住みよさがあると、農村ののどかさと都市の利便性が調和する「便利な田舎」を誇るなど、シティプロモーション活動をしております。
 そのほかにも砺波には魅力はたくさんありますが、砺波の人はよいところがあるのに語らない、誇らないとか評されています。これには市民の遠慮がちな性格が1つの要因かと感じており、市民の意識啓発が必要ではないかと思います。
 旅行者、移住者に砺波のよさをちゃんと語る。「砺波、おもしろいよね。いいところあるよね」と、外に誇る自信を持つ市民を増やすことが市のイメージアップにもつながります。「食べればわかる。来ればわかる。見てもらえればわかる」では、答えにはならないと考えます。伝える力を養う必要があります。
 そのため、風雪に耐え、厳しい自然環境にもまれるなどして育まれてきた積極進取の気性を、砺波の誇りに加え、市が外に誇る、誇ることに市民が自信を持ち、市民が語れるようにするため、例えば行政出前講座などに盛り込めないかと考えます。各行政出前講座の序説、イントロで簡潔に誇りの幾つかを紹介する。当然、各種会議でも語る。
 そこで、第4、砺波を語る、自慢する市民を増やすため、行政出前講座等の序説で砺波の誇りを語ることを提言します。
○議長(島崎清孝君) 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 近年のスマートフォンの普及、SNSなどの発展により、若い世代を中心に、季節の風景や生活の中での感動の場面などを情報発信することがごく当たり前となり、その発信力や影響力は大変大きいものとなりました。
 このことから、本市では、砺波のよさや魅力をSNSで発信するシティプロモーション活動に力を入れており、市の情報発信グループである「Team1073(チームとなみ)」とともに積極的な情報発信に努めているところであります。
 堺議員は、積極進取の気性という表現を用いられましたが、そういった点では「Team1073(チームとなみ)」の活動はまさしく積極進取の活動を行っていると言えるのではないかと思います。
 一方で、市民の中には、今ある環境や暮らしが当たり前で、本市が他の市町村自治体と比べて、どういった点がどれだけすぐれているのか、具体的にイメージできず、そのよさに気づかれていない方もいらっしゃるのではないかと思います。
 全国レベルでの比較や県内での立ち位置など、他の市町村との違いが見えることにより、本市のよさが再認識できるものではないかと考えます。
 つきましては、議員の御提言にもありましたように、出前講座や会議の場など、さまざまな機会を捉えまして、その場に関連する砺波のよさや魅力を具体的にわかりやすく話すなど、市民の情報発信に対する意識啓発を働きかけたいと考えており、そのためにも、まずは職員が本市の魅力を知る機会を設けるなどして、市民の皆さんと一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(島崎清孝君) 8番 堺 武夫君。
 〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次は、会計年度任用職員制度の創設を契機とする職員の服務の宣誓です。
 9月定例会一般質問では、会計年度任用職員も含めた職員の宣誓書に「砺波市民の福祉の増進を図るため」を追加する提言について、その必要はないとの答弁でした。
 その理由として、宣誓書は、1つ、地方公務員法施行時に国提示の条例案に基づく、2つ、職員の服務上の義務は採用によって生じる、3、市役所に勤めることは砺波市民の福祉の増進を図るために職務を遂行することも当然認識されている、4、ほとんどの自治体において本市と同一の宣誓書を使用しているとのことでした。
 これでは、地方自治、地方分権の志はどこにあるのかと思います。地方創生はできるのか疑問です。地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本とする組織目的が達成されるよう、行政サービス等の事務を提供する主体だと思います。積極進取の気性や人材育成意識はなく、宣誓書の根拠を淡々と述べただけの答弁であったように私は思いました。期待するものを表示する必要があるように考えます。
 そこで、第5の1です。任命権者は職員にどのようなことを期待して宣誓書に署名を求めるのか、お尋ねをします。
○議長(島崎清孝君) 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 市職員の服務の宣誓につきましては、日本国憲法の尊重、擁護と、全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行することと同時に、地方自治の本旨を心にとどめてこれを守り、公務を民主的かつ能率的に運営することを宣誓する行為であります。
 したがいまして、職員自身がこれに自らの署名を行うことで、これらの服務上の義務を負うことを力強く自覚しまして、確認することを期待しているということでございます。
○議長(島崎清孝君) 8番 堺 武夫君。
 〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 何かちょっと物足りないと思いますが、次へ移ります。
 宣誓文は極めて抽象的な内容であると思います。職員は採用を経て士気が高まっている状態で署名します。誓いの文面に「砺波市民の福祉の増進を図るため」の記述があれば、砺波市のために仕事をしようと決意し、士気は高まります。そして、これは職員養成の第一歩、原点であろうと思います。職員は感情を持った人間です。
 なお、地方公共団体における内部統制とは、住民の福祉の増進を図ることを基本とする組織目的が達成されるよう、行政サービスの提供等の事務を執行する主体である長自らが、組織目的の達成を阻害する事務上の要因をリスクとして識別、評価し、対応策を講じ、事務の適正な執行を確保することとされております。
 また、宣誓書に署名することは、職業人生の記念日となると思います。
 そこで、第5の2、宣誓書に何ゆえに「砺波市民の福祉の増進を図る」という趣旨を加えられないのか、積極的な理由の説明を求めたいと思います。
 以上で通告分の質問は終わります。
○議長(島崎清孝君) 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) まず、砺波市民の福祉の増進という文言を宣誓書の文面に記載していないことをもって、職員に積極進取の気性や決意がなく、士気が高まっていないかのような御発言をされることはいかがかと思います。
 今ほど申し上げましたとおり、現行の宣誓書において、最高法規であり、全ての公務員は全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではないとうたっている日本国憲法を尊重、擁護することを市民の皆さんに対して宣誓しており、砺波市民の福祉の増進を図ることは、当然にその中に包含されていると考えておりますので、改めて議員御提言の文言を追加する条例改正には至らないと判断しております。
 加えて、近年の勤務形態は多様化しております。市役所や出先機関におけます勤務のみならず、地域の中核病院であります市立砺波総合病院、医療職員ももちろんですが、事務職員も市立砺波総合病院に行きます。市立砺波総合病院に来たときに砺波市民でない方をもってということはありません。そういったこともありますし、また県ですとか近隣の市、また一部事務組合への派遣など、服務宣誓は、職務の対象を砺波市民に限定しない職員に対しても誠実公正な職務執行求めるものでありまして、条例改正により、狭義に砺波市民の福祉に限定したのかとの誤解も生じかねないというふうなことも考えられます。そういった意味で、御提言の趣旨にはいささか違和感を抱きます。
 私自身の経験からも、それまでの学生気分から宣誓書に署名するときに、日本国憲法という言葉がありました。これはすごく重いことだなというふうに思った印象があります。県職員となった実感は、その後にバッジをもらってからです。ですから、やはり最初に公務員として、普通の、民間とは違う職務になったということを、決意を抱くということは、やはり大きな意味があるのではないでしょうか。多分堺議員も職員のときはそうだったのではないかなというふうに思います。
 それから、そもそも宣誓書記載の有無にかかわらず、現在の職員も、また将来勤務されることになる職員につきましても、砺波市民のために働こうとか、砺波市の発展のために頑張っていこうと思うからこそ、市の職員を志望されているものではないかと思います。
 そういった熱い思いをいつまでも持ち続けて職務に当たってもらえるよう、私からの、例えば新規採用職員への訓示では、砺波市のさらなる発展と市民の幸せを考えて職務に当たること、そして変化に柔軟に対応することを常に伝えているものでございます。その後も、例えば定期的に服務についての研修を行うなど、重ねて説明していくことなどで、服務宣誓の文言のいかんではなく、職員の資質の向上と意欲の向上を図っていくことが重要ではないかというふうに思います。
 また、どことも一緒じゃないかと、分権に反するじゃないかみたいな話がありましたが、変わったことをするのが分権ではありません。本当に必要なことを、その地域の独自のことにおいて、国の規制ですとか、そういったものと違った形で独自で決めることこそが分権でありますので、変わったことをしたら分権というものではないということも申し添えておきたいと思います。
 以上でございます。
○議長(島崎清孝君) この際、暫時休憩いたします。

 午後 2時43分 休憩

 午後 2時55分 再開

○議長(島崎清孝君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 9番 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い一問一答方式にて、市政一般の質問及び若干の要望をさせていただきます。
 大項目の1つ目は、砺波市の国際交流ビジョンについてお伺いいたします。
 その1点目として、近年における国際交流都市訪問の成果と課題について、夏野市長にお尋ねいたします。
 豊かな国際感覚をお持ちである夏野市長は、砺波市と姉妹都市盟約を結んでいる中国・盤錦市との交流停滞状態を解消し、平成28年に7年ぶりの訪問をなされ、トルコのヤロバ市へは、国内情勢と政権の安定を見極められて、今年の7月に9年ぶりとなる訪問を果たされました。また、チューリップのつながりが深いオランダ・リッセ市へは花と緑と文化の財団職員の派遣や中学生同士の交流会など、市民レベルの友好親善を図られてきましたが、市長の12月定例会初日の提案理由にもあったように、リッセ市からの中学生使節団が滞ったことで、このたびオランダで開催されたチューリップサミットにあわせ、中学生使節団交流事業の再開に向けて交渉されたと伺っております。
 そこで、市長が率先されて砺波市の国際交流の活性化に尽くされてきた各姉妹都市への訪問における成果と課題について、夏野市長にお伺いいたします。
○議長(島崎清孝君) 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 議員が述べられましたとおり、3つの国際交流姉妹友好都市とは、しばらくの間、さまざまな事情で直接的な交流が滞っておりましたが、交流の再開と申しますか、再度の活性化を求めるそれぞれの交流団体の関係者などからの強い要請も受けまして、3年前から機会を捉えて各都市を訪問してまいりました。
 それぞれの成果について申し上げますと、まず盤錦市へは、平成28年7月に砺波市日中友好交流協会や市の経済界の皆さんと、友好都市締結25周年を記念して7年ぶりに公式訪問をしたところであり、盤錦市長を初め、盤錦市人民政府の方々との親交も含めまして、今後は教育や医療など、新たな分野での交流を検討していくことといたしました。また、盤錦市は遼寧省にございますので、県のいろんな交流事業との関連も模索したところでございます。
 また、ヤロバ市へは、本年7月に姉妹都市締結30周年を記念いたしまして、砺波市トルコ友好交流協会の皆さんとともに、これは9年ぶりになりますが公式訪問し、ヤロバ市長やヤロバ県の知事らとお会いして、チューリップがつなぐ両市の恒久の友好関係を改めて確認してきたところであります。
 先ほどの御紹介もありましたが、若干政情不安等もございましたので、そういった中での交流というのはなかなか難しい点もありますが、先方は非常に積極的でございました。
 また、リッセ市とは、去る10月にオランダで開かれました世界チューリップサミットの開催に合わせましてリッセ市長を表敬訪問しまして、平成28年を最後に中断しております中学生の相互派遣事業の再開に向けて、引き続き双方が努力していくことを確認いたしました。
 リッセ市側、またその関係の学校も、この事業自体の意義については高く評価しているわけでございますが、どうしても財政面の関係で難しい点があるということで、お互いにそういう点も含めて努力していこうということで確認をしてまいりました。
 このように、直接足を運び、それぞれの市長を初め、市民の皆さんと顔を合わせて言葉を交わすことで、お互いに意思の疎通を図ってきたところでありますが、これまで先人の方々がいろんな努力をされて締結されました友好交流のきずなでございますので、これからも途切れることなく将来につなげていきたいというふうに改めて認識しましたし、また、どの先方も、どの市長さんもこの交流については続けたいという意思を示されていたところでございます。
 また、一方で、時代の移り変わりによりまして、これまで各市が友好姉妹都市交流に求めてまいりました目的に変化があらわれていることも感じております。息の長い関係を築くためにも、お互いに、新しい、時代に合った交流のあり方を模索していくということがこれからの課題ではなかろうかというふうに認識しております。
 なお、これらの友好姉妹都市に訪問した際には、令和3年に節目を迎えます第70回のチューリップフェアへの招待もしてまいりました。ちょっと先でございますので、なかなか確実なお返事があったわけでありませんが、皆さん、可能であればぜひ参加したいという御返答でございました。
 その際に、砺波市においでいただいたときには、さらなる友好関係を深めますとともに、また、先ほど申し上げました新たな交流のあり方等についても協議していきたいなというふうに思っております。
 以上でございます。
○議長(島崎清孝君) 9番 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) 今ほどのお話からして、今の3友好交流団体は、まだこれからも続いていくものというふうに理解をしたところであります。
 それでは、2点目として、チューリップを核とした新たな国際産業交流の推進というものについてお尋ねをいたします。
 平成28年度、台湾へ向けた26年ぶりとなる球根輸出の再開を皮切りに、水耕栽培キット等の球根資材や栽培技術の提供など、チューリップを核とした国際的な産業交流が進められていることは、当市にとってもとても有意義なことと評価しています。
 しかし、球根の輸出先であった嘉義市とは一時、流通が途切れたとお聞きしましたが、その後の再開に向けた協議の進捗状況に進展はあったのでしょうか。
 また、現在は台北市との球根を通じた産業交流が進展しているようですが、現状の進捗状況はいかがでしょうか。加えて、さらなる新規輸出先に関しての動きはあるのでしょうか。
 そして、一方では、オランダ・リッセ市のキューケンホフ公園との公園栽培技術交流も活発に行われ、砺波チューリップ公園のデコレーション技術も目覚ましく向上したと高い評価を受けています。
 公園の栽培技術といえば、私が今年7月にトルコ・ヤロバ市との姉妹都市締結30周年事業に参加し、トルコを訪問した折に、イスタンブール市街地にあるエミルギャン公園を訪れる機会に恵まれました。この公園は、4月から5月にかけて国際イスタンブールチューリップフェスティバルを開催されているそうで、47ヘクタールという広大な敷地内には、チューリップのじゅうたんが敷き詰められているそうであります。
 この公園の所在地はヤロバ市ではありませんが、同じトルコ内のチューリップでつながる国際産業交流先として、球根の売り込みや栽培技術の情報交換を行う価値は十分にあると考えますが、一度訪問されてはいかがでしょうか。
 そこで、チューリップを核とした新たな国際産業交流の推進について、加藤商工農林部長に答弁を求めます。
○議長(島崎清孝君) 加藤商工農林部長。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) 平成27年に、市長がかねてから交流のあった嘉義市長を訪問した際、冬でも気温が20度以上の台湾でチューリップを咲かせようと提案したことが契機となり、日本の高い技術力で花を咲かせたことで、平成2年以来、26年ぶりに輸出再開となった嘉義市政府につきましては、先方の事情により球根の輸出が中断し、その後、本年2月に市長が赴いて、先方に再開の意向があれば協力する旨の提案をしたものの、文雅小学校の水耕栽培を除いては、先方の事情が変わらないため再開できない状況が続いております。
 一方、台北市政府につきましては、一昨年、チューリップ四季彩館の職員が、チューリップの水耕栽培で交流のある文雅小学校で行った花育活動が台湾国内のメディアに取り上げられたことに士林官邸公園の担当者が関心を持ち、昨年はとやまレッドや黄小町など、富山オリジナル品種のチューリップ球根3,300球の輸出に結びついたものであります。
 また、県花卉球根組合による栽培指導も行ったところ、本年2月の2019士林官邸鬱金香展では、砺波エリアで見事に開花し、多くの観光客の皆さんに楽しんでいただいたところであります。
 今年度につきましても、継続して購入いただけるよう、本市や県花卉球根組合が粘り強く交渉を続けてきたところ、1万2,000球のチューリップ球根を購入いただけることとなり、先月、県花卉球根組合が委託した輸入代理店と台北市政府公園管理處との間で購入契約が締結されたところであります。
 今後は、輸出に向けた手続がなされ、明年1月20日ごろには植えつけ作業を行う予定とされております。
 また、さらなる輸出先につきましては、ようやく海外への球根輸出が始まったばかりであります。安定的な継続が何よりも大切であると考えており、今のところ新たな輸出先に関しての動きはございません。
 チューリップの栽培技術研修につきましては、平成27年、平成29年にチューリップ四季彩館職員をオランダへ派遣し、品種や色の組み合わせによる花壇のデザイン、チューリップを長く見せるために植えつけ深さや栽植密度を変えた2段植えなどの技術を習得してまいりました。この技術は、早速チューリップフェアの大花壇やオランダ風花壇に生かされており、多くの観光客の皆さんに高い評価を受けております。
 また、来年には、チューリップ四季彩館職員をオランダへ派遣することとしており、今後さらなる公園の花壇づくりに生かせるものと期待をしているところであります。
 イスタンブールへ訪問してはどうかとの御提言につきましては、いろいろなところへ行って、見て、感じることは大変重要なことではありますが、距離の問題、費用対効果などの問題もあり、機会があればそのような交流ができればと考えております。
 なお、過日、市長を初め、花と緑と文化の財団職員らが参加したチューリップサミットには、世界の名だたる公園やイベント等の関係者が集結し、情報交換等も行われており、これらの機会等を捉えて、これまでも本市の情報発信や他の公園の栽培技術の収集等に努めてきたところであります。
 今後もチューリップを核とした国際産業交流につきましては、県花卉球根組合や花と緑と文化の財団などと連携した取り組みで産業交流の推進に努めてまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 9番 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) それでは、国際産業交流、今の流れですけども、それによるインバウンドについてお尋ねをいたします。
 先月10日に、台湾の嘉義市の小学校6年生、22名が修学旅行で砺波市を訪問してくれ、砺波チューリップ公園において球根の植え込み作業を体験していきました。この体験学習は数年前から継続されているようですが、私が驚いたのは、チューリップの花が咲き誇る景観を見て楽しむ観光を目的としたものではなく、花が咲くまでの過程を体験学習することを目的としていることであります。
 そして、この来訪は、球根輸出を目的に実施されてきた産業交流の中で、児童たちへの水耕栽培という花育活動が成果として実ったものと聞きました。
 そこで、例えばチューリップ球根の海外販路開拓事業の産業交流プログラムに、球根の栽培作業を初めとする砺波市の農業や食文化に触れる農と食の体験観光や、ものづくりの心に触れる産業観光などのメニューも加える必要があるのではないでしょうか。
 国際産業交流につながるインバウンドの展開について、加藤商工農林部長に答弁を求めます。
○議長(島崎清孝君) 加藤商工農林部長。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) 嘉義市の文雅小学校が、修学旅行先として、石川県金沢市内の小学校と交流がなされていたことから、平成26年に砺波市内への訪問もできないかと文雅小学校に申し入れしたところ、児童が記憶に残る体験活動を行いたいとの回答がありました。
 そこで、チューリップ四季彩館では、平成27年度にチューリップフェアに向けて、公園の花壇に球根を植えることを提案したところ、快く応じていただき、平成28年秋から毎年、球根の植え込み体験が始まりました。
 さらに、これが御縁で、平成28年度には、同小学校に身近な花や緑に親しみ、命あるものに触れ、感動を体験する花育活動を提案したところ、ぜひ取り組みたいとのことからチューリップの水耕栽培につながったものであり、3年目となる平成30年度には900球の球根等の購入をいただきました。
 これまで1月下旬だった水耕栽培の実施時期が、昨年度はクリスマスの時期の12月と早かったことから、チューリップの開花率は極めて低く、子どもたちには大変残念な思いをさせてしまいました。
 そこで、今年度につきましては、1月下旬に戻し、県花卉球根組合が900球を無償提供することで、引き続き水耕栽培が行われることとなっております。
 チューリップ球根の海外販路開拓事業は、球根の輸出を目的としておりますが、購入していただくためのストーリーや付加価値を生み出すためには、花育を提案するなど、児童が取り組みやすい体験メニューを考えてきたところであります。
 今後の球根の海外販路開拓事業への取り組みに当たっては、引き続き花育活動を中心とした水耕栽培の取り組みや、球根植え込み体験などに加え、本市の食文化や農と食の体験、ものづくりの心に触れる産業観光のメニューなども、機会があれば提案してまいりたいと考えております。
 国際産業交流でつながるインバウンドの展開につきましては、小さな取り組みではありますが、台湾の子どもたちが、小さなときから球根の植え込み体験や水耕栽培による花育活動通した交流を深めることなどの努力を粘り強く積み重ねていくことで、大人になって、必ずや日本に来てもらえるきっかけとなり、長い目で見れば、国際産業交流でつながるインバウンドにも結びつくものと考えております。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 9番 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) いろんな形でインバウンドに結びつけていただきたい。せっかくの海外との交流ですので、よろしくお願いしたいと思います。
 では、砺波市国際交流ビジョンの最後に、これからの国際交流の考え方について、夏野市長にお伺いいたします。
 砺波市と姉妹友好都市盟約を結ぶ3つの都市、今年、締結から30年を迎えたトルコ・ヤロバ市を初めとして、中国・盤錦市、オランダ・リッセ市も間もなく30周年を迎えます。締結時の平成初期は、国際化の波が地方自治体にも押し寄せ、当初は自治体主導であった国際交流も、その後、中学生の国際的な異文化交流や市民主体の草の根交流による国際親善を基本として発展してきましたが、今では盟約締結を結ばなくても、富山県と台湾の相互交流をきっかけとした産業交流や観光交流、そして農業交流など、時代の流れとともに国際交流の動機や考え方に変化があらわれていると感じています。
 そこで、市としても、今まで築かれた基盤をもとにして、新たな産業、観光、市民交流の流れを見出していくことも必要であると考えますが、これからの国際交流の考え方について、夏野市長の御見解をお聞かせください。
○議長(島崎清孝君) 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) これまでの国際交流は、市民同士が心と心を通わせるための、いわゆる友好親善ということですとか、相互理解を目指したものが主流でございましたが、各国の厳しい財政事情などから、互いに頻度を持って訪問し合うことが難しくなってきているというふうに思います。
 特に、我が市の姉妹友好都市でありますトルコとオランダは大変遠いわけでございまして、多人数で行くとなると、来るのであっても一緒ですが、かなりの経費がかかるということが1つの障害かなというふうに思います。
 こういった中、今日ではこれらの市民交流に加えまして、経済、産業の活性化や医療・福祉の相互協力、教育、スポーツによります人材育成や観光など、市民生活に密着した、より具体的な目的を持った交流が求められていると考えております。
 本市では、既にチューリップ球根の輸出の再開や、チューリップフェアや庄川遊覧船などへのインバウンドの増といった具体的な目的を持った国際化に取り組んでおりますし、また、去る10月に参加いたしました世界チューリップサミットでは、本市のチューリップの技術力や展示アイデアを世界に強く印象づけることができ、大きなPR効果もあったものと考えております。
 また、例えば市立砺波総合病院と黒竜江省の病院との交流も本当に長く続いておりまして、そういった意味では、幅広いいろんな活動を進めているところでございますが、これも、いわゆる姉妹友好都市の枠組みの中ではございません。それにとらわれず、時代の変化に対応しながら、広い視野を持って国際交流に取り組むとともに、国際化社会に適応し、世界に開かれた、よりグローバルな砺波市を目指していくということが必要かなというふうに思っています。
 また、一方で、今年の4月には改正出入国管理法が施行されたことでございますので、市内に現在もたくさんの外国人がいらっしゃいますが、こういった外国人労働者の増加が見込まれます。私たちの地域社会においても、いわゆるボーダーレス化というものが進んでいくということが予想されます。
 こういったことから、今後は、それこそ国籍にもとらわれず、市民の皆さんが柔軟に外国人の住民を受け入れる機運を育てるといった多文化共生社会への対応、これもかつては内なる国際化と言ったわけですが、そういったことも国際交流の役割ではないかなというふうに考えております。
 そういった点で、これからもそういった新しい視点も踏まえて推進していくこととしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○議長(島崎清孝君) 9番 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) それでは、大項目の2点目に移ります。
 2点目は、移住・定住の促進及び関係人口の拡大についてお伺いいたします。
 その1点目として、今年度の新規事業である移住支援金事業の成果と分析についてお尋ねいたします。
 この事業は、東京一極集中の是正と中小企業の人手不足の解消を目的として、国が創設した令和の新時代にふさわしい主要事業の一つであると期待しているところなのですが、今年も、はや半年余りを経過してしまいました。
 そこで、現時点における移住支援金事業の進捗状況はどのように推移しているのか。また、今年初旬に開設された砺波市移住人財バンクの活動状況はいかがなものであるのか、移住支援金事業の成果とその分析について、今井企画総務部長に答弁を求めます。
○議長(島崎清孝君) 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 移住支援金事業につきましては、先の富山県議会でも取り上げられましたが、4月からの活用実績は、11月1日時点で、富山県の発表では数件にとどまっており、全国でも80件程度と低調な状況であります。
 本市におきましては、この制度について、市ホームページや広報となみでの広報に加え、市民課窓口では転入者に対する周知に努めておりますが、いまだに実績がない状況であります。
 活用が少ない要因といたしましては、支給対象者の在住期間や対象事業所の資本額などの支給要件の厳しさ等が挙げられており、このことを重く見た全国知事会では、国に対しまして、それらについての要件緩和を要望されたところであります。
 本市といたしましては、国の動向を見極めながら富山県と連携を図り、引き続き移住支援事業を推進してまいりたいと考えております。
 次に、砺波市移住人財バンクにつきましては、今のところこのバンクの活用によります就職実績はありませんが、首都圏等で開催される移住フェアや相談会等を通じて周知を図っており、この制度があることによって本市への移住に興味を持たれ、問い合わせが寄せられるなど、一定の効果が見られるところであります。
 移住には就業が重要な条件となることから、今後も、あらゆる機会を通じまして制度の活用を促し、移住希望者に本市を選んでいただけるよう努めてまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 9番 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) なかなか使いにくい移住支援金事業だというようなことであります。
 2点目として、とやま呉西圏域連携事業で取り組む定住・移住トータルサポート事業の進展についてお尋ねいたします。
 呉西6市が互いに連携して、各種の事業に取り組みを開始した呉西圏域連携事業には、定住・移住トータルサポート事業があります。この事業は、都市圏との交流推進や圏域内への定住・移住に関する総合的支援の展開を図ることとして取り組まれていますが、具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか。また、この事業による砺波市への成果はあったのでしょうか。
 とやま呉西圏域連携事業で取り組む定住・移住トータルサポート事業の展開について、今井企画総務部長の答弁を求めます。
○議長(島崎清孝君) 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 移住希望者に対する情報発信につきましては、ホームページやSNSといった方法もありますが、現在最も活用され、その効果も高くあらわれておりますものは、移住フェアや移住セミナーであります。
 例えば、東京で開催されておりますふるさと回帰フェアには、移住希望者2万人が参加されるなど、注目を浴びるイベントとなっております。
 しかしながら、このような事業に市単独で参加することは、よほど特徴的な移住施策を打ち出さない限り、ほかの市町村に埋もれてしまうことや、ブース出展費用も負担が大きく、また情報発信力も弱いことから、県や圏域などで連携するほうが効率的かつ効果的であると考えております。
 こういった背景から、呉西6市では、呉西連携事業の一つといたしまして移住事業を連携することとし、移住フェアやセミナーへの出展や、富山くらし・しごと支援センターへの出張相談会を開催しているところであります。
 連携により情報発信力が向上し、昨年度のふるさと回帰フェアの実績では、30件を超える方が呉西圏域ブースを訪れられ、相談に訪れた親子3人が本市に移住されたという実績につながっており、一定の効果はあったものと感じております。
 一方、当該フェアには富山県からも出展されていることから事業が重複しておりますし、呉西という地名が一般的でなく、わかりにくいこと、また各市の特徴的な施策も打ち出しにくいといった課題も見えてまいりました。
 これらにつきましては、呉西圏域事業のあり方をしっかりと検証し、成果があらわれるよう見直しを図ってまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 9番 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) では、3点目として、新たなUIJターン施策について、1つの提案を含め、お尋ねいたします。
 今年5月に実施した砺波市議会初の議会報告会では、参集された市民の皆様との意見交換でいただいた御意見のほかにも、10月発行のとなみ市議会だより第18号にも掲載したように、アンケートによる意見、感想等も数多くいただきました。
 その中で、人口減少対策にかかわる意見の一つに、今や東京へは2時間余りで行けるのだから、若い世代に砺波に来て住んでもらい、父さんは単身赴任で東京へ、母子は砺波でゆったりと暮らし、土曜日曜には父さんも交え、家族でゆったりと砺波で過ごすことをアピールすればどうか。加えて、月に1回の通勤費片道分を市で負担してあげればどうかというものでした。
 私は、先ほど質問した移住支援金事業が伸び悩んでいる背景に、移住・定住を考えている東京に23区ある東京都民に対して、砺波市の取り組み内容や細部にわたる支援がうまく伝わっていないのではないかと考えるのです。
 そこで、ぜひ来年度も移住支援金事業を継続され、この事業の支援措置として、例えば市民からの意見にあったように、月1回の(仮称)移住・定住者通勤費補助金を付加することで、砺波市民からの熱い思いを移住・定住思案者に伝えてもらいたいと考えるのですが、新たなUIJターン施策についての見解を今井企画総務部長に答弁を求めます。
○議長(島崎清孝君) 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 移住・定住を促進するためには、UIJターンのきっかけとなる施策や後押しする施策が効果的であると考えております。UIJターンのうち、特にUターンは、地域への理解もあり、親兄弟や友人もいることから、IJターンよりもハードルは低いものと考えております。
 このことから、本市では、Uターンのきっかけになり、経済効果も見込まれますふるさと回帰同窓会支援事業を平成28年度から実施してきたところであります。
 この事業は、これまでに700人を超える利用があり、利用者アンケートからも、Uターンに興味が湧いたといった意見もあり、一定の効果はあったものと考えておりますが、Uターンにつながったという直接的な効果が見えませんことから、期限としていた今年度限りといたしまして、新たな事業への見直しが必要であると考えております。
 その新たな施策につきましては、本市の特徴的な事業であります三世代同居推進事業と移住とを結びつけられないか、現在、検討をいたしております。
 また、移住支援金事業につきましては、先ほど述べましたとおり、全国知事会で国に対して要件緩和を要望されたところであり、周知を含めまして引き続き推進してまいりたいと考えております。
 なお、議員が述べられました一例につきましても参考とさせていただきたいと思います。
 私からは以上であります。
○議長(島崎清孝君) 9番 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) それでは、砺波市とのかかわりを持つ企業人や学生との交流深耕についてお尋ねをいたします。
 移住・定住人口の増加には、砺波市とかかわりを持つ関係人口を拡大していくことも大切であり、市内へ他地域から就業されている人々や、観光、農業体験等を通じて来訪される人々に砺波市とのかかわりを深く掘り下げてもらうことも必要と考えます。
 例えば、砺波市に本社を置くサンエツ金属、スリーティなどや、市内に事業所を置くパナソニック系列会社や北陸コカ・コーラプロダクツなどには、市外、県外からも多くの従業員が働いておられます。
 私は、この方々の中にこそ、砺波市の地域活性化を担ってもらえる可能性を秘めた方が存在されており、この方々へこそ市内や地域におけるイベント等を通じた交流深耕の働きかけが必要なのではないかと思うのです。
 また、宿泊体験施設佐々木邸をベースとした富山大学との連携事業に参加する学生や、とやま帰農塾砺波塾への参加者、そしてホテル寺尾温泉へは年間を通して学生たちのサークル活動の拠点となりつつあることからも、これら学生たちに砺波市を知ってもらう働きかけを行えば、いかがでしょうか。
 そこで、関係人口の拡大につながる砺波市とのかかわりを持つ企業人や学生との交流深耕について、加藤商工農林部長に答弁を求めます。
○議長(島崎清孝君) 加藤商工農林部長。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) 議員御提言のとおり、市内の事業所で働く市外、県外の従業員の方々や観光、農業体験等で来訪される方々に、本市のことを知っていただき関心を高めていただくことは、人口増対策の一つとして大変重要なことであると考えております。
 これまでも市内の企業の皆さんがとなみ庄川散居村縦断マラソンを初め、となみチューリップフェア、KIRAKIRAミッションなどのボランティアや地元のソフトボール大会などに積極的に参加されているとお聞きしております。
 中には、長年にわたり地域の公民館行事に参画され、地域の方々との交流を深め、地域の活性化に貢献されている企業もございますので、引き続き、商工団体など関係団体と連携しながら、これらイベントへの参加や交流活動がより多くの企業に浸透するよう働きかけてまいりたいと考えております。
 また、富山大学との連携事業である「第2のふるさと発見事業」は、そもそも本市でのゼミ活動を通して、市外、県外の学生の皆さんに砺波の食や住みよさを発信し、砺波のファンになってもらうことを目的とした本市ならではの事業であり、参加した学生が、再度、旅行などで本市を訪れたという成果も出てきております。
 同様に、とやま帰農塾砺波塾では、既に移住された市民と参加者が本市の暮らしやすさについて語り合う交流会を開催するなど交流深耕を実践しており、また都会の方々との交流を目的に市農業公社が行うコシヒカリオーナーやチューリップファン倶楽部でも、本市の魅力を積極的に発信しているところであります。
 一方、寺尾温泉を訪れる学生の皆さんには、合宿の成果等を各種イベントなどで御披露いただくなど、市内で広く活動し交流していただくよう常々働きかけを行っており、その促進策として、地域交流活動に参加した場合には、コンベンション開催事業補助金を上乗せする要綱改正を昨年度行ったところであります。
 このように、これまでも地域の皆さんや農業団体などとも連携を図りながら、関係人口の拡大に取り組んできたところであり、引き続きさまざまな機会を捉えて、学生の皆さんや来訪者の方々に本市への関心をさらに高めてもらえるよう、交流の深耕に努めてまいります。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 9番 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) 農業分野を介しての交流人口、それは交流人口なんですよね。関係人口ではないんです。交流人口を関係人口に変えていっていただきたい、そのことをまた1つ添えさせていただきます。
 では、最後であります。
 移住・定住の促進及び関係人口の拡大についての最後に、移住・定住につながる関係人口拡大への取り組みについて、齊藤副市長にお伺いいたします。
 関係人口とは、観光、レジャー、通勤、通学、買い物等で砺波市を訪れる交流人口とは違い、地域外の人が砺波市と多様にかかわりを持つ人のことを言いまして、例えとして、もともと砺波市にルーツがある人や地域おこし協力隊員、仕事や大学などを通じて、継続的なつながりを持つ人などを指しており、地域外の人材が地域づくりの担い手になってもらえる可能性があることを期待されています。私は、この関係人口の拡大こそが移住・定住を促進させる取り組みではないかと考えています。
 市は、第2次砺波市総合計画の10WAVEプロジェクトにある魅力情報発信強化プロジェクトで、都市圏を中心とするエリアに向けた情報発信に注力されていますが、まずもって、砺波市を知ってもらうことはとても大切な取り組みだと思います。そして、砺波市を知ってもらった後は興味を持ってもらうことであり、そのことを砺波へ行ってみようという行動に移してもらわなければなりません。そのためには、その思いを行動に移すきっかけを与える仕組みが必要なのではないでしょうか。
 例えば、砺波市とつながりの深い方々の会として、東京砺波会や関西砺波会があり、毎年、市長、議長が出席されて砺波市の情報を伝えておられます。このつながりだけでは難しいのですが、その点を横に広げる面として関係人口の拡大につなぐことはできないものでしょうか。
 そこで、来年度の計画には、魅力情報発信の種まきと同時に、芽吹いた心、その気持ちに肥料を与え、砺波市へと誘導するための収穫期に関する事業を創出してほしいと考えるのですが、移住・定住につながる関係人口拡大の取り組みについて、齊藤副市長の御所見をお聞かせいただきまして、私の質問を終えさせていただきます。
○議長(島崎清孝君) 副市長 齊藤一夫君。
 〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 先日、国が来年度から開始する地方創生の方向をまとめた第2期総合戦略の骨子が発表されました。
 第1期総合戦略では、戦略の一つとして東京一極集中の是正を掲げ、さまざまな取り組みが行われていますが、今ほど御質問がありました移住支援金を見ましても、期待されたほどの効果があらわれていないと評価をされています。
 そこで、第2期総合戦略では、移住にこだわらず、地域に多様な形で継続的にかかわる関係人口により、地方と都市の新たなつながりの構築を図るよう見直しが行われたところであります。
 こうした関係人口は、都市部に住みながら地方と交流し、都会と田舎の便利さと豊かさのいいとこ取りをして、共感と参加を進めるものと期待をされております。
 一方、これまでも総合戦略では、移住・定住により、将来的に地方の人口を増やすことを本来の目的としていることから、移住・定住という最終目標をしっかりと見据えながら、関係人口の増加により地域の担い手として活躍してもらう人や、将来的な移住を希望する人たちを増やしていく具体的な取り組みが必要と考えています。
 そうした中で、関係人口については、国が行ったアンケートでは、地方との関係性に影響を及ぼす要因としては、「自分または配偶者の出身地であること」「旅行や出張でよく行く場所であること」「親等の出身地であること」がトップスリーでありました。
 この結果を見ましても、先ほど川辺議員から提案のありました県人会など、本市出身者とのつながりや、ゼミや部活動合宿による学生とのつながり、また転勤、出張による仕事のつながりなどは重要なポイントであり、本市といたしましても、現在行っている事業をよりブラッシュアップしていく必要があると考えております。
 なお、国が関係人口創出に向けて取り組みを加速すると例示したものには、都会と田舎の2地域居住などのライフスタイルや、子どもや学生と産業の関係をつなぐ子どもの農業体験や地方創生インターンシップなどがあり、今後詳細な施策づくりをされるものと考えております。
 市といたしましては、国の動向や情報をアンテナを高くして捉え、県や呉西圏域などとともに連携し、移住・定住や関係人口の拡大につながるよう、本市の魅力を発信してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(島崎清孝君) 開田哲弘君。
 〔1番 開田哲弘君 登壇〕
○1番(開田哲弘君) 議長より発言の許可をいただきましたので、質問通告書に従い、市政一般に関する質問と若干の提案をさせていただきます。
 まず最初に、RPA、これはロボティック・プロセス・オートメーションという定型業務を自動化する仕組みへの取り組み、及びこれに関連する事項について幾つかお伺いします。
 RPAとは、業務の変革に欠かせないツールとして注目されている仕組みです。先ほど言いましたが、ロボティック・プロセス・オートメーションの略語で、事務作業の担当者がパソコンなどを用いて行っている一連の作業などについて、自動化することが可能なソフトウエアロボットです。ロボットといえば、2本足歩行のロボットをイメージしがちですが、人のかわりに何らかの作業を自律的に行う装置または機械という意味がありますので、この場合は装置という意味で理解すればよいと思います。
 RPAは、人間が行う業務の処理手順を操作画面上から登録しておくだけで、いろいろなアプリケーションを連携させ、結果、業務自動化を実現していきます。RPAはさまざまな分野で活用されており、民間企業では金融を初め、商社、サービス、流通、小売、インフラ、製造、不動産など、さまざまな業種の事務系業務の自動化が拡大していっています。このRPAのことをデジタルレイバー、仮想知的労働者とも呼び、ツールとしてではなく、人と共存し、コスト削減等の目的を達成するための相棒と捉えている企業もあります。
 このRPAが注目され始めた理由は、日本が2060年には国民の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者になるという、世界でも類を見ない超高齢社会を迎えるということからだと考えています。総人口は減少の一途をたどり、15歳以上65歳未満の生産年齢人口も1990年代をピークに減少傾向が続いています。早期に生産年齢人口をカバーしなければならないことは明らかで、外国人労働者の受け入れや未就業の状態にある人々の就業支援などにも手がけてはいるのですが、人手不足の解消には追いつかないと国では考えております。
 そういった予測の中で、人のかわりに作業してくれる仕組みとしてRPAは注目を集めることになりました。生産の現場、特にライン業務では、早い段階からロボットの導入が進み、加えてITの技術が導入されたことで、メンテナンス以外はほぼ無人という状態も出てきています。ほかに代替機能がないためにやむを得ず人間が行ってきたとも言える単純作業に近い事務処理、書類関係の作業、旧態依然とした業務が多く残る業種、職種にも業務改善の可能性が生まれることになります。ルール化できる作業をRPAが担うことで、人間はより創造性が必要な業務や属人性を求められる業務、コミュニケーションが必要な業務など、人間にしかできない仕事に集中することができます。
 市役所には多くの人が訪れます。その方々への対応は、当然職員の方が行わなければいけません。私は、市役所で早期に導入することが一番大事だと考えております。今井企画総務部長の答弁を求めます。
 また、次に、スマート自治体への取り組みについてお伺いいたします。
 総務省のスマート自治体研究会、ここによればスマート自治体の目指す姿とは3つあります。
 1つ目は、人口減少が深刻化しても自治体が持続可能な形で行政サービスを提供し続け、住民福祉の水準を維持していくこと。2つ目は、職員を事務作業から解放して、職員でなければできない、より価値のある業務に注力させること。3つ目は、ベテラン職員の経験をAI等に蓄積、代替することで、団体の規模、能力や職員の経験年数にかかわらず、ミスなく事務処理を行えること、この3つです。
 しかし、ここで一気にハードルが高くなってしまいます。ベテラン職員の経験をAIに蓄積するという部分ですが、言葉では簡単なのですが、これを検証し、データ化するのが大変な作業になります。しかし、これが完成してしまえば、誰もが同じサービスを提供できることになるので、非常にコアな部分かと思われます。
 なので、実現に向けた原則という項目の中に、AIの全国的な共同利用によって学習させるデータ数を増やし、質の向上を図るとともに、割り勘効果による価格の低減を実現させるということが書かれています。実証実験段階では無償で導入し、サンプルの確保と質の向上に寄与した上で、実装段階からは予算の確保が必要になるような仕組みになっております。
 また、別の資料では、AIによってできることが幾つか紹介されています。問い合わせへの対応、観光客に対する多言語対応も含むコンシェルジュなど、自治体の開庁時以外にもサービスを提供すること、道路点検の際、AIに画像を読み込ませて状況を自動判定させること、気象データ、土壌データ等を解析し農業の最適化、ケアマネジャーのケアプラン作成支援、会議録、議事録の作成などです。
 これだけを見るとAIはすごいなと感じるのですが、判断に至る基礎データのボリュームによってアンサーの質が変わってしまうことが危惧されております。
 また、システムの共同利用が必要なため、自治体クラウドの設定が必要になってきます。共同してシステムを使うことで、稼働率の向上と保守業務等の効率的運用とが備わります。
 現在、富山県でも自治体クラウドはあり、多くの市町村が参加しています。砺波市は、総務省から平成31年3月29日に公表された調査、「地方行政サービス改革の取り組み状況等」、平成30年4月1日現在の調査ですが、ここでは自治体クラウドには未実施と回答しています。その理由は、一昨年度、コストシミュレーションに基づき検討を行った結果、クラウドシステムを採用するよりも、本庁と支所でミラーリングしたほうが本市にとって経費が安くなることが判明したためとありました。
 平成31年4月の調査結果の公表は来年の3月かと思われますが、やはりこちらの回答も未実施で、砺波市独自のスマート自治体を目指すということでしょうか。
 2点目につきましても、今井企画総務部長の答弁を求めます。
 以上で大項目1点目の質問とさせていただきます。
○議長(島崎清孝君) 答弁を求めます。
 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 私からは、AI等を活用いたしましたスマート自治体についての御質問にお答えをいたします。
 まず、1点目のRPAは定型業務の簡略化につながるが砺波市の考えはの御質問につきましては、先の堺 武夫議員にお答えいたしましたとおりでありますが、その導入によりまして、単に業務の効率化のみならず、人間にしかできない業務にマンパワーを傾注できることが大きな利点であると考えておりますので、適切な時期に導入ができるよう準備を進めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目のAI等を活用したスマート自治体に向けた砺波市の取り組みはの御質問についてお答えをいたします。
 議員御紹介の報告書におきまして、国はスマート自治体の定義を「システムやAI等の技術を駆使して、効果的・効率的に行政サービスを提供する自治体」とし、その実現に向けた原則の一つに、行政アプリケーションを自前調達方式からサービス利用方式移行することを掲げております。
 さらに、複数自治体による調達よりも、全国的なサービスとしてアプリケーションを提供する方式が最も望ましいとしており、またその際、システム及びそれに対応する業務プロセスの標準化、共同化を進めつつ、複数業者による競争環境を残すべきであるとしております。
 したがいまして、スマート自治体でのAI等を利用したサービスは、全国の自治体がそれぞれの目的に沿って選択的に利用することができるLGWAN上、あるいはインターネット上での利用が想定され、その実現は行政手続を電子化することに加えまして、業務の標準化を進めることにより可能となるものであり、いずれかの自治体クラウドへの参加を前提としているものではないことを御理解いただきたいと存じます。
 なお、本市が前回のシステム更新時におきまして、富山県自治体クラウドの参加を見送った理由につきましては、単に議員が御紹介の経費面のみならず、本市が稼働させておりますシステムは、既に独自仕様による改修を極力排除して業務の標準化を済ませていたため、自治体クラウドに参加することによる経費削減のメリットが、クラウド参加に要する費用、労力と比較すると見出せなかったことによるものであります。
 このように、本市は、自治体クラウドに参加するしないにかかわらず、スマート自治体の実現に向けて取り組んでいるものであり、次期システムの更新の際には、自治体クラウドへの参加につきましても、単に経費の面のみならず、災害時の対応やセキュリティー面も含めまして、さまざまな観点から検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(島崎清孝君) 開田哲弘君。
 〔1番 開田哲弘君 登壇〕
○1番(開田哲弘君) 次に、砺波市が行ってる「となみちサポーター(砺波市道路等愛護ボランティア)」についてお伺いします。
 歩車道境界ブロック付近にごみがたまり草が生えることから、このボランティア制度は始まったわけですが、この制度のことを知らない人が多いのではと感じております。この制度の目的は、砺波市が管理する道水路において、利用者が自ら進んで行う清掃、緑化、除排雪等のボランティア活動を支援することで、活動の活性化や愛護の心を育むことを目的としております。
 平成31年4月末時点で、6団体112名の方が活動されております。この間、この地区以外の方が草の除去をされているのを見て、この制度の話をしました。「草、集めといたら持っていってくれるんけ、誰も教えてくれなかったわ」と言われました。
 さて、私はこの制度の活用を通して、多くの方に市の道路に関心を持ってもらうきっかけになればと考えております。道路清掃等、歩いて道路を目にする機会は道路の異常に気づくのも早いということにつながっていきます。早目の補修をするように仕向けると道路の寿命も延びます。そのアンテナ的な役割も重要だと考えております。
 しかし、このボランティア活動をさらに増やすためにどうすればよいのか。自治振興会の方は事務所によく来られると思うので、都度御案内をするとか、チラシをつくって回覧板で回してもらうとか、市のホームページのトップに表示するとか、さまざまな方法で案内をしていくことが大事なのではないかと思います。
 道路補修にかかる費用のことを考えると、ボランティアで対応する方法をとっていったほうがよいと思うので、喜田建設水道部長の答弁を求めます。
 これで私の質問を終わります。
○議長(島崎清孝君) 答弁を求めます。
 喜田建設水道部長。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 私からは、となみちサポーター制度の案内方法についての御質問にお答えいたします。
 この制度につきましては、市が管理する道水路において、道路利用者が自ら進んで行う清掃、緑化、除排雪等のボランティア活動を支援することにより、ボランティア活動の活性化や道路愛護の心を育むことを目的に、平成30年度に創設したものであります。
 となみちサポーターの登録状況につきまして申し上げますと、本年11月末現在、1団体増え、計7団体、150名余りの方々に登録していただき、各地域において市道の除草、清掃等を行っていただいておりますことに大変感謝申し上げる次第でございます。
 市としましては、登録された団体に、1つ目といたしまして、保険加入費用の助成、2つ目といたしまして、収集したごみや草の処理、3つ目といたしまして、消耗品等の支給、4つ目といたしまして、ボランティアポイントの付与等の支援を行っているところであります。
 なお、本市では、制度創設の際に自治振興会協議会の場において説明し、その後、広報やホームページにより周知を図っているところでありますが、議員御発言のとおり、2年目を迎え、登録団体数がわずか7団体にとどまっているところであります。
 市内の各地では、地域の多くの皆さんのボランティアにより除草や清掃等を行っていただいておりますが、必ずしも登録手続まで至ってないことを残念に思っております。
 そのため、市としましては、引き続き制度の周知を図るため、活動状況を取りまとめたチラシを作成し、ホームページや広報となみでの周知や、市社会福祉協議会や商工会議所、商工会等の会報を通じて、募集案内や活動状況を掲載していただくなどの連携、協力をお願いし、本制度の目的であるボランティア活動の活性化、道路愛護の心を育む団体の推進を図ってまいります。
 まずは、議員自ら率先していただきまして、地元自治会におかれましての登録をいただければ幸いに存じます。
 私からは以上であります。

○議長(島崎清孝君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
 次回は、明12月10日午前10時から再開いたします。
 本日はこれをもちまして散会いたします。
 御苦労さまでした。

 午後 4時01分 閉議